2008年7月17日(木)
7月6日に、アニメ「魔法先生ネギま! 白き翼 ALA ALBA」の完成イベントが、講談社にて行われた。
「魔法先生ネギま! 白き翼 ALA ALBA」は、コミックス第23巻~25巻限定版に付属するDVDに収録されるオリジナルアニメーションDVD(OAD)。全3話で構成されている。イベントでは、第1話を先行上映した後、ニッポン放送アナウンサー・吉田尚記氏司会のもと、原作者の赤松健氏と“神楽坂明日菜”役の神田朱未さんによるトークが行われた。以下で、その模様をお伝えする。
まず第1話について赤松氏は「キャラが原作のものに似てますよね。頬のタッチの感じや目の形、後半の着物とか。アニメではやらないですよ。その他、“エヴァンジェリン”のアップで眉が髪に透けてないとか。相当、シャフト頑張ったなという感じです」と、クオリティの高さを絶賛。また赤松氏は「委員長もよかったですよね」と“雪広あやか”こと皆川純子さんの演技を褒めていた。だがチラリと横を見ると神田さんからの痛い視線が。たじたじになりながらも「あ、神田さんもよかったですよ」とフォローする赤松氏だったが、時すでに遅しなのだった。 そんな神田さんも、「OPがいいですよね。シャフトさん頑張ったなと思います」と褒め、本編の完成度の高さを振り返っていた。
続いては、魔法の呪文についての話題に。なんと本作では、副音声を使って日本語とラテン語をあわせて収録しているとのこと。神田さんからは「言わなきゃいけない声優さんたちはものすごく練習していました」と、呪文を唱えることになったキャストらの苦労も語られていた。「本当に魔法が出るんじゃないかと思いましたよ」と話す赤松氏に、「実際、頭から湯気は出ていたと思いますね。皆すごい緊張しながらラテン語を練習していました」と返す神田さん。なぜこのような仕様になったのか、赤松氏によると「原作に準拠ということ」らしく、今回呪文を唱えるシーンがなかった神田さんは「“明日菜”でよかったと思いましたよ」とほっとしていた様子だった。
「この30分の間に、何人声優さん出てるんだっていうくらい出てましたよね」との吉田氏からのコメントには、神田さんが「大変でしたね。序盤で掛け声を言うシーンでは、マイクが4本しかないので、皆でマイクの前に3列ぐらいに並んで、言ったら後ろに下がる、言ったら後ろに下がるみたいにやったんですが、それを録るスタッフさんも大変だし、音を立てずに移動するキャストさんたちも大変だし、心は1つという感じでした」と収録時のエピソードを披露していた。そんなキャストらの収録風景を後ろから見ていたという赤松氏は、「女子校を見ているようでした。ちょっと危ないですけど……」と答え、「でも赤松先生の脳が作り出した女子校ですから」と吉田氏にいじられていた。
ここからは、出演者への質問コーナー。事前に来場者から募集していた質問を、吉田氏がぶつける形式で進行した。最初の質問は「アニメ化にあたって、他に候補になったストーリーはありますか?」と気になる内容。赤松氏は「学園祭がいいなと思ったんですが。ただ3本では足りないんですよね。あとはオリジナルをやるとか、私の好きなストーリーだけをやるという方法もあったんですが……」と笑い混じりに話していた。続く「魔法が使えるとしたら、どんな魔法が使いたいですか?」との質問に、まず赤松氏が「ド○クエ風に言うと、2倍になる呪文がいいですね。速さが(笑)」と、マンガを速く描ければと切実な返答。神田さんは「最近運転をするようになりまして。車をぶつけなくなる魔法でしょうか」と答え、吉田氏から「そこは技術で回避してください」とすかさずツッコミを受けていた。
一通り質問し終えた後、吉田氏が赤松氏に向け来場者から集まっていたメッセージを読み上げた。「赤松先生、お誕生日おめでとうございます」とのお祝いの言葉にあわせ、会場からも温かい拍手が。だがサプライズはこれだけではない。続けて、スクリーンに「祝! コミックス1,000万部突破」の文字が映し出された。ちなみに、この数字は少し前のものらしく、現在では1,200万部に達しているのだとか。赤松氏には、週刊少年マガジン編集部から“ネギ”の顔が刻印された特製のメダルが贈られ、氏は「うれしいですよ。言ってくれればいいのに(笑)」と照れくさそうに話していた。
ここで赤松氏が、茶封筒からコミックス第23巻(通常版)のカラー原稿を取り出し、来場者に披露した。氏によれば、この原稿は服の部分がレイヤー分けされており、限定版では別の服になるとのことだ。来場者にとっては、ここでしか見られない貴重なカラー原稿。素敵なプレゼントとなった。
その後の告知では、OADが付属するコミックス第23巻や、Webラジオの告知が行われた。このWebラジオは、神田さんと野中藍さんがパーソナリティを務め、8月からアニメイトTVにて配信されるとのことだ。
最後は、神田さんと赤松氏から来場者に向けてのメッセージが贈られた。神田さんは「スタッフさんやキャストさんも含め、皆さんと再会できて。ちょっと緊張したんですが、すっと心の中に入ってきたのが、1番うれしかったですね。これから、年末年始まで、しばらくの間一緒に楽しみましょう」、赤松氏は「私が割とアニメマニアなんで楽しんでいます。これOADですけど、これで終わりにするのはもったいないなと思いますので、皆さんに応援していただいたり、要望を出していただいたりして。今後ともよろしくお願いします」と話し、イベントは幕を閉じた。
(C)赤松健・講談社/ネギま部
■「魔法先生ネギま! ~白き翼 ALA ALBA~」