『ブレイブリーデフォルト2』レビュー。腰を据えて楽しめる重厚濃密なRPGにドハマリ

スズタク
公開日時
最終更新

 スクウェア・エニックスより2月26日発売予定のNintendo Switch用ソフト『ブレイブリーデフォルトII』。そのレビューを掲載します。

 前作『ブレイブリーセカンド』から約6年の歳月をへて、ついに発売を迎えるシリーズ最新作。第2章までの内容に触れたプレビュー記事に続き、シリーズ好きのライター・スズタクによるレビューをお届けしていきます。

 なお、今回はゲームクリアまでしたうえでのレビューとなります。もちろんネタバレは避けていますので、発売を心待ちにしている人もご安心してチェックしてください。

クリアしたときの圧倒的充実感と押し寄せる喪失感

 今回のレビューを書くにあたり、「終章までプレイしてOK」(※ゲーム中で終章という表記はされませんが、便宜上このように表現します)といわれたので、「じゃあ、終章までクリアしてから書こう」と軽い気持ちで決めましたが、結果的に自分の首を絞めるハメになりました(笑)。

 序章の時点で4時間超のプレイ時間となっていたので、全体の長さは相当なものだろうと覚悟はしていましたが、その予想をはるかに超えるボリュームがあったのは驚きでした。単純にストーリーを追って、各所のダンジョンをめぐるだけでも濃密なプレイが味わえます。

 新作ゲームをこれだけ夢中になってプレイしたのは久しぶりで、早くエンディングを見たいという気持ちと、この幸せな時間がいつまでも続いてほしいという気持ちがごちゃ混ぜになっていました。おもしろいRPGに出会うと、クリアしたときにとてつもない寂しさを感じるのですが、本作もそんなタイトルですね。終章までクリアした際には、圧倒的な充実感と同時に喪失感も押し寄せてきて、しばらく呆然としていました……。

 本編のシナリオと並行してクエストもほぼ漏らさずクリアしていたので、トータルのプレイ時間はかなりのものに。それでも、ミニゲーム“B&D”や図鑑コンプリートといったやり込み要素が残ったので、発売後とことん遊び尽くしたいです。

 ストーリーに関してはネタバレ厳禁のため深くは語れませんが、“邪悪なるものに立ち向かう光の戦士たちの旅”という王道な物語が描かれます。その道中には驚きの展開が多いので、こればかりはぜひ実際にプレイして味わってほしいですね。とくに第5章以降は、続きが気になってしょうがない内容ばかりだと思います!

 また『ブレイブリー』シリーズといえば、かわいらしい絵柄とは裏腹にキャラクターの言動や行われていることが過激というギャップも魅力の1つ。本作でもその魅力は引き継がれており、見る人をグイグイ引き込みます。なかには、清々しいほど悪に染まったキャラクターも存在し、物語のいいアクセントとなっていました。

  • ▲個人的に印象深かったのは、第3章のライムダール国の物語。ゲーム内の出来事とはいえ、見ていて背筋が凍りそうに……。

敵も本気でこちらを倒しにやってくる!

 ブレイブ&デフォルトとジョブシステムで、非常に奥深い戦術が楽しめる本作のバトル。ゲームクリアまで遊んでみて感じたのは、とにかくザコもボスも歯ごたえがあって1戦ごとのバトルがおもしろいということです。

 ジョブが増えるごとに便利な能力を利用できるようになりますが、敵もそれに合わせて強くなっていくので、ザコ戦といえど油断はできません。ボス戦はさらに気が抜けず、本気でこちらを全滅させようとしてくる意志がヒシヒシ伝わります。全体的にバトルの難易度は高めに感じましたが、工夫しだいであっさり勝てることもあり、絶妙なバランスに仕上がっている印象です。

 本作は前作に比べて武器の種類が減ったぶん、武器種による弱点が敵それぞれに細かく設定されているのがポイント。強敵に勝つには属性弱点だけでなく、武器種弱点も考慮する必要があり、武器の選択が戦術により深みをもたらしています。

 また、プレビュー記事でも触れましたが、本作は敵が繰り出す“カウンター”と“ジャマー”の存在が大きいです。正直なところ、この“カウンター”と“ジャマー”に対する第一印象はあまりよくありませんでした。

 例えばこちらが物理攻撃主体のパーティで挑んでも、ボスが物理攻撃に“カウンター”をするタイプだったら根本から編成を見直さないといけなくなり、“編成の択を狭める要素になっているのでは?”と感じたからです。しかし、ゲームを進めれば一部の“カウンター”と“ジャマー”を回避できるサポートアビリティや、状態異常を防ぐ装備も豊富にそろってくるので、好みのパーティ編成を保ちつつ対策をとることができます。

 上記のサポートアビリティや状態異常防止装備を身に付ければ、“カウンター”と“ジャマー”の脅威はグッと軽減しました。ゲームをクリアして振り返ってみると、“カウンター”と“ジャマー”はボス戦におけるいいスパイスだったと感じています。

  • ▲後半のボスは、こちらのデフォルトにすら“ジャマー”が発動するのでハラハラします……。

 ちなみに、作中に登場する20種類以上のジョブのなかで、とくにお気に入りだったのはベルセルクです。物理攻撃の強さはもちろん、状態異常防止のサポートアビリティで“カウンター”や“ジャマー”にも対応でき、長い冒険の間ずっとお世話になりました。いろいろな意味でインパクトが強いジョブなので、注目してみてください!

  • ▲ベルセルクのジョブ。本作のMVPといっても過言ではありません。

Revoさんの楽曲パワーがすさまじい!!

 本作を語るにあたって、Revoさんが手掛けるBGMも欠かせません。自分は『ブレイブリー』シリーズでRevoさんを知った身ですが、初めてプレイした『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』の楽曲で一気にとりこになりました。

 シリーズ1作目の曲といえば、アスタリスク所持者戦のBGM“彼の者の名は”が有名だと思いますが、『ブレイブリーデフォルトII』では、このアスタリスク所持者戦のBGMだけでも4曲以上あります。バトルBGM全体は10曲以上あり、シリーズファンならどれも必聴モノ!

 バトル系だけでなく、訪れる地域によって曲調が変化するワールドマップ曲、必殺技発動時のキャラクター専用曲なども聴きごたえがあります。メインキャラクター4人が大人だからか、全体的に大人っぽい楽曲が多かった印象です。

 RPGはレベル上げなどをしている間はどうしても単調作業になりがちですが、BGMが心地いいと、それも忘れて没頭してしまいます。Revoさんの楽曲もそんなパワーを秘めており、ゲームにおけるBGMの偉大さを再認識しました。

RPG好きが腰を据えて夢中になれる作品

 終章までクリアしてあらためて本作を振り返ってみると、どの要素もていねいに作られた安定感のあるRPGという感想が浮かびました。さすがは『ブレイブリー』シリーズや『オクトパストラベラー』を手掛けたチームだけあって、夢中になれるRPGの作り方を熟知している印象です。RPGが好きな人ならきっと腰を据えて楽しめると思いますよ。

 本作は過去作の知識がまったくなくても問題ないので、シリーズファンだけでなくシリーズ未プレイの人にもオススメです。少しでも興味がある人は、まずは無料体験版“Final Demo”を手に取り、エクシラント大陸の冒険に飛び込んでみてください。

(C)2021 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
※画面はすべて開発中のものです。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

ブレイブリーデフォルトII

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2021年2月26日
  • 希望小売価格: 7,480円(税込)

関連する記事一覧はこちら