【ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話 5】名もなきウマ娘たちにもきっと名前があるんだよねっていうお話
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- 柿ヶ瀬
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最近ずっとPOG(※ペーパーオーナーズゲーム。デビューする2歳馬の仮想馬主となり賞金ポイントを競うゲーム)の指名馬選びに頭を悩ませていました柿ヶ瀬です。今年はカルネドボヤージュ(父エイシンフラッシュ、母の父がスペシャルウィークのウマ娘血統)を特に応援しています。
『ウマ娘』を1.8倍楽しくする当コラム、第5回は、ウマ娘たちの話です。と言ってもプレイアブルなウマ娘たちではなく、育成やイベントのストーリーや、あるいはウマ娘たちに言及される“名前の出ないウマ娘”のお話です。
いわゆるモブウマ娘とでも言うべきウマ娘たちですが、中には現実にモデルがいるなこれ……と競馬好きならピンと来てしまうキャラがいます。今回はそんなウマ娘たちを紹介してみようと思います。なお、この記事で書いていることは確定情報というわけではなく、あくまで筆者の予想となります。その点だけあしからずご了承ください。
イベントでボイスもついた、あのお母様
今回紹介する中でもっとも出番が多く、キャラも強く、そしてなんと先日イベントストーリーでボイスまでついてしまったのが、エアグルーヴのお母様です。
母親が出ているウマ娘は他にも何頭かいますが、現時点ではエアグルーヴの母親ほどキャラが立っている母親はいません。育成ストーリーでも多く触れられており、オークスを勝ったことなどもエピソードに盛り込まれており、史実におけるエアグルーヴの母・ダイナカールがモデルになっていると断言してもいいレベルでしょう。
オグリキャップあたりから競馬を見始めた世代である筆者は、ダイナカールのオークスはさすがに見ていませんが(ダイナカールはミスターシービーと同期。シンボリルドルフの1つ上)、エアグルーヴのオークスは母娘制覇なるかと戦前からやはり盛り上がっていた記憶があります。
競馬における最大のロマンは血統、と言われます。ゲームの設定的にはなかなか難しいですがそのロマンを出来る限りで表現しようとする『ウマ娘』運営にはいつも頭が下がります。
ライバルとして登場する、史実でも愛されたあのウマ娘
スマートファルコンの育成シナリオ、ジャパンダートダービーのレース前の会話で登場し、とても気合を入れている青鹿毛のウマ娘。
トレーナーによれば、スマートファルコンと同じように芝のGⅠに挑み3番人気を背負いながら最下位に敗れたという(スマートファルコンは17番人気で最下位)ウマ娘だそうで……。
ってここまでヒント出してきたらもう1頭しかいないじゃん!!!!!!
スマートファルコンと同じ年にダービーで最下位に敗れたダート馬。史実のジャパンダートダービーではスマートファルコンに勝った、サクセスブロッケンです。もっとも、レース中にそれと思しき馬は登場しませんが……。
サクセスブロッケンは現役中もこのジャパンダートダービーを始め、フェブラリーステークス、東京大賞典などの勝利で堂々たる成績を誇り、愛された名馬であったのですが、彼は引退後にも競馬ファンから愛される存在となるのです。
主流血統なのにダート馬であったことなどから、残念ながら種牡馬にはなれなかったサクセスブロッケンですが、引退後は東京競馬場で誘導馬へと華麗な転身を遂げました。誘導馬というのは競馬場でパドックや本馬場入場などの時に他の馬を引率したり、入場ゲートで観客を出迎えたりする、とても注目を集めるお仕事です。まして現役時代にこれだけの成績を残した馬、人気が出ないはずがありません。
その証拠に、かつて誘導馬サクセスブロッケンのFacebookアカウントが作られたり(今もアカウント自体は残っています)、サクセスブロッケンのロボットが作られて展示されたり、サクセスブロッケン本人(本馬?)が新聞社を表敬訪問したりと、普通の誘導馬ではなかなかないようなお仕事を任されています。これらのエピソードからも、いかにサクセスブロッケンが愛された馬なのかおわかりいただけることでしょう。
そんなサクセスブロッケンですが、昨年にはダービーの誘導馬を任され、かつて最下位に敗れた大舞台に再び舞い戻りました。そして今年のフェブラリーステークス。自らが優勝したGⅠレースで先導したのを最後に、現役時代と同じくらい、いや、それ以上に愛された誘導馬生活を引退しました。
名前や姿は見せていませんが、こんなに愛された馬がいたことを知ってもらえたら嬉しいですね。
カレンチャンの周りにはこんなウマ娘たちが
カレンチャンのイベントには、モデルがいそうなウマ娘が複数登場します。
まずはカレンチャンがファンと触れ合ったあとに、オークス馬に出会いカレンチャンのときより興奮するファンを見てしまうイベント。
カレンチャンがジュニア世代の時にオークスを勝ち、トリプルティアラは残念ながら達成できず、有馬記念に出走する……。これはもう牝馬二冠を含むGⅠを6勝した名牝ブエナビスタがモデルでしょう。スペシャルウィークの仔ですし、ウマ娘となった姿を見てみたいなあ……。
続いて葵Sの裏で行われるダービーで、エイシンフラッシュを応援しにやってきた際に観客2人が挙げているウマ娘たちについて。
重賞連勝中の1番人気のウマ娘。これはすぐにわかりました。京都2歳S、ラジオNIKKEI賞、弥生賞、皐月賞と4連勝してきたヴィクトワールピサでしょう。ダービーでは3着でしたが、その後有馬記念や海外GⅠドバイワールドカップを日本馬として初めて勝利するなど、歴史に名を残した名馬です。
そして“偉大な親に追いつきたい気持ちはバネになる”と推されたウマ娘ですが……。実はこのウマ娘のモデルの候補が何頭もおり、確信が持てません。
まず最初の候補はトゥザグローリー。ダービー馬にして大種牡馬・キングカメハメハを父に、そしてエリザベス女王杯に勝ったトゥザヴィクトリーを母に持つ競走馬です。10番人気で7着だったため、エイシンフラッシュより推されるのは不自然ですが、まずはこれが1頭目の候補です。
続いてローズキングダム。父はまたもキングカメハメハ。母はオークス、秋華賞、エリザベス女王杯のすべてで2着だったローズバドです。競馬界で薔薇一族と呼ばれる牝系の生まれで、この一族では初めてGⅠ(朝日杯FS)を勝ち、このあとジャパンカップも制することになる馬です。5番人気でしたがエイシンフラッシュに続く2着となっており、有力な候補です。
そして最後にもう1頭。4番人気で5着でしたが、偉大な親という意味ではもっとも適した馬がいます。その馬の名はルーラーシップ。父はまたまたキングカメハメハ。そして母の名は……そう、エアグルーヴです。もはや説明不要でしょう。ルーラーシップはその後日本でGⅠ勝ちはありませんでしたが、香港のGⅠ、クイーンエリザベス2世カップを勝っています。
いずれも偉大な父と母を持つ馬たちですが、果たしてこのウマ娘はどれがモデルになっていたのか……これだけで何時間も議論できるお題ではないかと思います。
筆者個人としてはエアグルーヴがウマ娘にいる以上、偉大な親という意味でエアグルーヴ、というのは少し疑問であり、ルーラーシップも違うかな……と考えると、やはり2着であったローズキングダムが最有力候補だと踏んでいますが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。
そして恐らく彼らにはウマ娘としてのビジュアルもありそうなのです。
メインストーリー3章、エイシンフラッシュのダービーを語っている時の後ろにいる6つのシルエット……ここに先程挙げた3頭がモデルになっているウマ娘がいる可能性はかなり高いのではないかと考えています。
少し話は脱線しますが、この年のダービーで筆者が1番好きなのは出遅れて6着、その後しばらく出遅れ癖がついてしまい、一時期出遅れの代名詞にまでなってしまったペルーサです。ペルーサもまたこの6つのシルエットの中にいるんじゃないかなあ……とついつい妄想してしまいますね。
カレンチャンにまつわる部分で最後に触れておきたいのは、カレンチャンの“兄さん”です。兄さんと書かれているので正確にはウマ娘ではないのですが、ここで紹介したいと思います。
トレーナーをお兄ちゃんと言うのとは違い、兄さんは実の兄だとキャラストーリーで名言されています。現在は季節が変わってしまったので見れませんが、春の頃にカレンチャンをトップに配置すると聞けた「兄さんは、春にまつわる曲が大好きだったの。だからカレンのレパートリーも、春が多め!」セリフにあるように、過去形であることから兄は亡くなっているのかもしれません。何故なら史実においてもカレンチャンは兄を亡くしているからです。
その馬はカレンチャンの2つ上の半兄、スプリングソングと言います。そう、大好きだった春にまつわる曲とはまさにこの名を指し示していると思われるのです。スプリングソングは京阪杯を勝つなど、GⅠ勝利には至りませんでしたがスプリント路線の常連でしたが、現役中に病に倒れ亡くなってしまいます。奇しくも主戦はカレンチャンと同じ池添謙一騎手。カレンチャンのこのセリフを聞いて、筆者も久しぶりにスプリングソングの名を思い出しました。
『ウマ娘』の運営は、こういう競馬好きの記憶を掘り起こすことを時々やってきます。気を付けてください。
なんであいつの話はないんだろう?
というわけでいくつか紹介してきました。他にもゴールドシップに登場する謎の声とか、マチカネフクキタルからちょいちょい飛び出すマチカネ冠の馬とかもお話したかったですが、それはまたいずれの機会に……。あと筆者が引けてない育成やサポートで同じようにモデルはありそうだけど名前は出てこないウマ娘が登場しているかもしれません。そして今後実装される育成ストーリーなどでも増えてくる可能性もあります。楽しみにしたいですね。
最後にちょっとオマケ。
こういう見方をしていくと、言及されてもいいはずなのにないんだよなあ~という馬がたくさんいるのですが、その最たるは恐らくこの馬ではないでしょうか。競走馬としては致命傷になりうる喘鳴症を克服し、GⅠを5勝した名馬にも関わらず、同時期にディープインパクトという歴史に残る名馬が大活躍していたり、さらには妹であるダイワスカーレットにも話題を持っていかれ、最初で最後の直接対決でも妹に先着されるなどちょっぴり目立たなかったお兄ちゃん、ダイワメジャーです。
ダイワスカーレットはライバルウオッカや、史実においては父であるアグネスタキオンなどの絡みが多く、母(やはり史実の母スカーレットブーケがモデルなんでしょうかね)の言及はありますが、ダイワメジャーらしき兄や姉の言及は現在のところ一切ありません。いずれ新勝負服のダイワスカーレットの時に言及されるのか、あるいはいずれちゃんとしたウマ娘として登場させるために話題も温存しているのか……。いずれにせよ、いつか何かの形でダイワメジャーに会える日を楽しみにしたいですね。
というわけで今回は、名前は出なくてもウマ娘世界に存在しているであろう、モデルがいると思われるウマ娘たちのお話をしていきました。
知らないと気付かないけど、知ってしまうとすごく気になる。ここで名前が出た馬たちを調べてみたり、あるいは今後実装されるストーリーなどで、この名もなきウマ娘、実はモデルがあるのでは……? と思いながら『ウマ娘』をプレイすれば、またさらに楽しめるのではないかと思います。
また次回もこういった“楽しみ方”を提示していければと思いますのでお時間ありましたらぜひご一読いただきたければ幸いです!
それではまた!
【コラム】ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話
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