モーション強化やコミュニケーションなど、任天堂の「次の戦略」が明らかに

文：電撃オンライン

　ロサンゼルスで開催されている「The 2008 E3 Media ＆ Business Summit」において、米国現地時間7月15日、任天堂がカンファレンスを開催した。その中で、同社の今後の展開や新タイトルなどが明かされた。

▲岩田聡氏は、WiiやニンテンドーDSが起こしたパラダイムシフトについて持論を披露。長期間売れるソフトが出てきたこと、ユーザー層が広がったことを説明し、「(進化の)足を止めることは危険」と話した。「5年前は体重計（『Wii Fit』のこと）をこんなに売るだなんて想像していなかった」と、会場を笑わせる一幕も。

　注目は、Wiiリモコンに装着することでモーションを強化する周辺機器「Wii MotionPlus」。この機器を同梱したソフトが、Wiiの『Wii Sports Resort』だ。このタイトルは『Wii Sports』に続くもので、チャンバラ風のSword Play、水上バイクに乗るPower Cruising、投げたディスクを犬に拾わせるDisc Dogなどのゲームが含まれている。発売は2009年春予定だ。

▲先日発表されたばかりの「Wii MotionPlus」が登場。Wiiリモコンの底面に設置する仕組みだ。

▲上から順にDisc Dog、Power Cruising、Sword Playのゲーム画面。ゲームの雰囲気は『Wii Sports』とほとんど同様だ。

▲会場ではデモンストレーションも行われた。

　また、コミュニケーション機能の強化として「WiiSpeak」の存在を明かした。WiiSpeakは、ホリデーシーズンに発売が予定されている『Animal Crossing：City Folk（どうぶつの森Wii）』に同梱される周辺機器。Wiiフレンド間のボイスチャットを、部屋にいるメンバー同士で実現する。なお、WiiSpeakは29.99ドルで単体発売もされるとのこと（日本では未定）。

▲文字チャットではなく、ボイスによるチャット(会話)が楽しめるWiiSpeak。米国では単体での発売も予定されている。

▲『どうぶつの森Wii』の最新スクリーンショット。住民と話をしたり、釣りをしたり、化石堀りをしたり……と、さまざまな楽しみが用意されている。

　そして、以前から発表されていたWii用ソフト『Wii Music』の発売日がついに見えてきた。米国では今年のホリデーシーズンに発売される（日本では未定）。Wiiリモコンとヌンチャクで奏者の動きをマネするだけで音が鳴る音楽ソフトで、用意されている楽器は50種以上。複数名でセッションしたり、ミュージックビデオを作ったりできる。

▲宮本茂氏がサックス演奏をしながら登場。プロのドラマーや、他の出演者を交えて『スーパーマリオブラザーズ』の曲をセッションする演出もあった。

▲『Wii Music』のセッション中の画面。「楽譜とかがわからない人でも遊べる(宮本氏)」そうで、見よう見まねでWiiリモコンを操作すれば音が鳴るという。

　DS用ソフトの目玉は『Grand Theft Auto』シリーズの最新作『Grand Theft Auto：Chinatown Wars』で、今冬に発売される予定だ（日本では未定）。この他DSでは、アクティビジョンの『Guitar Hero On Tour：Decades』、エレクトロニック・アーツの『Sporeクリーチャーズ』といったタイトルも予定されているとのこと。

▲ユービーアイソフトのWii用ソフト『Shaun White Snowboarding』もデモプレイが行われた。発売時期は年末を予定しているとのこと。

　ちなみにDSについては、ニンテンドーDS上で飛行機による旅をサポートしたり、野球観戦をサポートしたりといった新たな可能性を実験・模索しているという。日本ではすでに発売済みの『しゃべる！DSお料理ナビ』米国版も11月にリリースされるとのこと。こうしたゲームとは異なる試みが今後、どのような製品となってリリースされるか、非常に楽しみだ。

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