2008年7月23日(水)
7月6日に、「スクールランブル三学期」#25の完成イベントが、講談社にて行われた。
「スクールランブル三学期」#25は、コミックス第21巻限定版に付属するDVDに収録されるオリジナルアニメーションDVD(OAD)。イベントでは、作品の本編を先行上映した後、キャストによるトークが行われた。以下で、その模様をお伝えする。
この日上映された#25「届け!私の想い!砕け散れ!俺の想い!愛は疾走する!」は、過去に2度TVアニメシリーズが制作されている「スクールランブル」の最新シリーズの第25話にあたるものなのだが、実は1話~24話は制作されていない。上映された#25では、本編の冒頭で過去24話が制作されていたかのような回想シーンが挿入されており、後のトークショーでも話題になっていた。
トークショーには、“塚本天満”役の小清水亜美さん、“播磨拳児”役の高橋広樹氏、“高野晶”役の清水香里さんが出演。ステージに登壇した出演者らは、まずそれぞれのキャラクターの声で元気に挨拶をしたのだが、小清水さんと高橋氏を見て清水さんが「今日は大きい2人と一緒なので、早く座りたいです」とコメント。小清水さんも高橋氏も長身なため、小柄な清水さんが2人と一緒に並ぶと余計小さく見えてしまうのだ。ここで、清水さんが司会から進行をバトンタッチされた。清水さんは「今日楽屋で写真を撮ったんですけど、ヤな感じでした……」と話し出し「あんなに仲睦まじい写真撮影はなかったですよ」とうなずきあう高橋氏と小清水さんを横目に、「普段アフレコスタジオでは自分があまり小さいと自覚することはなかったんですけど、今日ここに来た時に、若干早く座りたいと思いました」と2人を恨めしそうな目で見つめていた。
#25については、高橋氏がまず「「スクラン」のアフレコをやること自体久しぶりでしたし、作品自体も思い入れがあるんですけど、一気にそこの最終章、全部が詰まったところから入ったので気合いを入れました」と作品への思いを述べた。清水さんは先ほども触れた冒頭の回想シーンについて、「台本もらったときに、あれ? 私ちゃんと読んでなかったかな?って思いました」と話し、小清水さんは「(1~24話を)実際にやっていないので、気持ちを持って行くのが大変でした」と語っていた。続けて高橋氏が「“播磨”もカッコいいけど“烏丸”くんがカッコいいですね」とコメント。“播磨”と“烏丸”の掛け合いでは、“烏丸”役の小西遼生氏と「もっといける、いやもっといける」と丹精を込めて演じたそうだ。
小清水さんは、「4年間の積み重ねを感じました」と、長期シリーズならではの感想を話していた。「1番最初の時、私が20で亜美ちゃんが18で、アフレコ終わりにまだお酒を飲めないんだねって話をしてたのにね(清水さん)」、「今はもうガンガンですよ!(小清水さん)」と盛り上がる2人に、会場からは笑いが起こる。「「スクラン」ってデビューしてから片手で数えられるぐらいの時の作品なんですよ。ヒロインで数えると2人目で」と語る小清水さん。清水さんは高橋氏に向かって「でも男性陣は変わらないですよね。変わったのは小西くんの名前ぐらいだよね(笑)」とうなずいていた。
また清水さん演じる“晶”について「アドリブが多かったよね」という小清水さんからの指摘に、清水さんは「“晶”はしゃべりが少ないから、アドリブとかを入れてかないと、「このままでは出番が削られる!」と思って」と秘話が暴露されていた。
最終話となる#26の台本を読んで、小清水さんは「ちょっとさみしくなった」としみじみと語っていた。清水さんも「思っていた展開と違ったよね」と感想を述べていた。「誰かがハッピーエンドになっても、それはそれでさみしいというか。スクラン的なハッピーエンドなのかなという気がしていて」と語る高橋氏に、小清水さんは「個人的には、“播磨”くんのセリフにトキメキましたよ」と返していた。
トークの最後には、DVDに収録される特典映像についても触れられた。原作者・小林尽氏と小清水さん、“塚本八雲”役の能登麻美子さんらによる対談映像の他、1話から24話までの予告も用意されているとのこと。この予告は、清水さんと“花井春樹”役の川田紳司氏の2人で収録したそうだ。2人は“天満”たちのモノマネなども披露しているらしいので、ぜひDVDで確認してほしい。また、小清水さんと能登さんが歌う本編のエンディングテーマ「オトコノコオンナノコ(塚本姉妹 ver.)」についても、小清水さんは「難しかったです。歌っているうちにだんだん素になってきちゃって……」と振り返っていた。
イベントの最後は、出演者からのメッセージで締めくくられた。出演者のメッセージは以下の通り。「4年間頑張ってきた作品ですし、何より4年間応援し続けてくれた皆さんのおかげで、ようやく#25が出て、#26もまもなくということになりました。今日は一足早いスクールランブルの卒業式を迎えられた感じです(高橋氏)」。
「デビューし立ての頃から“塚本天満”ちゃん、「スクールランブル」と一緒にここまでやってきました。“天満”という役があったからこそ、今、他の作品でコメディタッチの芝居ができることもありますし。こうやって最終回を迎えるのはさみしい気持ちでいっぱいなんですけど。1つの作品を最終回までやれるのはうれしいことだと思います。“天満”の声が出るのかどうか不安だったんですけど、いざアフレコをしていたら自分でもびっくりするくらい“天満”になれて。私まだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。今回、とりあえず最終回を迎えますけど、最後まで見ていただけたらうれしいです(小清水さん)」。
「最初に「スクールランブル」が始まった時、正直ここまで長く続くと思っていなくて。1学期が終わった時に2学期があるといいね、2学期が終わった時に続きがあるといいねって話していて。そして今回3学期を迎えることができて。でも始まりがあれば終わりがあるわけで、うれしいような悲しいような気持ちです。個人的に作品にはすごく感謝してるんですけど、せっかく講談社さんにきたので1つだけ言わせてもらいます。えー、ファンの方からも「ついに“晶”が表紙になる時がきたんじゃないですか?」というメールをもらうんですけど、私は実物が届くまで講談社さんと戦い続けるつもりでいます。ちゃんと“晶”の顔が映った表紙を見るまで、私は「スクールランブル」が終わったと思っていません!(清水さん)」。