『NGS』ナビゲーターのヒロ・アライに迫るインタビュー前編。開発経緯やサービス後の状況、番組方針は?
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セガがサービス中のオンラインRPG『PSO2 ニュージェネシス』。そのインタビューの前編を掲載します。
本作は、『ファンタシースターオンライン2』のゲームシステムやグラフィックエンジンなどを一新した、『PSO』シリーズ最新作。“究極を超えるキャラクタークリエイト”で作った自分だけのキャラクターを主人公に、未知の敵と戦う“アークス”の一員となって惑星ハルファを冒険します。
注目作『NGS』のサービスインから約2カ月が経過。開発の経緯や現在の状況、運営方針など気になる話題を『NGS』公式ナビゲーターのヒロ・アライさんにオンラインインタビューで直撃。その内容を2回にわけて掲載します。
ヒロ・アライはどんな人なのか?
ーー初のインタビューということで、自己紹介をお願いします。
『NGS』の公式ナビゲーターを担当させていただいております、ヒロ・アライと申します。よろしくお願いします。主な仕事としては、“NGSヘッドライン”の制作と出演、コミュニティアカウントのRappy.commu(@rappy_commu)というTwitterのアカウントでの活動などを担当しております。
また、発信する内容の準備の他に、SNS上でのキャンペーンの企画であったり、各種PR施策の準備などに関わらせてもらっています。
ーーヒロさんが仕事をするうえでこだわっている点や苦労しているところを教えてください。
まず、ゲームを知らないといけません。『NGS』は毎日プレイして、ユーザー目線に立つというところは特に努力しています。
難しいのは……思い込みですかね。これまでもユーザーさんと同じ目線でいるつもりでしたが、自分の肌感覚とは違っていたこともあったので、そういったところは難しいなと感じています。
ーー具体的にはどういったところでしょうか?
例えばメセタが足りないとか、実際にやってみて体感するところだと思うんですよ。大きな声ならば自分でも体感しているので「そうだよな」と思うんですけど、逆にマイナーな要望は拾いづらくて苦労しているところです。
ーーヒロさんはプライベートでもゲームをプレイされているのでしょうか?
子どものころからゲームが好きでずっとやっていまして、アクションゲームを中心に30年くらいやっています。
『PSO2』もプレイしましたし、『NGS』はプライベートではありませんが約500時間やっています。
ーー少し失礼な言い方になりますが、配信番組の“NGSヘッドライン”はややたんぱくな感じで、プレイしている感がいまいち伝わってこないのですが……。
なるほど(笑)。正直まだフリートークが苦手なので台本を読むのにいっぱいいっぱいなんです……。
また、“NGSヘッドライン”は報道番組的なイメージがあって、なるべくそういうのは出さないほうがいいのかなと思っているところもあります。短時間で見られるのが番組のキモなのですが、今後は少しづつ自分の色を出していければと思います。
ーーその流れで、まずは配信番組の話をうかがっていきます。サービスインまで“PSO2 NEW GENESIS Prologue”を配信していましたが、“PSO2 STATION!+”から出演者や構成を変えたのにはどんな狙いがあったのでしょうか?
『NGS』の情報を出していくにあたって、“PSO2 STATION!+”と同じ座組では新規ユーザーや復帰ユーザーが入りづらいと思ったんです。番組を一新することで、皆さんに同じ目線で『NGS』を見ていただきたかったというのが理由です。
ーーMCにハライチの岩井勇気さん、サブMCに3人の女性陣を選んだ理由を聞かせてください。
皆さんゲーム好きということで、ゲームに親和性の高い方をアサインさせていただきました。中でも岩井さんは、『ファンタシースターユニバース』からシリーズをプレイされていたことも理由のひとつです。
女性陣に関しては、今まで『PSO2』を知らなかった層へのアピールになる狙いもありました。
ーー『NGS』では新しい層へ向けた施策が多いと感じていましたが、狙ってやっていたわけですね。
はい。現役アークスの方は違和感を覚える施策だったかもしれませんが、『NGS』に切り替わるタイミングということで、新規層の開拓は特に力を入れたところです。
ーー狙いどおりに新規ユーザーは増えましたか?
おかげさまで、『PSO2』のPS Vita版やPS4版がリリースされた時以上の規模で新規ユーザーが増えました。
ーーサービスイン後は“NGSヘッドライン”が開始されましたが、こちらもガラッと変えた理由を教えてください。
“PSO2 STATION!+”は、新規の情報に加えてフリートークやバラエティー的なコーナーが多かったと思います。告知だけでなく、『PSO2』のコンテンツのひとつとして楽しんでいただけるように作られていました。
その一方で、情報だけを知りたいというユーザーの声も多くあったことと、昨今の動画配信のトレンドとして短いほうが好まれるため、このような形態になりました。
楽しい放送に関しては、実況プレイなどをインフルエンサー(公式ストリーマー“チームNGS”)に配信してもらうようにしています。
ーーでは、今後も“NGSヘッドライン”はヒロさんが1人で進めていくのでしょうか?
はい、基本的には私が1人で担当する形になります。
ーー現在は事前収録した番組を配信していますが、コロナ禍が終息したら生放送形式になるなどは予定されていますか?
実は事前収録についてはコロナ禍の対策ではありません。『NGS』の国内版とグローバル版のユーザーに対して、同時に情報を発信していくという意図でやっています。
翻訳作業であったり、見やすい長さに最適化したりしてお届けしますので、今後も事前収録という形式を続けていきます。ただ、アップデート情報以外にも運営状況などを加えて、よりよい番組にしたいと考えているところです。
ーー大型アップデートのタイミングなどで拡大番組を作ることは予定されていますか?
情報量によっては通常より長くなることはあるとは思いますが、なるべくコンパクトにまとめていく予定です。
ーー先ほどグローバル版の話が出たのでお聞きしますが、国外での手ごたえはいかがですか?
グローバル版は私の担当ではありませんが、情報や告知などコミュニケーションを取りつつ情報の齟齬がないよう運営しています。グローバル版も国内版と同様に過去最大のユーザーにプレイしていただいています。
しかし、サービスイン時のボリュームが足りない、不具合が多いといったご意見は国内以上にシビアなようです。
ーーグローバル版でのPCとコンシューマのアクセス比率はいかがでしょうか?
国内版とグローバル版ではプラットフォームの違いが大きく、PCユーザーが圧倒的ですね。国内版はだいたい半々といったところですが、昨今はFPSやPCゲームが流行している影響もあって、PCユーザーが増えている印象です。
『NGS』の企画は2017年にスタート
ーー『NGS』の企画がスタートしたのはいつごろだったのでしょうか?
開発などに関しては、事前に開発チームからヒアリングした内容をもとにお答えしていきます。企画は、私がまだ『NGS』に関わる以前の2017年にスタートしました。
ーー新規タイトルではなく、『PSO2』のアップデートという形式にした経緯を教えてください。
9年間という長い期間をプレイしてきたユーザーのアバターアイテムや装備などを、できるかぎり生かした状態でサービスを続けたかったこと。また、『PSO2』と『PSO3』のように2タイトル平行でサービスを行うとユーザーが分散してしまう可能性も考えられたので、大型アップデートとして展開をすることになりました。
ーー『NGS』を開発するにあたり、もっとも重視したことは何だったのでしょうか?
2つあって、1つは先ほどの回答と重複してしまいますが、ユーザーの9年間の資産を生かすこと。もう1つは、みんなが集まれる広場のようなものを作ることです。それがオープンフィールドという舞台に落とし込まれました。
ーーオープンフィールドを作るにあたって、どういったところを意識したのでしょうか?
過去のシリーズでは、ルームを作って入るという昔ながらのマッチングシステムでしたが、それをシームレスに変えたところです。フィールドを移動している最中に自動でマッチングやルームチェンジしていくシステムは、MOとMMOのいいところを融合させた新しい形になったと思います。
ーー探索セクションでは最大32人までマッチングしますが、もっと大規模にすることは可能なのでしょうか?
アクションゲームではネットワークの負荷が大きいことと、人数が増えるほど個々の戦闘が雑になっていくという理由で最大32人までになっています。
ーー全体として、今の形になるまでは紆余曲折があったと思いますが、一番苦労されたのはどこでしょうか?
『PSO2』と『NGS』で一番大きな違いは、グラフィックエンジンが異なるところです。両方で綺麗に見せるのが難しく、特に『PSO2』側の調整は苦労したそうです。
ーー『NGS』開始後も『PSO2』を遊んでいる人が多い印象ですが、実際にユーザーの動向はいかがですか?
『PSO2』のロビーに集まって集会をしている人も多くて、『PSO2』のブロックを増やしてほしいという要望が来ています。また、グローバル版では約1年という短い期間でEPISODE6まで配信したため、『PSO2』をもっと遊びたいというユーザーも多いようです。
開発チームでは、『NGS』開始後に『PSO2』をプレイしてくださる人がこんなにもいるのがうれしくて、苦労して『PSO2』を残した甲斐があったと喜んでいました。
ーー『PSO2』のブロックを増設する可能性はありますか?
しばらく動向を見極めて、必要があれば調整したいとのことです。
ーー先ほど少し話が出ましたが、『PSO2』から『NGS』へ引き継げる要素はどういった線引きで判断されたのでしょうか?
まず、ゲームバランスに影響しないアバターアイテムは無条件で引き継げるようにしようとすぐに決まりました。バトルに関してはチーム内でも意見が分かれていましたが、『PSO2』から1,000年後が舞台ということで、レベルなどの成長要素に関してはすべてのユーザーが同じスタートになるように決まりました。
ーー武器や防具、特殊能力などはどういった判断があったのですか?
特に武器はアバターアイテムと同等か、それ以上に愛着を持っている方も多かったので、単純にリセットすることはできないと考えました。『PSO2』では新しい装備が配信されると、徐々にそちらへ移行していくという流れがあったので、『NGS』で配信される装備へ移行するまでのつなぎになるような能力設定にしました。
『PSO2』とは異なるアップデートと運営方針
ーー『NGS』のサービスインから約2カ月が経過しましたが、ユーザーの反響をお聞かせください。
フィールドのグラフィックのキレイさだったり、オープンフィールドとアクションの爽快感といった部分は好評です。新システムのマルチウェポンも、より自由なアクションが楽しめるようになったと好評をいただいております。
ーー逆に、要望がある部分はどういったところですか?
ボリューム面と不具合の多さ、そしてラグ(遅延)といったところです。まず、不具合とラグに関してはご迷惑をおかけして申し訳ありません。引き続き、再発防止や修正対応を行ってまいります。
ボリューム面に関してですが、サービスイン前に発表したロードマップのとおり、冬に大型アップデートが入ります。
ーーボリューム面はしばらくこのまま、ということでしょうか。
ここに関してはもっとしっかりお伝えすべきだったと反省している部分なんですが、『PSO2』と『NGS』ではアップデートについての方針が少し異なっています。
『PSO2』では、毎週なにかしら楽しみがあるようなコンセプトで2週間に1回のアップデートをしてきました。『NGS』では、時間をかけて大ボリュームのものを作り、半年ごとに出していくという方針ですので、コンテンツ量としては波がある状態になります。
ーーなるほど。
ゲームサイクルの違いと言えばいいのでしょうか。遊びつくして休止されるユーザーがいることは開発チームもわかったうえで、大型アップデートのたびに戻ってきていただけるようにいいものを作る努力をしています。
ーー大型アップデートまでの間は細かな修正がメインになるのでしょうか?
もちろんまったくアップデートがない、ということではありません。2~3カ月ごとにクエストやシステム関連の拡張を中心にしたアップデートを行っていきます。また、季節イベントや新たなアイテムの配信など、次のリージョンが配信されるまでの間も楽しんでいただけるようにしたいと考えております。
ーーメインストーリーはどのくらいのペースで更新していく予定ですか?
メインストーリーの更新は、リージョンの追加と同じタイミングになります。サイドストーリーに関しては、2~4カ月に1回程度の配信を予定しています。
ーー『PSO2』と比較すると、ゆっくりとしたペースで配信されるのですね。
そうですね。『NGS』では、全ユーザーが必ずストーリーをプレイすることになるので、ストーリーのボリュームは『PSO2』ほど多くならないとのことです。
ーー運営方針の話が続いたので聞きますが、SGスクラッチのラインナップが追加形式になった理由を教えてください。
まず最初に、事前告知がされてなかったことをお詫びします。『PSO2』のSGスクラッチとは更新方法が異なるという点は、配信前にしっかりご説明すべきだったと反省しております。
変更になった理由については、無課金でも入手できる通貨であるSGスクラッチのアイテムは不正対策としてトレード出来ない仕様となっており、入手機会を残しておきたかったためです。
また、『PSO2』では半年に1回程度のペースでしたが、『NGS』では1~2カ月に1回のペースで更新を予定しています。そういった理由で、今後も新規アイテムが追加されていく形式になりました。
ーー話を戻して、ストーリーで登場したNPCのなかで、反響が大きかったキャラクターは誰ですか?
アイナとマノンの他にはブルーダー、ガロア、リューリンといったところが人気です。特にブルーダーはあの見た目で17歳という設定が人気の一因になっているようです。
ーーアイナとマノンのダブルヒロインという形にした理由を教えてください。
『PSO2』ではマトイをヒロインとしていましたが、人それぞれに好みがありますので、幅を広げたかったというのが理由のひとつです。
ーーダブルヒロインと言うと、最終的にどちらかを選ぶことになるイメージがあるのですが……。
アハハハハ(笑)。どちらかと結婚する、みたいなことはないと思います。
ーー個人的に気になったことですが、フワンやダイダル・ソードが『PSU』のエネミーデザインを引き継いでいるように思えます。何かしら意図があってのことでしょうか?
似ているように感じた方がいらっしゃったようですが、『PSU』のエネミーデザインを意識したものではなく、ストーリーや設定とも関係ないとのことです。過去シリーズのエネミーデザインはひとつの指標になるので、結果的に似た部分が出たのかもしれません。
8月19日に『スターターパッケージ』が発売
ーー本日、8月19日に『スターターパッケージ』が発売されましたが、セールスポイントを教えてください。
特典アイテムはダウンロード販売でも手に入れられます。序盤に役立つアイテムも入っているので、これから『NGS』を始める人にオススメです。
また、『スターターパッケージ』の限定版に同梱されるミニサントラCDには、東京ゲームショウ2020で公開したティザームービーでしか使われていないメインテーマ(インストゥルメンタル版)などが収録されています。サウンドディレクターの小林秀聡が厳選した内容になっているので、ファンの方はそちらも楽しんでほしいですね。
インタビューの後半は8月21日に掲載予定です。
(C)SEGA
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- 発売日: 2021年8月19日
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- 対応機種: PS4/Switch/PC
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