2008年7月8日(火)
左から“キリエ”役・宮野真守氏、“モルテ”役・坂本真綾さん、“トッピー”役・古谷徹氏。 |
――それぞれの役を演じての感想をお願いします。
宮野氏:まず、ゲームを初めに録っていて、“キリエ”のキャラクターを作り上げていたのがありました。でも今回、アニメならではの絵になって動いてる“キリエ”がいて、やっぱりゲームとは違う要望もあったんです。ゲームの時は繊細さが結構出ていたんですが、アニメになってからはキャラがよく動いているぶん、アクティブさも出てきて、その中にも情けなさが数倍増しています。そのあたりは、自分でもおもしろいと思いながら演じていますね。
坂本さん:私もゲームを先に録って、その時の“モルテ”のイメージをもってアフレコに臨んだんです。でもやっぱりアニメでは、また少し違う部分も見えてきました。ゲームの時より、“キリエ”は数割増しで情けないんですけれども、“モルテ”は数割増しでりりしくなっていて、すごくかっこよく描かれているなと思いました。“トッピー”はさらにお茶目になって、強いんですけど、すごくかわいいんです。短い足で走ってちょこまか動く姿を見ると、より“トッピー”が素敵に感じられました。ゲームも楽しみですが、アニメはアニメならではの楽しみがあると思って、毎回楽しくやらせていただいています。
古谷氏:ゲームで初めて“トッピー”と出会った時は、やっぱり外見の印象が一番強かったです。かわいらしく演じて、若い女の子に人気が出るようにと思っていましたね。
宮野氏:(女の子に人気が出るの)大事ですよね(笑)。
古谷氏:一番大事なんで(笑)。でもゲームのプロデューサーからは「渋くやってほしい」と言われまして、ルックスと声のギャップを感じるくらいの渋いハードボイルドな感じでやらせていただきました。その後、アニメになって動いている“トッピー”を見たら、非常にかわいいんですね。それで、アニメの方のプロデューサーや音響監督とも相談しまして、ゲームとは変えていいと許可が出ましたので、かわいらしさを意識して演じております。でも性格は、獣人と人間をまったく区別しないで、目の前にいる困った人を助けるという非常に男らしい、志を持った勇者、正義感あふれる勇者なんで、セリフとかストーリーの中での立ち位置とかはカッコイイです。アニメでは、さらに人気が出るのではないかと思います。
宮野氏:一番大事ですからね(笑)。
古谷氏:大事です。狙っております(笑)。
――「世界撲滅の6人」というサブタイトルは、非常にインパクトがあると思われますが、最初にタイトルを見た時、どのように思われましたか?
宮野氏:言葉がすごくハードなので、撲滅という言葉から、戦いとか激しい戦争とか、ちょっと暗い内容を勝手に想像してました。でもアニメに関しては、本当にそれを思わせないような始まり方で、いったいいつ撲滅というハードなものに向かっていくのか、本当にそこに向かっていくのかと思わせるくらいほんわかしているんですね。もちろん、その中に確かなキーワードは隠されているんですけど。ただ、それぐらいの印象だったので、これから撲滅に向かってどう展開していくのか自分でも楽しみです。
坂本さん:私も、撲滅を目指す側のキャラクターということで、いわゆる普通のアドベンチャー的な物語のヒロインとしてはめずらしい立ち位置で、インパクトのある設定だなと思いました。あとゲームの方のキャラクター設定を先に見た時、キャッチフレーズに「明るく楽しく世界を撲滅」と書かれていたので、ちょっと何かの間違いかと思って、何度か読みなおしました(笑)。
物語は、とりあえず“モルテ”たった1人だけの世界撲滅委員会の目的として、「この世界を終わらせてしまった方がみんなのためだ」という彼女なりの正義から始まります。2人が半ば成り行きで入って、今は1人ではなく(本当に)委員会になっちゃったんですけど、2人は撲滅に賛同してないと思うんですね。でも、“モルテ”は1人で何かつらい過去を抱えているような伏線もあるので、そういった理由からも彼女の撲滅の目的はあると思います。
“モルテ”の性格は、凶暴って言われてますけど、やっぱり心根は優しくて、人助けも結果的にはしちゃう女の子です。たぶんこの2人と出会って行動していく中で、撲滅とは違う解決方法もあるんじゃないかってことに考えがおよんでいくと思うので、そのあたりの心の変化も楽しみです。“モルテ”自身はすごく快活な女の子で、作品の世界観も、特にアニメは笑いがあってとてもほんわかしているので、タイトルとのギャップも楽しんでいただけると思います。
古谷氏:やっぱりタイトルを最初見た時には、ありえないと思いました。かつて30年近く前に、戦いたくない少年を主人公に据えたアニメ作品がありましたが(一同笑)、その時と同じくらい衝撃を受けました。実際にプロデューサーからいろいろお話を伺って、ああそういうことなのかと納得したんですけれども。……で、6人ってサブタイトルに付いているんですけど、あと3人はどうなってるのかな(笑)。それもあわせて、今後が楽しみです。
――ここまでアフレコをしての見どころは?
宮野氏:豪華声優陣が、ゲストで毎回来てくださります。それと毎回1話完結で、どこを切り取っても楽しく見られるので、もし1話見逃しちゃっても続けて見ていただける作品です(笑)。全体の流れとしての伏線は張ってありますが、わかりやすく1話、1話が進行していって、毎回心が洗われる話になっています。撲滅っていうタイトルからは想像できないような温かい雰囲気が魅力です。
坂本さん:私たち、今日初めてオープニングの映像を見たんです。すごくかっこよくて盛り上がったんですけど、どう考えても“キリエ”の行動がおかしくて。“モルテ”は強くてかっこいいんですけど、オープニングの“キリエ”は、みんなが戦っているのに逃げてるっていう絵なんですよ(笑)。一応“キリエ”って、“モルテ”の相手役ですし、キーパーソンなのは間違いなくて、きっと秘められた何かがあるはずなんですけど。ここまでの話では、ただ情けないだけで、オープニングでもすごく情けなくて(笑)。それがすごく衝撃的で、いろいろな意味でこの作品は斬新だなと思いました。
宮野氏:なんか今のところ、いいとこナシです(笑)。
坂本さん:一応、タイトルロゴに“キリエ”のシルエットがあるので、早く“キリエ”のかっこいいところが見られるよう楽しみにしてます(笑)。
古谷氏:さっきも話してましたが、1話、1話に人情話やすごくいい話のエピソードが多くて、それも楽しめると思います。あとは何と言っても、“トッピー”の愛くるしさとかっこよさが見どころだと思います。
宮野氏:「~クマ」って語尾に必ず入ります(笑)。
古谷氏:あ、そうですね。セリフの語尾にもれなくクマと(笑)。
――そういった代わった語尾のキャラクターだと普段の会話に影響することはありますか?
古谷氏:僕はそんなことないですが、アフレコ後にこの2人は影響されてますね。
宮野氏:なんかうつるんですよねー、言いたくなっちゃうんですね(笑)。
坂本さん:「終わったクマ」みたいに必ずクマが付いちゃいます(笑)。
古谷氏:僕はアフレコで十分やらせていただいてるので、それで満足しちゃうんですけど(笑)。ただ語尾にクマって付くのは、どうしてもコミカルになりがちなんですよね。でも“トッピー”はすごくシリアスなキャラなので、それに芝居が影響されないよう、普通のキャラ以上に集中しないといけないんです。やっぱり「~クマ」って言いながらも、カッコイイと思われないといけないので。
宮野氏:“トッピー”は誇りを持っているんですよね「~クマ」に。
古谷氏:そうですね、チビクマ族ならではの誇りなので(笑)。
――では“キリエ”は料理人とのことですが、宮野さん自身、得意料理はありますか?
宮野氏:僕は料理をしないんですけど、よく麺は茹でます。
坂本さん:ええ!?(笑)
宮野氏:とりあえず茹でては見ますね。スパゲッティは茹でてみましたし、そうめんも茹でてみましたし。
坂本さん:味つけは?
宮野氏:味つけは、行き当たりばったりですね。ミートソースを温めるだけとか、冷麦は汁を買ってくるだけとか。そうやって生きてきました(笑)。
――キャラクターたちは世界撲滅委員会に入っていますが、坂本さんはどんな委員会に入っていましたか?
坂本さん:中学の時は、ずっと放送委員会に入ってました。委員長もやりました(笑)。中学3年間入っていて、お昼の放送なんかをやってました。
宮野氏:いい声で流してたんですね(笑)。
――ファンへのメッセージをお願いします。
宮野氏:ものすごく絵が素晴らしいと思っていて、本当に魅力的なキャラクターたちが、愛らしかったり、かっこよかったりする環境で、僕ものびのびと情けないキャラクターをやらせていただいてます(笑)。収録現場の雰囲気もすごくよくて、アニメで珍道中を繰り広げる3人に、それがそのまま乗ってる感じがしています。とりあえず「ワールド・デストラクション」の中では、アニメが一番最初に皆さんのもとに届くということで、とりあえずこの作品を楽しんでいただけたらと思います。一生懸命頑張って演じているので、ぜひ応援してください。
坂本さん:やっぱりゲーム発売の前なので、この作品を見て、しっかり「ワールド・デストラクション」の世界観を味わって、気持ちを高めたところでさらにゲームも楽しんでいただけたらうれしいなと思います。世界観としては、人間よりも獣人と呼ばれる動物たちの種族が仕切っている世界ということで、毎回おもしろいキャラクターが登場します。この間はネコとか、ウシとか出ました(笑)。普段、他の作品ではあまり見ないようなキャラクターたちが登場するので、ぜひそのあたりを注目していただきたいと思います。
古谷氏:3人が旅をしていくうち、次第にそれぞれの過去など描かれてきて、謎がだんだんと明らかになっていきます。そのストーリーを楽しんでいただきたいですね。それから、それぞれの話にゲストキャラである獣人たちが出てきて、それぞれを非常に豪華な(力を込めて)声優陣がお届けする素晴らしい作品になってると思います。
以上の話を伺えたTVアニメ「ワールド・デストラクション ~世界撲滅の六人~」は、7月7日よりテレビ東京系にて毎週月曜日25:30から放送される。さらに、7月26日発売の「電撃「マ)王9月号」(アスキー・メディアワークス刊)より、ムラオミノル先生が作画を担当するコミックの連載も開始するので、こちらもあわせてチェックしていただきたい。
(C) SEGA/WD製作委員会
■TVアニメ「ワールド・デストラクション ~世界撲滅の六人~」