世界初のRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を紹介。作り込まれたファンタジー世界で何者にもなれる!

hororo
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 話題の“TRPG”を紹介する特別企画をお届けします。

 前回の記事では、TRPGについて紹介。今回は、その中で『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、通称『D&D』について少し触れました。『D&D』は、“世界最初のロールプレイングゲーム”と呼ばれています。今や浸透している“RPG”という概念を定着させた作品と言えるかもしれません。

 そう聞くと、「なんだか古そうなゲームだな」と思うかもしれませんが、“版上げ”と呼ばれるバージョンアップを繰り返し、2021年現在において最新のバージョンは第5版になっています。世界中で遊ばれているTRPGとして不動の人気を誇ります。

 今回は、そんな『D&D』について紹介していきたいと思います。


企画記事

作り込まれた世界観がキャラクターやシナリオ作りを後押し!

 『D&D』の魅力はどんなところにあるのか?

 もっともわかりやすいのは、その世界観ではないでしょうか。さまざまな種族が暮らし、ゴブリンやコボルドといったなじみの悪役から、強大なドラゴンまで存在する、王道のファンタジー世界。多くの人が想像する“剣と魔法のファンタジー”世界です。

 ファンタジーのイメージの大元としては、遡れば数々の神話や『指輪物語』に代表される著名な作品などが存在しますが、現代のゲーム的なファンタジー世界は、まさに『D&D』から作られたといっても過言ではありません。

 ちなみに『D&D』の特徴として、多元宇宙という概念が用いられていることがあげられます。簡単に言えばパラレルワールドのようなもので、『D&D』にはいくつもの次元が存在し、それぞれが独自の環境や文化を持っているのです。

 第5版で現在公式が押し出している世界は、ベーシックなファンタジー世界である“フォーゴトン・レルム”や、魔法と機械が混在したような“エベロン”が主ですが、ほかにもさまざまな世界が存在しています。

 ビデオゲームになじみがある方であれば、『ダンジョンズ&ドラゴンズ -ミスタラ英雄戦記-』という作品の舞台である“ミスタラ”をご存知かもしれません。『ドラゴンランス』シリーズの作品世界“クリン”を、小説を読んでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 私個人としては、『D&D』の世界には信仰、暦、地理、文化、習慣といった、その世界がいかに成り立っているかという設定がこと細かく設定されており、別の世界として確固たる存在感を持っていることが魅力的に映りました。

 そのうえで、公式が“遊ぶ世界を作るのはプレイヤーたちである”というスタンスを取っているため、「細かい設定に準拠する必要はない」というメッセージを打ち出してくれている気楽さもあります。

 自分の分身たるキャラクターを作るなら、どのようなキャラクターを作りたいですか? せっかくのファンタジー世界ですし、やはり人間以外の種族がいいでしょうか。それとも、あえて人間を選ぶでしょうか。

 『D&D』では、キャラクター用の種族が豊富に用意されているのも特徴。ファンタジー世界の代表的な種族とも言えるエルフやドワーフはもちろん、小柄なハーフリング、他種族と人間のあいだに生まれたハーフエルフやハーフオーク、人型のドラゴンのような外見を持つドラゴンボーン、他には悪魔の子と呼ばれるようなティーフリングといった『D&D』ならではの種族も登場します。

 エベロンの世界で遊ぶための拡張ルールを使う場合は、エベロン固有の種族である機械生命体・ウォーフォージドなどを使うことも可能です。

 おもしろいのが、種族ひとつとっても、その種族内での種類の違い(ウッド・エルフ、ハイ・エルフ、ダーク・エルフなど)や、持っている価値観、文化、名前の傾向などの指針がこと細かに記されていること。

 もちろん、こういった設定を取り入れるか、あえて使わないかはプレイヤー次第ですが、どちらにせよキャラクターの背景を形作る際の指針としては非常に便利ですし、単純に読むだけでもコンテンツとして非常におもしろいです。

 シナリオ集や新しいアイテムなどを追加するための拡張本なども継続して発売されているため、長く遊び続けられるのも魅力ですね。

豊富なクラスとシンプルなルールで奥深いロールプレイが可能!

 ゲームプレイに大きく関わる要素として、プレイヤーキャラクターのクラス(職業)と、行動の判定があります。

 基本的には各プレイヤーが好きなクラスを選んでいいのですが、『D&D』は“冒険者パーティーによる行動”を前提として作られているため、敵の攻撃を受け止める壁役、攻撃役、回復役などをバランスよく割り振ったほうが、安定して冒険を行いやすいのも事実。

 あらかじめプレイヤー間で話し合って役割配分をしておくと、快適なプレイになるでしょう。それに『D&D』は特にクラスが多様なTRPG。各役割を果たせるクラスも複数存在するため、どの役割を担当することになっても必ず好みのクラスがあるはずです。

 下記は第5版のプレイヤーズ・ハンドブック(基本ルールブック)で選択できるクラスになりますが、初期段階でもすでにこれだけの数が揃っています。

 公式サイトから基本ルールは無料でダウンロードできますが、本格的に始める人はまず『プレイヤーズ・ハンドブック』を購入しましょう。

『D&D プレイヤーズ・ハンドブック 第5版』に収録されているクラスに収録されているクラス

(※各クラスの説明文は『プレイヤーズ・ハンドブック』から引用)

ウィザード……現実の構造を操作する、学問として魔法を修めた魔法使い
ウォーロック……他次元界との契約から得た魔法を使う者
クレリック……戦う僧侶。高次の存在に仕え信仰魔法を使う
ソーサラー……天性あるいは血筋ゆえの魔力をふるう呪文使い
ドルイド……古き教えの司祭、自然の力(月の光、草木の生育、炎と稲妻)をふるい獣の姿に変ずる者
バード……創造の音楽の力を鳴りひびかせ、味方に声援を送る魔法使い
バーバリアン……怒りをふるって戦う、未開出身のたけだけしい戦士
パラディン……尊い誓いを守る聖戦士
ファイター……戦闘技術の達人。さまざまな武器防具を使いこなす
モンク……武術の達人。心身を全きものとするため人体の力を鍛える
レンジャー……武器のわざと自然の魔法を用い、文明世界の辺境を脅威から守る戦士
ローグ……隠密とだましの技と素早さで敵も邪魔物も乗り越える無頼漢

 加えて、各クラスには複数のサブクラスが存在。例えばウィザードであれば、2レベルになった時点で、どの学派に精通するかを選ぶことになります。幻術、召喚術、死霊術、心術、占術、変成術、防御術、力術といった8分野から、1つ専門分野を選ぶのです。

 ちなみに、ソーサラーやドルイドは、また別で個別の体系の呪文を使用します。『D&D』世界の魔法の多種多様さが伝わったでしょうか?

 なお、各クラスの技や魔法をカードにして、取り回しやすくした『呪文カード』も販売されています。

 魔法職だけでなく、戦士職であっても型や生き方といった側面から、複数のサブクラスが用意されていてプレイの幅が非常に広く、同じクラスでも少し違った立ち回りが可能になっています。

 多彩な種族とクラスの組み合わせ、そして能力値の割り振り、装備品の選択により、自分だけのキャラクターを作り上げていくことは、『D&D』に限らずTRPG全般の醍醐味でもあります。

 特に『D&D』は、キャラクターを成長させていくほど、戦闘時の立ち回りが爽快で派手になっていく傾向にあり、“強くなっていく実感”を得やすいと感じます。そのため、キャラクターに愛着を持ちやすいのも魅力ですね。

 数々の行動の成否にダイスを用いるのは、前回の記事でも書いた通り。どんなダイスを使うのか、どういった処理を行うのかなど、細かい判定方法についてはタイトルごとに異なりますが、『D&D』第5版は判定がシンプルにまとめられており、非常にプレイしやすいのが特徴です。

 20面体ダイス(D20と言います)を振って、出目と自分の能力から算出された値を足し、目標値と比べる。基本的にはこれだけ! 行った行動に応じて使う能力値が変わりはするものの、基本的な処理は簡単で、慣れてしまえばスムーズに行うことができます。

 なお目標値というのは、行動が成功するか失敗するかの基準となる数値で、これはゲームマスター……『D&D』ではダンジョンマスター(DM)と呼びます……が提示してくれるため、プレイヤーは気にしなくても大丈夫。

 敵がこちらに気付いていないなど、状況的に自分が成功しやすい場合や、暗闇で行動が成功しにくい場合には、“有利”と“不利”という状態になります。この場合の処理も簡単で、D20を2回振って、“有利”なら高い方の目を、“不利”なら低い方の目を使うだけ。

 この判定の手軽さがゆえに、数値の算出に頭のリソースを持っていかれることがなく、自分の行動やロールプレイをじっくりと考えられるのが、第5版の魅力でもあります。

 その絵柄の重厚さや、海外製のファンタジーものというイメージから、“プレイが重たいゲーム”と思われがちですが、第5版はかなりスマートなゲーム性となっており、TRPG入門としても優れていると、個人的には思います。

ミニチュアや『マジック:ザ・ギャザリング』とのコラボでさらに広がる『D&D』ワールド!

 TRPGは、戦闘シーンでもおおまかな位置関係のみ把握し、判定のみで進めるものが多いのですが、『D&D』はスクエア状のマップを使ってタクティカルな戦闘を遊べるのも特徴のひとつ。『D&D』の冒険者やモンスターのミニチュアも販売されており、それを使用して遊ぶことで味方や敵の位置関係が視覚的にわかりやすくなり、臨場感溢れる体験が可能に!

 もちろん、こういったミニチュアを使うかどうかはDMしだいです。準備は相応に大変ですし、そもそものグッズを集めるお金がかかります。しかしそれ以上の興奮をもたらしてくれるのも確か。私も、リッチな戦場を盤上に作り上げて写真を撮るのが大好きなので、少しずつミニチュアを買い足して遊んでいます。

 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』という名前からわかる通り、ダンジョンの探索やドラゴンとの対決といった冒険要素は、『D&D』の核の部分です。その世界を立体で捉えながら遊べるというのは、まさに『D&D』の魅力なのです。

 盤面の雰囲気を気にしないのであれば、市販のガチャガチャや食玩などで手に入るフィギュアを利用しても構いません。スクエアマップを利用したプレイは、シミュレーションゲームのような遊び心地を加えてくれるので、ぜひ一度体験してみてほしいですね。

 なお2021年8月現在のタイムリーな話題として、世界的に有名なトレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』とのコラボレーションが挙げられます。

 ここでは『MTG』の詳細な説明は避けますが、『フォーゴトン・レルム探訪』という名前の最新セットが発売されており、『D&D』の有名キャラクターやモンスターなどがカードとなって登場! 数々の美麗なイラストで描かれていて、『D&D』ファンにとっても見逃せないものとなっています。

 ジャンルは違うものの『MTG』も非常におもしろいゲームですので、この機会に双方向のプレイヤーがお互いに興味を持ち、両コンテンツが盛り上がればいいなと願っています。


企画記事

Dungeons & Dragons, D&D, their respective logos, the dragon ampersand, all other Wizards titles, and characters’ names and distinctive likenesses are property of Wizards of the Coast LLC in the USA and other countries. © 2017 Wizards of the Coast LLC.

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