特撮ファン必見! 映画『HE-LOW2』高野八誠監督へ終末のバンギアが突撃インタビュー(後編)
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- 電撃オンライン 終末のバンギア
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毎週金曜21時から電撃オンラインがお届けしているネット配信番組“電撃四天王(3人)の対決Showdown”のオープニングテーマ曲を担当する音楽ユニット『終末のバンギア』(以下バンギア)が、特撮ファンの間で噂になっている映画『HE-LOW THE SECOND』(以下『HE-LOW2』)の先行上映会に潜入取材!
前回の記事では『HE-LOW』とは?を解説しつつ、物販の様子や舞台挨拶の様子をお伝えしましたが、後半となる今回は、いよいよ禁断の舞台裏へ潜入! 高野八誠監督への突撃インタビューもお伝えします。
こんな豪華メンバーが揃ってる楽屋ってどんな感じなの!?
前回お伝えしたように、今回の先行上映会の舞台挨拶のメンバーは超豪華! ざっとかいつまんで紹介しておくと、高野八誠監督(『ウルトラマンガイア』の藤宮博也/ウルトラマンアグルなど)、須賀貴匡さん(『仮面ライダー龍騎』の城戸真司/仮面ライダー龍騎など)、青柳尊哉さん(『ウルトラマンオーブ』の宿敵ジャグラスジャグラーなど)、伴大介さん(『人造人間キカイダー』のジロー/キカイダーなど)、筒井巧さん(『世界忍者戦ジライヤ』の山地闘破/磁雷矢など)、松田賢二さん(『仮面ライダー響鬼』の財津原蔵王丸/仮面ライダー斬鬼など)、椿隆之さん(『仮面ライダー剣』の剣崎一真/仮面ライダーブレイドなど)、柳沢ななさん(『仮面ライダーキバ』の麻生恵/仮面ライダーイクサなど)など、もうヒーローのてんこ盛り。
これだけヒーローが集まれば、楽屋はきっとカオスな状態。プレスパスを持っているバンギアのふたりは、これは突撃取材しなければいけない! ……と、特派員という使命感に駆られ、関係者以外立ち入り禁止区域に潜入を試みました。
結局、会場に到着したときからハイテンションになってしまって使いモノになっていないルギアを後目に、楽屋を突き止めたのは頼れるバンビ。そこで待ち受けていた光景は……ここからは写真でどうぞ!
楽屋は想像どおりカオスな状態。あまりカメラを向けるのも悪いので、少しだけお邪魔して早々に撤収。みなさんが楽屋を出られたあとに、八誠監督にインタビューをもらえることになりました。
楽屋に潜入後、高野八誠監督にインタビューすることができた!
みごと楽屋に潜入することができたバンギア。なんと、電撃オンランのために八誠監督の独自インタビューを受けてもらえることになりました! ここからは突撃インタビューをお届けします。
ヒーロー映画を撮影することになったきっかけは?
――まず映画『HE-LOW(以下『1』、THE SECONDの場合は『2』)』を創ったきっかけを教えてください。
高野:昔から監督というものはやってみたかったんです。なにかとにかくハチャメチャなものを創りたいという構想は2年前ぐらいからあって。
それで、小林雄次(『1』の脚本家)さんに企画書を出してなにかできないかなと一緒に考えていたんですが、なかなか進まなくて……。
でも最近になって、またライダーやウルトラ作品に出演する機会があって、そこで共演者との繋がりができたのがスタートですね。
――子役から役者をされていて、なぜ監督をしたいと思われたのでしょうか?
高野:役者としていろいろ作品をやってきて、やっぱり役者ってコマの部分があると思うんですよね。
全体的な表現の中の一コマでしかなくて……こういう話しだったらいいなとか、もっとこういうふうに動けたらいいなって。その考えを伝えると、これは監督の作品なので……と。
それなら自分で面白いと思うものを創ってみたいという想いがずっとあって、それが今回に繋がりました。
――なるほど……。役者をしながらも、すでに“八誠ワールド”のようなイメージはあって、でもそれをなかなか表現しきれなかったという感じでしょうか。
高野:そうですね。小さなころからなにかを作って人を驚かすことがすごく好きだったんです。自分の作品としてそういう表現をしたいなら“監督”が一番適していると思いますね。
――驚かすというと……ホラー作品とかも興味が?
高野:ホラー作品も考えたことがあります。でも今回の企画としては、いままで特撮にお世話になってきたのもあるし、まわりにも特撮の仲間が多いし、お客さんにいま一番簡単に伝わるものをと考えると、今回の作品に繋がりました。
キャスティングでこだわった部分は?
――特撮作品にしようと決めて、『1』のキャスティングをするにあたって、こだわった部分はどんなところでしょうか?
高野:レジェンド(いわゆる有名なヒーローを演じたキャスト)の方々には、とにかくかっこよくあってほしい……美しくあってほしいという想いが自分の中にあって。
キャスティングするときに、過去に戦隊やライダーをやっていれば誰でもいいという訳ではなく、空気感だったり、生き様だったりを尊敬できる人がいいなっていうのがありますね。
今回の『2』で言うと、筒井さんや伴さんもそうだし、森次さんもすごくかっこいい先輩なので、ぜひ!とお願いしました。
――では、キャスティングされるときは、ただ過去作品を見てオファーという感じではなさそうですね。
高野:そうですね。やっぱり一回会わないと……会って呑んでみて決めますね(笑)。
例えば、一緒に呑んで話してみて、いろいろな意味で尊敬できると思う人とは、作品に出てもらいたいだけじゃなくて、今後もお付き合いさせてほしいと思います。
――そんな尊敬するレジェンドの方に……例えば『2』でいうと、森次さんに、なかなかにギリギリ……というか……けっこう強烈な演出をされてますよね(笑)。
高野:そこはプロデューサー的な考えというか、こんなにすごい方にこういう演出をつけるのは面白いんじゃないかなというのがあって。いや、ピリピリしてましたよスタッフさんとか(笑)。
――ほかにも、いろいろとヒーローがお金稼ぎしていたりと、等身大な目線の描き方が面白いなというのを感じたのですが、八誠監督にとっての“ヒーロー像”みたいなものってありますか?
高野:それはありますね。ヒーローとして生きる上で描かれていない部分というか……人間なんて働かないと食っていけないし……とか、そういう根本的なところを広げていきたというのはあります。ギャンブルだってするしお酒も呑むだろうし、キャバクラとかも好きかもしれないしね。
『1』はファミコンで、『2』はスーパーファミコン!?
――少し話題をずらします。音楽ユニットとしてお聞きしておきたいのですが、『1』も『2』も共通して主題歌をJAM Projectさんが歌っているのはどういう経緯ですか?
高野:JAM Projectさんと繋げてくださる方がいて、直接乗り込んで企画を伝えてお願いしました。
企画書のキャストを見て、(きただにひろしさんが)『仮面ライダー龍騎』のサードエンディング主題歌も歌っているし、ちょうど『TOKYO DIVE』というアルバムを作るタイミングで、曲を提供していただくことになりました。すごく熱い曲です。
――なるほど。そういった経緯でしたか。では、話を映画に戻します。監督として『1』と『2』で変えようと思った部分はなんでしょうか?
高野:毎回、テーマを変えようと思っているんです。作品創りは、実験だと思っているので。いままでにないデータというか、作品を作ろうと心掛けていて。
でも『1』のときは立ち上げたばかりなので、キャストもまだそんなにそろっていなかったし。経験のない方にレッスンをして、“素人の芝居をしない面白さを料理したい”というのをテーマに作品づくりをして、須賀くん(須賀孝匡さん)と尊哉(青柳尊哉さん)とタケちゃん(吉岡毅志さん)の三人はゲスト出演にしました。
『1』では、作品にもまだちょっと迷いというか、芝居としては間が持たない部分があったので、わざと変な間をいれてみたりとか……そういうことも試していきました。
『1』は、ファミコンみたいなものを目指していたんです。例えば、ちょっとした段差で死んでしまったりとか、ファミコンってそういう理不尽なゲームがあったじゃないですか。
――確かに理不尽なゲームありましたよね(笑)。
高野:そういう間にはストーリーが無いので、その間のストーリーは自分で考えて繋げていく必要が出てくるんです。でも、今の作品ってそういう“隙間”って減っていると思うんですよね。
だから、あえてそういう“隙間”をどんどんどんどん作ろうっていう作業をしました。そしてその“隙間”のストーリーの繋げかたは、観るかたにおまかせします。
――じゃあ、『2』はスーパーファミコンですかね?(笑)
高野:そうですね! やっとなんか……はい(笑)。そんな感じでしょうか。
『2』は、そういう隙間作りから脱却して、“プロの方がどんな挑戦をしてくれるか”ということに焦点を置いているんです。変な間は一切作らずに、テンポを作るところは作って、それでもグダグダなところは自ずと出てくるので、そのセパレートを楽しんでいただけるような作品にしました。
でも逆に、『1』から『2』になって、まとまりすぎちゃったかなっていうのはあるんですよね。うまくいっちゃったなって。
――ファミコンの話が出てきたので、ちょっとゲームメディアらしいこんな質問を…八誠監督は“光属性”ですか? “闇属性”ですか?
高野:どっちなんだろうなぁ……。闇かもしれない。
本心はなにやってもやる気がないというと語弊はあるかもしれませんが……何でもいいやって……例えば怒っている人がいたら、なんでそんなに熱くなれるんだろう ?とか。
すごくエネルギーを持っている人に対しては、合わないと感じる部分があったり。でも、長年芸能の仕事をやってきてそれを積み重ねていると、それは諸刃の剣というか……。気を使っちゃうところはありますよね。(笑)
――なるほど闇属性でしたか(笑)。今後はどんな実験、挑戦を続けていこうと考えていますか?
高野:テクニカルな部分で、こう演じたらこういうふうに撮れる、というのは役者として現場にいた経験から感覚的にわかるんです。
でも、カメラのことはあまり分からないので、撮りたい絵を伝えるのに苦労しましたね。知らないからこそ、こういう絵にしたいんですよね……とか言えたりするのですが、まだもっと撮れたな……と、そういう気持ちはあるかなぁ。
それはそれでまた『3』に生かしたいなと思います。
――『3』はいよいよ次世代機ですかね(笑)。この作品を撮影しながら、どんな方々が観ているのをイメージしましたか?
高野:この作品の企画の趣旨としては、特撮好きのコアな人をメインに考えて作っていますね。
――会場でほかのお客様と映画を観ていて、みなさんが一斉に笑うポイントがたくさんあるじゃないですか。そこはどの特撮作品のどのシーンをリスペクトしたのか気になって探してみたくなりますよね。
高野:人によって、ライダー、ウルトラ、戦隊のどれを観たことがあるとか、とくに好きなシリーズって何かしらあると思うんです。そんななかで出演者たちのシリーズ作品も観てほしいという想いはあります。
――劇場でみなさんと観るととくに楽しめる作品ですよね。ぜひ劇場に足を運んでみてほしいですね。
高野:『1』では、大きな箱(映画館)でしか上映していなかったので、今回は、50席くらいの劇場や、スライド上映をどんどんやっていこうかなぁと考えています。
それもまた新たな、出しかたとしての挑戦かな。仕掛け方も勉強ですね。
――では最後に、読者へ向けて本作のみどころを……。
高野:本当に現役で活躍されているかたたちが、面白いことに挑戦しているという意味でかっこいいと思うし。みんなすごく現場を楽しんでいるというのがわかったので、これからも挑戦していきたいし、そこを観ていただければと思います。なんか楽しそうなことしているなぁって(笑)。
大人になるとなかなかできないことを、敢えてやっていきたいですね!
――ありがとうございました!
バンギアのオススメポイントを140文字以内でまとめる!
今回のレポート記事、いかがでしたか? 電撃オンラインならでは、また『終末のバンギア』独自の目線で『HE-LOW2』の魅力に迫ってみました。
それでは最後に、バンギアのふたりが、それぞれ140文字以内で本作のオススメポイントをまとめます。なんで140文字かって? やっぱりSNSな時代はそれぐらいでまとめるのがベストかなと。
バンビ(ボーカル)のオススメポイント!
濃厚なゆるさ。パンチの効いたおふざけ。伝説の無駄遣い。子供心を忘れずに大人が遊ぶってこういうことだよ。というのを見せつけられるヤバい作品。
珍味シーンだらけ。ここでしか食べられない、一度食べたら虜。いまのシーンもう一回! と欲してしまいます。でも、お腹を壊すか壊さないかは、あなた次第。
ルギア(ギター)のオススメポイント!
特撮だろうが、アニメだろうが、ゲームだろうがそのジャンル愛に満ち溢れた作品は確実に面白いヤツ。
知らなくて観てもその熱量は伝わるし、結果あのシーンはなんだったのかと後で調べてしまったりして結局ハマる。
この作品は確実にその類。特撮好きなら間違いなく観ておくべきヤツだし。それがこれ。
『HE-LOW2』9月16日に名古屋“ミッドランドスクエア シネマ”で上映決定!
『HE-LOW2』の上映日と上映場所が発表となりました。今後の最新情報は、公式Twitterや『HE-LOW』公式サイトをご確認ください!
“終末のバンギア”プロフィール
数々のゲームタイトルとミュージックコラボを果たした、カリスマゲーマーギターリスト“市野ルギア”が、女性ボーカリスト“bamvi(バンビ)”を迎えて新たな音楽ユニットで活動を開始。
2019年2月に結成ライブでお披露目。6月より本格始動。そのサウンドは「白か?黒か?」。二面性のサウンドをコンセプトにした『終末のバンギア』。なぜかふたりとも特撮関係者と縁がある。
コラボ第1弾として電撃オンラインのネット番組「電撃四天王(3人)の対決Showdown」のオープニングテーマ曲を担当。目下売り出し中なので、いろいろなコラボ先を絶賛募集中です!
●『電撃四天王(3人)の対決Showdown』オープニング曲
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