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2008年7月17日(木)

「無限の住人」のヒロイン“凜”役を演じる佐藤利奈さんのインタビューをお届け!

文:電撃オンライン

 7月より放送を開始したTVアニメ「無限の住人」。その作中でヒロイン“浅野凜”を演じる佐藤利奈さんにインタビューを行った。

 「無限の住人」は、「月刊アフタヌーン(講談社刊)」で連載されている沙村広明氏の同名コミックを映像化したもの。江戸時代の日本を舞台に、不老不死の身体を持つ隻眼の剣士“万次(声:関智一氏)”と、両親を殺した剣客集団「逸刀流」を追う少女“浅野凜(声:佐藤利奈さん)”の旅がつづられていく。

 では以下に、佐藤さんのインタビューを掲載していくので、興味がある人はぜひご一読いただきたい。

「無限の住人」

――佐藤さんが演じる“浅野凜”の役どころを紹介してもらえますか?

佐藤さん:“浅野凜”はですね、“天津影久”率いる逸刀流に両親を殺されてしまった少女です。彼女はその現場を目撃して、敵討ちを志しています。

――この役を演じることになった時の思いや、実際に“浅野凜”を演じてみての感想を聞かせていただけますか?

佐藤さん:オーディションを受けた段階で原作を読ませていただきました。実は前々からタイトルだけは知っていたのですが読む機会がなかったんです。それで実際に読んでみると「うわぁ、おもしろい!」と思いまして。“凜”という役は、役者としてそう何度も演じられるような役じゃないぞ、と心動かされました。とにかくこの役をやりたいと思いましたね。強い復讐心を胸に抱いているキャラクターで、“天津”を殺すためだけに2年もの時間を費やしているんですが、元来が天真爛漫なんでしょうね。女の子らしい、かわいくて明るい面もしっかりと持っていると感じましたし。そういう彼女の2面性はキャラクターの魅力としてとても大事なものなので、オーディションの時もあまり考えすぎずに彼女の年相応な魅力を出せれば、という心構えで臨みました。そしてそれは、実際に収録している時も一緒でしたね。

「無限の住人」

――では、“凜”の敵討ちに力を貸すことになる“万次”ですが、彼の印象は?

佐藤さん:“万次”さんはですね、男クサい感じだなぁと。

――男クサいですか。

佐藤さん:ハイ。男の出す色気ってあんな感じなのかな~って。なんといいますか、無骨で泥くさいところがあって。「この人だったら自分の背中を預けても大丈夫」という信頼感があるんですよね。懐が大きいと言いますか。やっぱり、死なない身体を持っていて、タイトルにもあるように無限の中に生きているからこそ見聞きして知っているものは“浅野凜”に比べると何十倍も何百倍もあって。そういうところからにじみ出る苦悩であったり言葉の重さであったりも彼の魅力なんだろうな、と思います。いろいろなものを抱えて、それでも1人の人間として生きている彼の強さは、心に刺さるものがありますよね。

――では続いて、“凜”にとっての仇敵となる“天津影久”のイメージを教えてください。

佐藤さん:“天津影久”は、底の見えないキャラクターですね。私はどうしても“凜”目線で彼のことを捉えてしまうので、彼の行動1つ1つが気になってしまう。彼は彼なりの信念で生きていていて、ものすごくいろんなことを考えて行動しているので、頭脳派ではあるんだろうなと。

――逸刀流のリーダーでもありますしね。

佐藤さん:そうですね。あんないろんな「変態」な人たちが集まっている中のトップですからね(笑)。真の変態かもしれません。でも、カッコいいとは思いますね。

――今、佐藤さんは「変態」とおっしゃいましたよね。

佐藤さん:はい。

――真下監督も、記者発表会の時から「変態」というキーワードを強くプッシュしていましたが、現場での監督はどんな人ですか?

佐藤さん:真下さんはとても原作を愛するタイプの人で、すみずみまで原作を読んで監督なりに噛み砕いて再構成していく手法をとっているんですね。またストーリーだけでなく、キャラクターもとても愛しているので、登場人物をどう見せるかという点にものすごく情熱を注いでいるんです。そのエネルギーには素直に感服しますし、そんな方と仕事ができてとてもうれしく思います。人をひきつけるものすごいパワーを持っていて、人当たりもよくて優しい方です。

――そうですね。記者会見からも、そうしたエネルギッシュなところや人柄というものは伝わってきました。

佐藤さん:どこでもずっと変わらないであのスタンスなんですよ。収録している時でも皆で飲み会に行った時でも。アフレコが終わった時にも1人1人に声をかけてくれるんですね。特に序盤ではゲストキャラが大勢出ているんですが、そのゲストキャラを演じた声優さんに「ありがとう! いい変態だった!!」と毎回握手をしてくれて。

――「いい変態」ってすごい表現ですね(笑)。

佐藤さん:そうですよね(笑)。作品作りにはとっても真摯です。暖かい人ですね。

――今、アフレコについて少しお話していただきましたが、収録現場はどういった雰囲気でしたか?

佐藤さん:作品の内容が内容なだけに、わりと血がいっぱい出たりグロテスクなシーンもあるんですが、現場は話に引っ張られることなく明るい感じでしいたね。ただ、人の入れ替わりが激しい作品なので人が大勢いる回もあれば、数人しかいない回もありました。また、前後編でわかれている回は、続けて収録を行えたので、気持ちが切れることなく演じられました。

――体力的には大変そうですね。

佐藤さん:確かに疲れはしますが、ありがたいといえばありがたいですよね。演技にぶれがなくなりますので。

――収録自体はスムーズでしたか?

佐藤さん:そうですね。比較的スムーズだと思います。1話や2話あたりは収録の時の映像がフルカラーだったので、こっちも負けずにやらなければ! と思いながら収録しましたね。音が付いたものも途中で見せていただいたのですが、コレがもう……すごくカッコよかったですね。

――1話を見せていただいたんですが、曲も印象的でしたよね。

佐藤さん:とても印象的ですよ! 曲の使われ方がまたよくて、いいシーンで曲が入ってくるんですよね。スゴいです。

――序盤での見どころを教えていただけますか?

佐藤さん:1話は“万次”さんのお話で、“凜”と出会う前のストーリーです。彼の今後の行き方を決定づけるエピソードが描かれているので、そこに注目してもらいたいですね。ビジュアル的にはやっぱり戦闘シーンが本当にカッコよくて。あるシーンでの曼珠沙華……彼岸花ですね。それがとても印象的です。2話は、いよいよ“浅野凜”が登場します。たくさんの人物が登場する顔見せの回でもありますが、“万次”が“凜”と一緒に行動する経緯が描かれているので、そのあたりが注目ポイントですね。

「無限の住人」 「無限の住人」

――佐藤さんの好きなキャラクターとか似ているキャラクターは?

佐藤さん:好きなキャラクターは“真理路”なんですが、似ているとなると……あ、“宗理先生”は似ているかもしれませんね。

――どのあたりが似ていると思いますか?

佐藤さん:彼は作品にかける思いが尋常じゃないところがあるじゃないですか。役者ってやっぱり芸術方面に属するお仕事なので、共感できるところはありましたよ。あそこまでの飛びっぷりは私にはないですが(笑)。一番の作品を目指して、自分の理想を大事にしているところは共感できますね。役者も自分の理想があって、自分が演じることで、そのキャラクターをさらに引き立てることができればいいなと思っていますので。……とはいっても、“宗理先生”のように作品に血は使いませんけれど(笑)。

――“宗理先生”ほど極端なケースではないにせよ、「役作りのためにこんなことしました!」というエピソードがあったりするのでしょうか?

佐藤さん:そうですねぇ……。以前住んでいたところが壁の薄い部屋だったので、練習する時は歩道橋の上で練習したりとか。はたから見るとアヤしい人だったかもしれませんね(笑)。車から見ていた人は、疑問に思ったんじゃないでしょうか。演じるキャラクターによって、人生といいますか、背景にあるものが変わってきますので、それを理解して近づくための努力はできる限りしたいと思っています。

――なるほど。それにしても、歩道橋ですか……。人とかが通ったりしたことは?

佐藤さん:人は通りませんでしたねえ。時間帯が夜ってこともありましたし。さっきも言いましたが、車に乗っている人にはだいぶ見られたと思いますけれど(笑)。その他には、「無限の住人」に関してだと、原作を読んでいて唄を詠むシーンが出てくると思って、その部分を自分の課題にしました。それらしいものが出てくるTV番組を片っぱしから録画して見て、練習しましたね。

――どうですか? 役に立ちましたか?

佐藤さん:はい(笑)。唄のシーンはありました。ただ、実際には唄の先生が唄ってくださったものを聞かせてもらえたんです。それを聞きながら家で練習して。ただ、唄の意味合いや“凛”の気持ちの面では自主練が役に立ちました。

――では続いて、好きなキャラクターで挙げた“真理路”についてお話しいただけますか?

佐藤さん:すごく気のいい兄ちゃんで、変態っぽい感じがしないキャラじゃないですか。

――そうですね。「無限の住人」のキャラクターの中では、とても普通に見えますね。

佐藤さん:でも、実は何か秘めたものを持っているんじゃないかと思ったりするんですよね。もっと見てみたいですね。

――原作をお読みになっているとのことですが、よろしければ感想や好きなところを教えてもらっていいですか?

佐藤さん:そうですね。絵がとても美しいし、それぞれの人物が言葉にできない闇だったり、大事なものだったりを持っていると思うんですね。そうしたものがしっかりと描かれているので、原作を読んでいないファンの皆さんは、ぜひ読んでみてください。

 ただ、アニメになると時間が限られてしまう関係で、どうしても伝え切れないところがあるんですね。とは言え、脚本の川崎さんがとてもうまく噛み砕いて、わかりやすく楽しめる物語を書いてくださってますので、アニメはアニメでお楽しみいただけると思います。私、原作の“万次”さんと“凜”の掛けあいがとても好きなんですよ。まるで兄妹がじゃれあっているような感じなんですが、アニメでは大きく重たいエピソードを中心にしているので、そういった部分がどうしても少なくなってしまうんです。なので、原作でそういった部分を見てもらえるといいですね。そうしたやり取りの積み重ねで、“万次”と“浅野凜”の関係が作られていると思うので。ぜひぜひ見てもらいたいです。

――では、エピソードに関して言うと、どのあたりのお話が好きですか?

佐藤さん:“川上新夜”のエピソードですね。彼は、“凜”のお母さんを陵辱した男なんですが、“凜”が彼のもとを訪れた時には“練造”という息子がいるんです。“凜”からすると“新夜”は自分の母親を奪った許せない存在なんですが、そんな彼を殺してしまうと、今度は自分が“練造”を昔の自分と同じような目にあわせてしまう。その話を読んだ時に、“凜”が抱いている葛藤が伝わってきて「あぁ、人間ってどうしてこういう連鎖をしてしまうんだろう」という気持ちになりました。そういう「人間臭さ」みたいなものが沙村先生の作品にはありますね。

――では最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

佐藤さん:15年もの間、沙村先生が広げてきた「無限の住人」世界ですが、満を持してのアニメ化です。監督の真下さん、脚本の川崎さん、音響のなかのさん、“万次”役の関さん、そして佐藤以下、スタッフの皆が思いを込めて作り上げた作品になっております。ものすごく力がはいっていますので、原作とあわせてご覧いただければ何よりです。「無限の住人」世界に引き込まれちゃってください! よろしくお願いします。

――ありがとうございました!

(C)2008 沙村広明・講談社/浅野道場復興会

■TVアニメ「無限の住人」
【放送局】AT-X
【放送日】2008年7月13日より隔週日曜24:00~
※翌週土曜と日曜、翌々週土曜のリピート放送あり。リピート放送は変更となる場合もある。

【スタッフ】(※敬称略)
 原作:沙村広明(講談社「アフタヌーン」連載)
 監督:真下耕一
 シリーズ構成:川崎ヒロユキ
 キャラクターデザイン:山下喜光
 得物デザイン:肥塚正史
 美術監督:海野よしみ
 色彩設計:小島真喜子
 撮影監督:五十嵐慎一/齋藤仁
 音響監督:なかのとおる
 音楽:大谷幸
 音楽制作:ポニーキャニオン
 制作:BeeTrain
 制作協力:ProductionI.G
 他

【キャスト】(※敬称略)
 “万次”役:関智一
 “浅野凜”役:佐藤利奈
 “天津影久”役:野島裕史
 “凶戴斗”役:中井和哉
 “黒衣鯖人”役:江原正士
 “閑馬永空”役:小西克幸
 “川上新夜”役:浪川大輔
 “乙橘 槇絵”役:能登麻美子
 “百琳”役:豊口めぐみ
 “偽一”役:森川智之
 “尸良”役:三木眞一郎
 “町”役:坂本真綾
 他

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