『FF14』最新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』で待つ冒険とは!? 吉田P/D合同インタビュー!!

電撃オンライン
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 2月6日開催の“FFXIV新情報発表会”でついに明かされた『ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)』の拡張パッケージ第4弾『暁月のフィナーレ』。その発表会後には、メディア合同で吉田直樹プロデューサー兼ディレクターへのインタビューが実施されました。発表情報のさらに一歩先に踏み込んだお話を伺えたので、次の情報発表の場となる5月15日~16日開催の“FINAL FANTASY XIV DIGITAL FAN FESTIVAL 2021”の前に熟読しておこう!

ヒーラーの2極化の意図、そして新たな近接DPSジョブは竜騎士と同じ装備カテゴリに!

――新ジョブとしてヒーラーの賢者が発表され、これにともないヒーラーというロールが“白魔道士と占星術師のピュアヒーラー”と“学者と賢者のバリアヒーラー”に完全2極化されるとのことでした。そこで質問なのですが、ピュアヒーラーとバリアヒーラーのそれぞれの中での差別化はどのようにされていくのでしょうか?

吉田直樹氏(以下敬称略):バランス的には、ピュア・バリアヒーラーのなかでどちらのジョブを使っても極端な差がないようにしています。そのうえで、ゲーム体験という部分で大きな差を付けていくイメージです。


 例えば学者と賢者の場合、バリアを張るという行為に対してのアプローチの仕方が違います。学者の場合は、フェアリーというペットがいたうえで回復とバリアを行いつつ攻撃を挟んでいく感じです。これが賢者となると、彼らの武器である賢具はペットではないのでプレイ感覚がまったく異なるものになります。そこの違いを光の戦士たちにお届けするのが、今回のコンセプトです。

――明確にピュアとバリアで分かれるとのことですが、ヒーラーロールそのものが2つに分かれるのでしょうか?

吉田:いえ、表示上はあくまでヒーラーという1つのロールです。なので、当然ダンジョンはどのヒーラーでも問題なくクリアできるようにしています。逆に高難易度コンテンツでは、それぞれ分かれていたほうがいいという感じです。もちろん、実装したうえでピュアとバリアの表記がないと混乱しそうだと判断すれば、その限りではありません。

――ちなみに、白・占のピュアヒーラーだけの構成、学・賢のバリアヒーラーだけの構成といった偏った編成になった場合、戦闘バランスの感覚はどうなりますか?

吉田:パッチ5.3までは、プレイヤーのみなさんから「ヒーラーが手持ち無沙汰になりがち」という声が多く届いていました。そのため、パッチ5.4の高難易度コンテンツでは攻撃頻度や被ダメージ量を激しくして、早期攻略においてはピュアヒーラーだけ、バリアヒーラーだけといった偏った編成だとクリアが難しくなるように意図的に調整しています。

 その流れは今後も続けていく予定で、ピュアヒーラーとバリアヒーラーが1人ずつパーティにいたほうがクリアしやすくなるよう調整する予定です。また、新作発表会の壇上でもお話しましたが、レイドファインダーなどでマッチングした場合はできる限り双方がそろうようにアルゴリズムを調整していきます。

――例えば、ピュアとピュアで被った場合にリミットブレイクゲージの貯まり方に差が出るのでしょうか?

吉田:リミットブレイクゲージの貯まり具合を細かく調整すると、あえて変則的な編成にしてゲージを貯めるなどタイムアタックに影響が出てくるので、そういったことはしません。

――ヒーラーの役割分担と同じ流れで、タンクに関してもメイン・サブといったように明確なカテゴリ分けをされる予定はありますか?

吉田:今のところ、明確にカテゴライズする予定はありません。現時点でもナイトがサブタンク向きなどの風潮がありますが、基本的には両対応できるように作っているので、引き続きこの方針でいくつもりでいます。

――タンク4ジョブの個性で差を付けていくということですね。

吉田:そうですね。ゲーム体験を同一ロール内での違いとして押し出していく形になります。DPSの場合は、そこに操作難易度と攻撃性能の差を加えていく感じですね。

――新ジョブについて、賢者のほかに近接攻撃DPSが追加されるというお話がありました。現状でも近接攻撃DPSは4ジョブ存在しており、ほかのポジションと比べても数が多いです。そんななかで、あえて近接攻撃DPSを追加することに至った経緯と、ほかの近接攻撃DPSとの棲み分けをどうバランスをとっていくのかを教えてください。

吉田:ポジションに対するジョブ数については、仮にパッチ7.0で新タンクを出そうとした場合はタンクが5ジョブになってしまいますし、長く続けていくうえでは仕方がない部分だと思っています。

 また、ほかのロールと比べてDPSをやりたいと思う方が基本的には多いので、拡張ディスクごとに攻撃を行うジョブはマストで追加していくべきだと常々考えており、今回は近接攻撃DPSを追加することにしました。また、現時点で竜騎士だけが“メイル”という特殊な装備カテゴリになっているので、新しい近接攻撃DPSはこの装備カテゴリに追加します。

――近接攻撃DPSについては、最近の高難易度コンテンツだと攻撃をしにくい傾向にあります。そのあたりはどうお考えですか?

吉田:高難易度コンテンツにおいて、近接攻撃DPSが攻撃しにくいという部分は開発側も認識しています。これは長く続いているMMO共通のジレンマで、ギミックを複雑にしていくと移動や攻撃距離に制限があるクラス(ジョブ)が戦いにくくなっていってしまいます。

 この部分に対しては、各ジョブにどういうアクションを振り分けていくかという部分でフォローしていこうと調整している最中です。もちろん、遠隔攻撃DPSばかりが有利にならないようにバランスを取っていきます。

――バトル関連の流れで帯防具のオミットについてお伺いしますが、オミットされたことで低下するパラメータはほかの装備で補填されるのでしょうか?

吉田:もともと帯を含めたアクセサリーのカテゴリは、ステータス上昇量が低いので大きな影響は出ません。もちろん、減ったパラメータはほかで補填することでプレイ感が変わらないように調整するので、あまり気にしないで大丈夫です。ただデノミネーションによる影響が大きいので、そちら側での感覚の違いは出てくると思います。

 ちなみに、壇上で帯防具に付けたマテリアのお話をしましたが、あのあと開発チームから「何もしないでもマテリアを含めて対応します」という連絡がありました。パッチ6.0以降は、遺失物管理人から取り出せばマテリアをはずせますので、プレイヤーのみなさんは事前の準備などは何もしないでOKです。

――ちなみに、不要になった帯防具は、分解や軍票への変換などは引き続き可能なのでしょうか?

吉田:変わらずできます。変化としては装備できなくなるのと、説明欄に「かつて冒険者の腰を守っていたと思われる装備」と書かれるぐらいです(笑)。

『暁月のフィナーレ』のイメージカラーは“プラチナ”!

――次回拡張のタイトルロゴについてお伺いします。これまでの拡張ロゴは、最初のコンセプトが発表された時点で意図が伝わってくるものでした。ですが今回のロゴは、左側に描かれたモノリスのようなものをはじめとして全体的に謎を多く感じます。そこで、今回のロゴのコンセプトや込められた想いなどを教えてください。


吉田:そのものズバリはお答えしづらいので、天野(喜孝氏)さんに僕から発注した際のイメージをお話します。“ハイデリン・ゾディアーク編”をとおしてやってきたことは、絶望に対しての希望をどう描くかという部分です。

 この部分に関して、“パッチ1.0発売当初の絶望から、新生があって……”という(メタ的な)ところから、“終末という絶望にどういった希望を見出すのか”というシナリオ内容的なテーマまで、もう少し踏み込んだところを含めてお話しました。その辺のニュアンスが含まれたロゴになっていると思っていただければと思います。

――つまり、ロゴの意味は実際にプレイをすることで判明するということですね。

吉田:プレイすることで「そういうことだったのか」と思ってもらえると思います。ほかに現時点で言えることとしては、背後の星が月なのか、惑星ハイデリンなのか……。そのあたりはパッチ5.5のメインストーリーをやりながら推察していただけたらと思います。

――これまでの新しい拡張パッケージでは、タイトルに対するテーマカラーが存在しました。その流れで、今回は何色がテーマとなっているのでしょうか?

吉田:開発チームには“プラチナ”と伝えていて、微妙なニュアンスの違いですが白ではありません。“暁月”というイメージを膨らませたとき、“夜の黒でも朝の白でもない、そこに向かう最中に一瞬だけ顔を出す黄が指したようなプラチナの輝き”という話をしました。

 そのとき開発チームには「また無茶を言い出した」という顔をされましたが、ロゴも金なのか黄色なのかというギリギリの線を攻めてもらっています。それぐらい『新生編』の朝から『漆黒編』の夜を経て、一周してきた最後の輝きをイメージしています。

『漆黒編』では夜のない世界の天候から物語が始まりましたが、今回もみなさんに驚いてもらえるような仕掛けを用意しています。テーマカラーに合わせて色の調整を行っているので、なんとなく「プラチナなんだな」と心に留めておくと、その仕掛けを目にしたときに意識が働くかもしれないですね(笑)。

――新拡張トレーラーに登場する光の戦士のメインジョブはナイトでしたが、これはなぜでしょうか?


吉田:正直に言うと、メインジョブを何にするかすごく悩みました。みなさんご存知のとおり、僕はアマノジャクで物語を裏返してみたり、逆さから見てみたりしてゲーム体験を変えていきたいという思いがあり、プレイヤーのみなさんの想像を超えていきたいと強く思っています。

 例えば『漆黒のヴィランズ』の際は、「みなさんは光の戦士や英雄と言われ飽きているだろうから、光を打ち払って闇を取り戻す闇の戦士として戦ってもらおう」というファーストコンセプトを僕から出しました。

 今回、“ハイデリン・ゾディアーク編”のラストを描くと決めたタイミングで、ちゃんと『ファイナルファンタジー』の王道としてのラストに対して、自分にとっての、または人々にとっての希望を真正面から描こうと思ったときに、希望を背負いたい・背負いたくないという気持ちを隅に追いやったうえで、それでもすべてを背負って最前線に立つのはナイトかなと。

 そう思って、僕にしては率直なイメージですが悩んだ末に決断しました。そういった気概も含めて、『暁月のフィナーレ』はこれまでの『ファイナルファンタジー』シリーズの最終章をゲーム一本分のスケールにした、と思ってもらいたいですね。

――ちょっと気が早いですが、その決断に見合う新アクションが追加されると思ってよいでしょうか?(笑)

吉田:すでに大技の「パッセージ・オブ・アームズ」があるので、それを超えるのはなかなか骨なのですが、ナイトに限らず「こういうのが欲しかったんだよ!」というアクションはそれぞれのジョブで追加されています。派手でカッコイイ技を見て、より自分のジョブを好きになってもらえるよう、そこは期待に応えるべくがんばっていきたいと思います。

――新しいゲーム体験というところを掘り下げて行きます。これまでは空を飛ぶ、海に潜るといった移動系ギミックがありましたが、そういう新しいアクションはありますか?

吉田:『暁月のフィナーレ』は“ハイデリン・ゾディアーク編”としてのラストを迎えるにあたって、『ファイナルファンタジー』として最高のラストパートにするべく、RPGをやっていったときに「ついに終盤にきた!」というテンションを拡張まるまる一本かけて体験できるように作っています。

 その膨大なストーリーと、自分でキャラクターを操作して冒険していくという体験を最高のものとして詰め込むことにフォーカスしているので、移動に関する新しいアクションの追加はやらなくていいという話をしました。この冒険こそが、空の旅、海の旅に匹敵する、新しくそして最高の体験だと自負しています。

 それが1個目の理由で、もう1つの理由が……すいません、もうネタがないです(笑)。今回は月に行くということで、開発チームから「無重力にしますか?」とも聞かれました。でも、それ泳いでるのと変わらないよね、と。「一回ジャンプしたら帰ってこれないじゃん」という話をして(笑)。

 いわゆる、一般的なMMOでやれているような操作系の体験はすべてそろっている状態なので、そこに無理にひねり出したものを入れても面倒くささが勝ってしまうと思い、裏話的ではありますが追加はナシにしています。なので、なにかいいネタを思いついたら僕にコソッと教えていただければ、検討したいと思います(笑)。

――そういう意味で、“月での体験”としてはどういうところを期待すればよいでしょうか?

吉田:そもそも、“月とは何か、その裏側や中身はどうなっているのか”というところからですね(笑)。じつは、1年ほど前から宇宙サイエンスにハマっていまして、現実にある月の成立にも2つの説があるという話を見ました。

 そんないまだに確固たる答えが定まっていないものに対して、今回の拡張では“僕らなりの月”を描いていきます。「開発チームは、月はこうやって定義したんだな」と、現実の月を見て想像力をかき立てられるような演出をしてあるので、そこにも注目していただけるとうれしいです。

 そうそう、心配されている光の戦士もいらっしゃるかもしれませんが、月にはなぜか空気はあるので安心してください(笑)。そこも、シナリオでちゃんとフォローしているので期待していただけたらうれしいです。

――物語の感動体験として欠かせない音楽ですが、今回も祖堅(正慶氏。『FFXIV』サウンドディレクター)さんをはじめとしたBGMチームが全力で取り掛かっていると思います。『暁月のフィナーレ』のBGMを作曲するうえで、吉田さんからの要望はどのようなものがありましたか?

吉田:クライマックスとは言いますが、すべてが感動巨編的なものになってしまうと気持ちがもたれてしまうので、シナリオに合わせてBGMの強弱をどう配分するかというところは考えてほしいと伝えてあります。

 祖堅にとっても僕にとっても、『漆黒編』のメインテーマである「Shadowbringers」はかなり挑戦的な楽曲でした。曲の途中でクリスタルタワーの曲がはさまることで“ファイナルファンタジー感”を出していますが、それを抜きにするとほぼロックテイストになっていて『ファイナルファンタジー』のメインテーマとしては奇をてらっている内容です。

 そして、それは多くのプレイヤーのみなさんに受け入れてもらえて、僕らの自信となりました。それを踏まえて「今回、僕らなりの“『ファイナルファンタジー』の14作目にして、1つ目の物語の大きなラスト”を、自信を持って提示していこう」と改めて伝えました。祖堅も「このスケジュールも忙しさもありえねえ」と言いながらがんばっていると思うので、ぜひ楽曲のほうも楽しみにしていただけたら幸いです。

新コンテンツにも従来のコンテンツにも大きなチャレンジを!

――ここからは、『暁月編』で実装される新たな要素についてお伺いしていきます。パッチ5.0からフェイスという新機能が実装され、多くのプレイヤーから喜びの声があがっています。発表会ではエスティニアンのフェイス追加だけでなく、そのほかの新機能も実装されるというお話がありました。これについて具体的にどういったものが待っているのかを教えてください。

吉田:フェイスを実装した直後から、「8人コンテンツも一人でやりたい」「過去のコンテンツもフェイスに対応してほしい」という声が多くありました。もちろん、我々としてもすべてに対応して多くの人に遊んでもらいたいと思います。

 ですが、現状のフェイスはダンジョンごとに個別対応しているからこそ、フェイスたちのあの気持ちいい動きが成立しているので、それをそのまま全展開するにはものすごいコストが必要になってしまいます。なので、今は“そこをどう汎用的なものとして落とし込むか”という部分をチャレンジしていこうとしているところです。

 フェイスに関する新情報は、現時点で「どのタイミングでこういうものを……」と言うことはできません。ですが、そういう広がりを果たせるように動いているとなんとなく思っていただければうれしいです。ちなみに、パッチ6.0のメインストーリー上のダンジョンはすべてフェイス対応しています。少なくともダンジョンで困ることはないですし、暁のメンバーたちと戦いに挑めるという体験は用意されているので、ソロ活動中心の方も安心してください。

――無人島開拓では、貿易ができるというお話にとても興味が湧きました。ここに関してですが、実際にプレイヤーがマウントに乗って売買を行ったりするのでしょうか? 場合によっては“Time to Win(プレイ時間が強さにつながる)”なコンテンツになる可能性もありますが……。

吉田:無人島開拓はスローライフをコンセプトにしているので、開拓速度も含めてほかのプレイヤーと競い合うような要素は極力なくすようにしています。ですので、ゼロとは言いませんが他人との交流もほとんどなく、ひとりで遊べるものだと思ってください。

 貿易も、自分が特産物を植えたり育てたりして得られたものをシステム内にある流通と対話をして報酬を稼いでいく遊びにするつもりです。“誰かが何かをやったから、負けじと自分も……”みたいな感じにはせず、あくまで自分のペースでゆっくり開拓していくものいいですし、貿易は興味ないから農耕だけで遊びたいという人も損をしないような作りにしていきます。

 それこそ、自分のお気に入りのミニオンを愛でる場所にしてもいいし、連れてきた動物を育てていくのもいいといったカジュアルさを想像していただければと思います。

――新たな少人数PvPについてですが、どういうものになるかを言える範囲で教えてください。

吉田:ルールもマップもすべて新しい、これまでにないコンテンツとして用意しています。現状のPvPコンテンツでは、ヒーラーの負担がかなり大きいと考えています。ヒーラーしだいで勝負が決することも少なくなく、その責任の大きさからヒーラー不足でマッチングしにくい現状があります。

 なので、基本的にはどのジョブで参加していただいても同じぐらいの気軽さで遊べるようなコンテンツです。具体的にはロールフリーで、それぞれが自己回復手段を持ちつつジョブの特徴を活かした戦いができるものを作っています。

――フロントラインよりもザ・フィーストに近い感じですか?

吉田:どちらかといえばザ・フィーストですが、点を取る手段が敵のダウンだけでなく陣取り要素なども取り入れていて、倒すこと以外の攻略手段を用意することでカジュアル性とマップを使った戦略性を出しています。また、レーティングとフリーの2つのマッチルールを用意して、PvP戦績の交換アイテム狙いの人も遊んでもらえるように調整しています。

 また壇上でお話したように、報酬も装備だけでなくみんなが欲しくなるようなリワードがもらえる新しい仕組みも開発しています。これは、今後のPLLなどで画なども合わせて紹介していく予定です。

――PvPをプレイしている人からは、以前から大人数と少人数のPvPでジョブバランス調整を分けてほしいという声が、公式フォーラムをはじめとして多く見受けられます。今後も同じ調整が続くのでしょうか?

吉田:次の少人数PvPのタイミングから、ジョブバランス調整を分けていく予定でいます。また、ザ・フィーストをコンテンツとして残すかどうかも現状検討中で、まだ結論は出ていません。ただ一旦、閉じる可能性が高いと考えてください。

 これは、一度新しいコンテンツに集中して遊んでもらって、どんどんフィードバックに対応していくように動いていきたいと考えているためです。そのときに、ザ・フィーストがあるとプレイ人数や開発リソースが分散してしまうので、それは避けたいと考えています。

――発表会の最中にヒルディブランドの話が出ていましたが、次の登場を期待してもよいのでしょうか?

吉田:じつは、ダンジョンの「漆黒決戦 ノルヴラント」でチラリと出ていたので、『紅蓮編』のラストでワープした先があそこだったんでしょうね(笑)。ヒルディブランドシリーズ自体がマンネリ化してきたという印象があったので、『漆黒編』では一旦休止という方針になりました。

 ただ、そこで終わりにする気はありません。ヒルディブランド自体は世界中から愛されているキャラクターで、「彼の物語の続きが見たい」という声も多くいただいています。開発チームとしても充電できたかなと感じているので、そのお声には何かしらで応えていきたいと思っていますので、ぜひ再登場にご期待ください。

――今回の拡張でグラフィックスの向上や、PC版の要求スペックに変化はありますか?

吉田:いいえ。PS5に向けて、描画に手を入れてより高品質にしているところはありますが、今回は“ハイデリン・ゾディアーク編”のラストというゲーム体験に重きを置きたかったので、大規模な改修はしないという判断を下しました。

 グラフィックスエンジンの一新はいつかやりたいと思っていますが、これまで10年間積み重なってきたデータ量が大変なボリュームになっていまして。また、データのアクセス処理もすべて再構築し、4Kテクスチャ対応なども必要です。

 そのうえで「マントをもっとヒラヒラさせたい」といった要望に応えようとすると、物理エンジンを利用するなどゲームの作り方自体も変える必要が出てきます。もちろん、下準備のための調査は少しずつ進めています。

 ただ、僕らは数年単位のスケジュールで動いていて、今回のデータセンタートラベルもそういった長いスパンの開発でやっと実現したものです。なので、グラフィックスの一新はいつかやりたいと思っていますが、途方もなく大変なことなので気長に待ってくださいという感じです。

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IMAGE ILLUSTRATION: (C) 2018 YOSHITAKA AMANO

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