超“脳”力を操る『スカーレットネクサス』レビュー。2人の主人公の視点で交差する物語は見ごたえアリ!

シュー
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 6月24日(Steam版は6月25日)に、バンダイナムコエンターテインメントから発売されるアクションRPG『SCARLET NEXUS(スカーレットネクサス)』。そのレビューを、アクションゲーム大好きなライターのシューがお届けします。

 このレビューは、本作のストーリーやキャラクターを中心とした内容となります。電撃オンラインでは、“超脳力”を駆使したアクションに重点を置いたレビューも掲載していますので、気になる人は合わせて読んでみてくださいね。

2人の主人公それぞれの視点で展開し、交差する物語

 プレイを始めてまず最初に、男性キャラのユイトか女性キャラのカサネのどちらかを選択します。本作では2人の主人公それぞれの視点から異なるストーリーを楽しめるのが特徴となっています。

 もう少し噛み砕いて伝えますと、どちらかを選ぶとどちらかが登場しなくなる――というタイプのものではなく、男女どちらの主人公もストーリー内に存在しており、ユイトを選べば彼の視点で、カサネを選べば彼女の視点で話が進みます。

 この2人は異形の生命体“怪異”に対抗する組織“怪異討伐軍”に所属していますが、別の小隊に配属されているため、冒頭からストーリー展開や話が異なるだけでなく、仲間のキャラやステージの順番にも違いが出てきます。そうした違いがおもしろい点ですね。

 1つのストーリーに2人の主人公が存在するわけですから、当然ユイトとカサネが出会うストーリーも出てきます。合流するまでのユイトの活躍の裏で、カサネが何をしていたのか? どんな任務を受けていたのか? そういった視点で2倍楽しめるのは、物語の補完として良い仕組みだと思います。

 またユイト編で始めると他人に対して刺々しい態度を取るカサネですが、カサネ編で始めた場合、そんな彼女の内面を知ることができるモノローグや、姉であるナオミとの柔らかいやり取りなど、キャラの本心が見えるのも別視点ならではの良さ。

 このダブル主人公の良さは、各キャラとのやり取りを分けたことにもあると感じました。本作は登場人物も多く、また“超脳力”のように個性的な面々ばかり。1人の主人公を中心に展開していたら、冒頭から多くの人を記憶していかなければなりません。

 しかし、ユイトとカサネは別小隊で周囲の仲間キャラが異なるため、まずは小隊メンバーから少しずつキャラの特徴を把握していけるわけです。同じ展開に対する仲間同士のやり取りの違いもあれば、マスコミに対する対応の差や“怪異”についてどう感じているかなどなど。

 ハイテクノロジーとファンタジーが混ざった独特な世界観に加えて、個性豊かなキャラクターたちですから、ゆっくりと段階を踏んでゲームに馴染んでいける作りはうれしいところです。

仲間の個性を知り愛着を深め、アクションも派手に強くなっていく

 物語を進めるとキャラたちにプレゼントを渡したり、特定のミッションに同行したりとコミュニケーションが出来るようになります。そう、いわゆる好感度ってヤツが存在しているのです! ゲーム的にはこの好感度をアップさせることで仲間キャラの“超脳力”を一時的に借りる“SAS”発動時に特殊行動ができるようになったり、攻撃や回復をサポートしてくれるようになったりするため、攻略が少し楽になりますね。

 この好感度を上げるイベントでの会話は、キャラの心情や特徴を知る絶好の機会。例えばユイト編のハナビは幼馴染という設定で、2年ぶりの再会を喜びつつも、自然体なハナビを見ることができます。

 このような感じで、各キャラごとに抱えてる悩みや目的を知っていくと同時に愛着が湧いていくので、あのキャラもこのキャラも連れていきたい! となり、ズブズブと本作の世界観やキャラたちに没入していくのです。とくになかなか心を明かさないキャラの本音を知ったときって、良いもんですよね。

 また物語が進行に応じて届く“ブレインメッセージ”もキャラの個性を知るだいご味が味わえます。このメッセージは事あるごとに色んなキャラが届けてくれるのですが、個人メッセージからグループメッセージまで幅広く、また特定のメッセージには返信もできます。返信の内容は自動決まるため、文章を考える手間はナシなのでご安心を!

 本編には大きく関係しないキャラの好みや普段の行動が見られるため、意外と可愛い面が見られることも。メッセージのようなクローズドなやり取りって本音が出やすいモノだと思うのですが、そういう部分も細かく表現されていますね。キャラを掘り下げるのが好みの人にはたまらない作りです。

アクションの拡張から見た目の変更まで。自由なカスタマイズ

 アクションは、“ブレインマップ”と呼ばれるレベルアップ時に貰えるBP(ブレインポイント)を消費して二段ジャンプや空中ステップといった性能を習得する仕組み。おもしろいのは、ユイトとカサネで習得できるスキルの順番が異なること。

 この“ブレインマップ”は中央から順番に習得していくルールがあるのですが、この際に習得できるスキル違いがあり、ユイトは地上攻撃中心。カサネは空中攻撃中心に早期習得できるようになっています。そもそもユイトは刀を振るい、カサネは飛翔する複数の小型刃を使うと、アクションに微妙な差を持つため、より得意な行動を伸ばせるようですね。

 メニュー画面では、キャラにステータスアップアイテムを装備できるほか、見た目を飾るアクセサリーも用意されています。基本的にはどのキャラも“怪異討伐軍”に所属するメンバーなので、黒をベースにした制服を着用しています。気分やキャラの雰囲気に従って、色々と着飾るのもおもしろいですよ!

 ちなみにアクセサリーはムービー中にも反映されるので、シリアスシーンがコミカルな見た目で台無し! なんてお約束も楽しめます。

 物体を動かす念力を主軸とした“超脳力”アクションは見た目も派手で、バリエーションも豊富。流れるように攻撃を加えられるので、とても爽快。またブレインクラッシュや"脳駆動(ドライヴ)"といったロマンをくすぐるような用語も多く、独特な世界観も相まって本作に浸る要素は多くあります。冒頭でも触れましたが、アクションに関しては前回のレビューに詳しく書いてありますので、気になった人はこちらもぜひ!

 今回は主人公やキャラクターを中心にお届けしましたが、2人の主人公がそれぞれの視点で展開する物語のギミックはとてもおもしろく、もう片方をプレイすることで補完できる要素はいい刺激になっていると思います。

 爽快感のあるアクションだけでなく、ストーリーのおもしろさやキャラの魅力もしっかりと作り上げている本作。興味を持った人は、ぜひプレイしてみてください!

※画面は開発中のものです。
SCARLET NEXUS™ & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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