“やきゅうしようよ”は今年で25周年。『パワプロ』シリーズを思い出とともに振り返る【周年連載】

げっしー
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 あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中。

 第98回でお祝いするのは、コナミデジタルエンタテインメントから発売されている野球ゲーム『実況パワフルプロ野球(パワプロ)』シリーズ。今年で25周年を迎えた人気シリーズです。

 本記事では、『パワプロ』シリーズとともに育ってきたといっても過言ではないライター・げっしーが、メインシリーズとともに印象に残っているタイトルをピックアップして紹介します。

矢部君や猪狩守、ダイジョーブ博士の登場はいつ? メインタイトルを紹介

SFC『実況パワフルプロ野球’94』

 シリーズの原点『実況パワフルプロ野球’94』は1994年3月11日にスーパーファミコン用ソフトとして発売。高低のある投打システム、野球らしい自由度の高い守備、投手の持ち球という概念、選手の特殊能力などの要素に加えて、“対戦”モード、“ミニペナント”モードなどが搭載されていました。

 『パワプロ』シリーズではデフォルメ姿の選手がおなじみ。顔を大きくすることで投球や打球の方向に顔と目が動き、臨場感をより伝えられるということで、リアルな姿ではなくデフォルメの姿になったそうです。

SFC『実況パワフルプロ野球2』

 1995年2月24日に発売された『実況パワフルプロ野球2』。“ペナント”モードでは当時のプロ野球と同じ130試合の対戦が可能になりました。

 また、12球団の実在選手の中から自由に選手を選びチームを編成できる“アレンジ”が初登場となっています。

SFC『実況パワフルプロ野球3』

 『実況パワフルプロ野球3』は1996年2月29日に発売されました。おなじみの選手育成モード“サクセス”が初搭載されたのですが、この時は野手のみ育成可能でした。

 主人公に改造手術を進めてくるキャラクター“ダイジョーブ博士”が本作で初登場。手術失敗時のセリフ「科学ノ進歩、発展ニ犠牲ハツキモノデース」は多くのプレイヤーにトラウマを植え付けたのではないでしょうか?

N64『実況パワフルプロ野球4』

 1997年3月14日に、ハードをNINTENDO64に移した『実況パワフルプロ野球4』が発売。64コントローラの3Dスティックを倒した角度に対応した操作方法で、精度の高い投球、打撃ができるようになりました。

 “サクセス”では投手育成が可能に。加えて、メガネがトレードマークで、語尾の「~でやんす」が特徴的なキャラ“矢部明雄”、主人公のライバル“猪狩守”が登場しました。

 あまりにも強烈な個性を持っていた矢部君の登場に、自分を含め周りの『パワプロ』ファンの語尾が「~でやんす」に染まっていったのをよく覚えています。

N64『実況パワフルプロ野球5』

 1998年3月26日に発売された『実況パワフルプロ野球5』の“サクセス”のシナリオは高校野球が舞台。難易度の高い“赤とんぼ高校”、スタンダードな“パワフル高校”、予算のある“白鳥学園”という3校の中から選べました。

 “猪狩守”の弟であり黄金バッテリーを組む“猪狩進”は今作が初登場です。強肩、巧打、好守を誇る名捕手。当時、進が好きすぎる影響で帽子のつばを後ろにしてかぶっていたのはいい思い出です(笑)。

N64『実況パワフルプロ野球6』

 1999年3月25日発売の『実況パワフルプロ野球6』では、ストレート強化や引っ張り強化に加えて、対人戦のノウハウが取り入れられました。

 “サクセス”には大学野球シナリオが登場。パワフル大学、熱血大学、官僚大学、仏契大学、あかつき大学、するめ大学など、それぞれ個性豊かなシナリオがラインナップされていました。ランダムイベントが充実するなど、サクセスの方向性は『5』『6』あたりで確立されたと思われます。

PS2『実況パワフルプロ野球7』

 PS2初の野球ゲームとなった『実況パワフルプロ野球7』は2000年7月6日に発売。選手を含めフルポリゴンモデルになり、より鮮明で滑らかな動きが可能になりました。

 “サクセス”のシナリオは『4』以来となるプロ野球編。アンダースローから放たれる変化球“マリンボール”を武器にした女性選手“早川おあい”、巨大な体格とゴスロリ系衣装から目が離せない女性キャラ“姫野カレン”が初登場しました。

 当時、筆者の中では女性野球選手というイメージがあまりなかったため、あおいちゃんの登場には驚愕しました……が、彼女の魅力に一瞬で虜にされました。

PS2『実況パワフルプロ野球8』

 2001年8月30日発売の『実況パワフルプロ野球8』では、OPムービーに主題歌を起用。主題歌は米倉千尋さんの楽曲『Little Soldier』で、楽曲とマッチしたアニメーションを繰り返し見た記憶があります。

 サクセスモードは“ドラフ島編”で、仲間を集めつつドラフ島をめぐり、プロ野球入りすることが目標となっています。プレイ時間が既存のサクセスと比べて短くて選手を作りやすくなったのですが、ランダム要素に影響される要素が多いという特徴があります。また、友情タッグトレーニングは本作から導入されています。

 また、野手に投手能力が設定され、野手を投手として登板できるように。投手には野手のサブポジションを付けることができ、サクセスモードやペナントモードでは二刀流投手の作成もできました。

PS2/GC『実況パワフルプロ野球9』

 2002年7月18日には、初のニンテンドーゲームキューブでの発売となった『実況パワフルプロ野球9』が登場しました。パワフル高校、あかつき大学付属高校、そよ風高校、恋恋高校、球八高校のシナリオから選べる今作の“サクセス”は、ファンの間でも根強い人気を誇っています。

 筆者自身、世代にあっていたという理由もありますが、一番多くプレイしたのは今作になります。中でも、あかつき大学付属高校はとても印象に残っており、今でも登場したキャラ名を言えるほど好きなシナリオです。

 また、ペナントモードの充実やサウンドモードの追加、“それいけ!ホームランくん”など、遊びの幅も広がったタイトルです。

PS2/GC『実況パワフルプロ野球10』

 2003年7月17日発売の『実況パワフルプロ野球10』では、プロ野球選手の入団から引退までプレーできる“マイライフ”モードが初登場しました。

 今作のサクセスは、実在する12チームにオリジナルの4チームを加えた16チームとなった日本プロ野球が舞台。カイザースの友沢亮、キャットハンズの橘みずきなど、後のタイトルでも活躍する多数の新規キャラが登場しています。

PS2/GC『実況パワフルプロ野球11』

 『実況パワフルプロ野球11』は2004年7月15日発売。今作より“マイライフ”がモードとして独立し、多くの変更要素が実装されました。

 個人的には、オリジナルキャラ“奥居”の登場がとても印象に残っています。サクセスにおける矢部君のようなポジションのキャラとなっており、彼と切磋琢磨しながら名プレイヤーを目指していました。

 サクセスモードは大学野球編が描かれます。『6』の1年半後であるため、その時に登場したキャラの姿も確認できました。

PS2/GC『実況パワフルプロ野球12』

 “応援曲作成”モードが初搭載された『実況パワフルプロ野球12』は2005年7月14日に発売。試合を盛り上げるために名曲を作成しようと慣れない作曲に奮闘しました。

 また、野球の基本を学べるモード“野球教室”に加えて、1人用のチャンピオンカップモード、トーナメントモード、リーグモードが用意された“チャンピオン大会”も今作で初登場となっています。

 サクセスモードのシナリオは、“はばたけ!野球アカデミー編”、“絶体絶命!社会人助っ人編”、“奇跡を起こせ!プロテスト編”の3つ。舞台は同じ“パワフルタウン”で、前のプレイが反映されるため、選手だけでなく町を育てることもポイントでした。

PS2『実況パワフルプロ野球13』

 2006年7月13日に発売された『実況パワフルプロ野球13』の“マイライフ”では、プレイングマネージャー編、優勝請負人編、憧れ現役選手編といった今までにない3つのモードが搭載されました。

 高校野球を舞台にした“サクセス”で選べるのは、パワフル高校、帝王実業高校、聖タチバナ学園高校、灰凶高校。細身の体からは想像できないパワーヒッター“東條小次郎”に加えて、筆者の好きなキャラランキング上位に食い込む“六道聖”が初登場しました。

PS2『実況パワフルプロ野球14』

 高校野球監督になり甲子園全国制覇を目指す“栄冠ナイン”モードが初登場した『実況パワフルプロ野球14』。発売は2007年7月19日です。

 “栄冠ナイン”は今までのシリーズの“サクセス”とは異なり、チームの監督として部員全員の練習メニューを決める他、試合時の采配を振ることができます。後のシリーズでも多く収録されており、『パワプロ』の魅力の大きな1つといっても過言ではないモードです。

 他に“サクセス”モードでは、レボリューション・リーグでの1年を描いた“スター街道編”も楽しめました。

PS2/Wii『実況パワフルプロ野球15』

 2008年7月24日に登場した『実況パワフルプロ野球15』には、それぞれ成功もしくは失敗により試合が有利・不利になる要素“クローズアップシステム”と“ターニングポイント”が搭載されました。

 社会人野球を舞台にした“サクセス”では、新規キャラ“神楽坂光彦”が主人公のライバルとなっています。キザなしゃべり方が印象的なキャラです。

PS2『実況パワフルプロ野球2009』

 『2002春』以来の西暦表記作品『実況パワフルプロ野球2009』は2009年3月19日に発売。上記『15』をベースにしつつ、“サクセス”には“栄冠ナイン”と“白球ドリーム”に加えて、既存の日本人選手を育成する新モード“ドリームJAPAN”が搭載されました。

PS3/PSP『実況パワフルプロ野球2010』

 PS3で初となるタイトル『実況パワフルプロ野球2010』は2010年7月15日に登場。新機能“ダイナミックカメラ”によって、重要な時にはアップに切り替わり、臨場感が増しています。

 また、似顔絵設定が搭載され、髭やメガネ、髪形などの選手ごとの顔の特徴を再現できるように。選手たちの顔がどのくらいリアルに再現されているかをチェックするのも楽しみの1つとなりました。

PS3/PSP『実況パワフルプロ野球2011』

 2011年7月15日発売の『実況パワフルプロ野球2011』では、ボードゲーム風のマップを移動して選手を育てる育成モード“サクサクセス”が初登場。運要素が大きく絡むものの、手軽に短時間で選手を作成できるのがポイントです。

 高校野球を舞台にしたサクセスでは、筆者のイチオシキャラ“小山雅”が初登場! 女の子のような容姿をしていますが本人は“男”と言い張ります。はたして真実は……当時毎日のように雅ちゃんにハラハラさせられながらプレイしていたのをよく覚えています。

 また、サクセスで育てた選手でチームを組み、歴代チームと戦う“パワファーム”も用意されています。

PS3/PS Vita/PSP『実況パワフルプロ野球2012』

 2012年7月19日に発売された『実況パワフルプロ野球2012』は、シリーズ初となるPS Vitaでも登場。サクセスモードには、大学野球編、サクサクセス、パワファームがあります。

 新要素として、通信機能を利用した“パワスタ”モード(PS3/PS Vita版のみ)を搭載。過去作品に登場したキャラのカード12枚でチームを組み、全国のサービス利用者と対戦を楽しめるモードとなっていました。

PS3/PS Vita/PSP『実況パワフルプロ野球2013』

 全10シナリオからなる“サクセス”を収録(PS3/PS Vitaのみ)した『実況パワフルプロ野球2013』。2013年10月24日に発売されました。

 のちに配信されるアプリ版にも採用されている“イベントデッキシステム”がサクセスに初登場。選択した選手のデッキや組み合わせ、高校によって発生するイベントに変化が起きるため、今までにないボリューム感の“サクセス”となっていました。

 他には“監督試合”モードが新たな要素として加わりました。

PS3/PS Vita『実況パワフルプロ野球2014』

 シリーズ20周年記念作『実況パワフルプロ野球2014』の発売日は2014年10月23日。栄光ナインが復活したタイトルとなっています。

 投球時にボタン入力のタイミングで発動する“ナイスピッチ”や簡単操作で打撃を行う“フルダケ”といった『プロ野球スピリッツ』シリーズや『パワプロクンポケット』シリーズで登場したシステムが実装されました。

 その他にも、一部の特殊能力の表記変更など、見た目での変化が多かったイメ―ジのある作品です。

PS4/PS3/PS Vita『実況パワフルプロ野球2016』

 2016年4月28日に発売された『実況パワフルプロ野球2016』は、PS4初登場の作品。また、“サクセス”誕生20周年記念の新モード“パワフェス”が初登場しました。

 この“パワフェス”では、試合に勝利すると相手チームのメンバーやマネージャーが仲間になるため、どのチームと戦ってどのメンバーを仲間にしようかと悩みながらプレイしていました。……気が付いたら毎回自分の好きなキャラに染まっていましたが(笑)。

 また、基本無料タイトル『実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル』が同日に配信され、連動要素が用意されていました。

PS4/PS Vita『実況パワフルプロ野球2018』

 2018年4月26日発売の『実況パワフルプロ野球2018』は、初のVR対応タイトル(PS4のみ)です。VRで対戦、ペナント、マイライフをプレイできる他、各球場の複数の視点から試合を観戦できる“VR観戦”が収録されています。

 新モード“LIVEシナリオ”では、実際のプロ野球のペナントレースの試合結果をもとにしたシナリオが配信され、試合の勝敗を分けたターニングポイントを体験可能。プロ野球ファンにはたまらない機能となっていました。

 サクセスは、高校野球編が描かれました。

今なお人気の作品や独特な世界観を持つシリーズ派生作を紹介

GB『パワプロクンポケット』

 『パワプロクンポケット』シリーズの原点は、1999年4月1日にゲームボーイで発売されました。サクセスに特化した作品となっており、その独特な世界観を持つストーリーは多くのプレイヤーを虜にしました。

 また、育成した選手を据置用タイトルで使うことができる要素も好評でした。

iOS/Android『実況パワフルプロ野球』

 2014年12月18日(iOS版は12月23日)に配信されたアプリ版『パワプロ』。サクセスがメインとなっており、そのシナリオの豊富さはもちろん、人気漫画やアニメなどとのコラボも話題の作品となっています。

Nintendo Switch『実況パワフルプロ野球』

 『パワプロ』シリーズ25周年となる2019年。6月27日にNintendo Switchで『実況パワフルプロ野球』が発売されました。2対2の対戦や1つのチームでの協力プレーが可能な新要素“4人同時プレイ”が魅力的な作品となっています。


 今作のサクセスでは『9』のシナリオ“パワフル高校”と“あかつき大学付属高校”がプレイできます。


 25年の間に、さまざまなハードで展開してきた『パワプロ』シリーズ。今後の作品でどのような進化を遂げるのか、どんなシナリオやキャラが登場するのか、ますます目が離せません!

一般社団法人日本野球機構承認
日本プロ野球名球会公認
日本プロ野球OBクラブ公認
プロ野球フランチャイズ球場公認
データ提供:共同通信デジタル
(C)Konami Digital Entertainment

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実況パワフルプロ野球

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実況パワフルプロ野球 2018(ダウンロード版)

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