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2008年8月7日(木)

【今週の1本】楽しみ方は無限大!? 謎多き『AFRIKA』の全貌がついに明らかに

文:電撃オンライン

 新ハードの登場時には、それを盛り上げるために数多くの魅力的なソフトがラインアップとして挙げられる。これまでは、画面を見ればどんなゲームか推察のつくものが多かったが、ゲームとしての表現方法が飛躍的に広がったPS3やXbox 360のタイトルの中には、簡単には内容が分からないものもチラホラと見受けられるようになったと思う。その代表格が、8月28日に発売予定のPS3用ソフト『AFRIKA』だ。タイトルの発表こそ2006年のPS3発売と同時期に行われていたが、アフリカのサバンナを背景に動物が描かれている写真を見ただけでは、どのようなゲームなのかまったく想像がつかなかった。動物をハンティングするゲームなのか、それとも環境ソフトなのか……。筆者と同じように思っていた人も、数多くいたことだろう。そこで、今回は8月28日の発売に先駆けて、本作の核心に迫る体験レポートをお届けしよう。

■見た目と本性は全然違うのがよく分かる? ~カバ編~

 まずはPS3にディスクをセットし、データをHDDへインストールすれば準備完了だ。ゲームを始めると、アフリカのサバンナに設営されたベースキャンプからゲームは始まる。目の前にはプレイヤーが操作するキャラクター用のPCがあり、そのメールボックスをチェックすると1通のメールが届いていた。内容は、サバンナにいる動物を撮影し、写真を添付して送って欲しいというもの。送り主については詳しくは書かれていないが、どうやらプレイヤーはこの送り主とメールで連絡を取り合うようだ。

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メールでは主人公の所属する調査隊本部を始め、雑誌社やリサーチャーなどからさまざまな依頼が随時届く。毎日欠かさずチェックしておきたい。

 このメールで示されたように、最初は、未調査エリアに生息する動物達の確認となる。サバンナで新しい動物を見つけたら、随時写真に撮り、メールで調査隊へ報告しよう。調査隊と連絡を取り合っていくうちに、見つけた動物に関する詳細な依頼が届いたり、新たなエリアの地図や「SAFARIツール」が送られたり、徐々に行動範囲を広げ、さらなる仕事を受ける……といった流れでゲームは進行していく。

 ベースキャンプを出ると、広大なサバンナを車で案内してくれるガイドの“ジェームス”が出迎えてくれる。彼が毎日、日替わりでさまざまな場所へと連れて行ってくれるのだ。最初の行き先は、近くにある「ヒポプール」。ここには文字通り、巨大なカバが生息している。巨体だけに動きも鈍いだろうと思いながら大胆に近づきカメラを構えると、突然カバが大きな口を開けてこちらを威嚇してきた! カバのくせに生意気だ……と思いつつ、その口を狙ってシャッターを切っていると、画面の周りが赤く点滅しているのに気づく。これって、危険を知らせている? と思った瞬間、カバに襲われて画面が暗転。しばらく後に、ベースキャンプのベッドで目を覚ました。どうやら、ものの見事に襲われたらしい。しかも、カメラを確認してみると、先ほど撮影した写真は跡形もなく消えていた。動物に襲われると、苦労して撮った写真は消えてしまうらしい。近づいてベストショットを撮ったはいいものの、その後に襲われると苦労も水の泡となるので無茶は禁物だ。

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巨大なカバが数多く見られるヒポプール。カバは大人しいイメージがあるが、実は近づくととんでもなく危険だというのがよくわかる。ほどほどの距離を保ちながら写真を撮るのがいい。

■コツをつかめば、臆病な相手でも上手に撮影できる ~サバンナシマウマ編・1~

 一度襲われた程度で落ち込んでいる場合ではないので、再び出発。次の行き先は、動物たちが集まるという「アワリ」の水場。到着すると、確かに数多くの野生動物が群がっている。入れ食い状態とはこのことを指すのだろうと思いつつ、まずは手近にいたサバンナシマウマを激写。先ほどカバに襲われた教訓を思い出し、あまり近づかないようにして撮影したのだが、これでは迫力もアングルもイマイチ……。

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臆病な草食動物を相手に写真を撮る時は、あまり近づかないか、行動を読んでどこかの芝陰でひたすら待つのが原則。まずは、離れた場所からズームを利用して撮影しつつ、余裕ができたら「待ち」の勝負にも出てみよう。

 それでも、写真を撮ったことには変わりないので、一旦車まで戻りベースキャンプへと帰還。早速PCを操作すると、自動的に撮影してきた貴重な写真を取り込んでくれた。撮影したシマウマの写真から一番見栄えのよさそうなのを選んでメールに添付し送信すると、返信メールでおもむろに写真のデキに対する評価が下される。動物までの距離が近かったり、アングル的に芸術度が高ければ高評価が得られ、同時に報酬もゲット。もちろん、評価が上がるほど報酬も高くなっていくのだ。報酬については、次の段で説明する。

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依頼主に送る写真を選ぶ時には、1枚ずつ拡大して見られる。実際に、PCでデジカメ写真を選んでいるような操作感で作業ができるのはうれしいところ。

 入手した報酬は、PCで接続できるネットショップでの買い物時に使用することが可能だ。ちなみに、ネットショップには撮影に役立つ望遠レンズや新しいカメラなどの機材が登場する。初期段階でのラインアップは少ないが、ゲームが進むに連れ数多くのアイテムが追加されていく。もちろん、役に立つアイテムほどそれなりのお値段がするので、しっかりミッションをクリアして報酬を稼ぐ必要がある。

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初期段階こそ少ないが、ゲームが進むと望遠レンズやカメラボディなどの、各種アイテムも揃ってくるネットショップ。それまでによい結果を出して報酬をたっぷり稼いでおきたい。

■幸運を味方につけ、ナイスアングルで激写! ~トムソンガゼル編~

 そんなこんなで1日が終了。ベッドに入って眠り、翌日にPCをチェックすると、新たな依頼が書かれたメールが届いていた。今度は、サバンナシマウマの正面からの写真が欲しいとのこと。サクッと撮影するか! と意気込んで外へ出ると、今日の行き先は「アンブレラツリー」だと告げられる。あれ? 水場は? と返すこともできず、そのまま強制的に「アンブレラツリー」へと連れられていくことに。後でわかったことだが、メールを読んだだけではミッションを受けたことにならない。読んだ後に○ボタンを押してミッションを受ける必要がある。でも、移動の途中で“ジェームス”に話しかけられること、車を自由に止めて降りられること、双眼鏡で動物を見たり、走りながらでも写真が撮れること、などの役立つ知識を教わることができた。そして目的地へと到着。

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説明してくれた撮影する時に必要なテクニックなどは、その場で試すことができるので、すぐに実践してみよう。あれこれやっていれば、移動はあっという間だ。

 ここは、群れを形成して暮らすトナカイのような外見のトムソンガゼルが数多く生息する場所らしく、なかなかよい撮影場所だ。しばし、カメラを構えてじっとしてみると、トムソンガゼルの方から近づいてきてくれた。どうやら、こちらが動かなければ警戒しないらしい。目の前を通った瞬間に、すかさずシャッターを切る。これは、かなり迫力のある写真が撮れたはず! 喜び勇んでベースキャンプへ戻り、撮影した写真を見てみると、なかなか良い感じで被写体が写っていた。改心の1枚と思われるものをメールに添付して送信すると、かなりの高評価をゲット。一安心してベッドに潜り込んだ。

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相手は野生動物なだけに、ゲームといえど同じ写真は二度と撮れない。シャッターチャンスを逃さないよう、動物に集中する必要があるのだ。画面内の動物は動きがリアルで、まるで本当に生きているかのようだが、それに気を取られているとチャンスを逃すかも?

■依頼をこなして、データベースを充実させていこう ~サバンナシマウマ編・2~

 きちんとミッションを受けてみると、“ジェームス”はサバンナシマウマがいそうな「アワリの水場」へと連れて行ってくれた。当初の目的どおりサバンナシマウマの正面からの顔を取るべく、車上でカメラをあれこれチェック……していたのはよかったのだが、車で移動中にファインダー越しの風景を見たり、双眼鏡で景色をチェックしていたら、車酔いに近い気分になってしまった。おそらくは、風景や動物などがあまりにもリアルなために、そんな事態に陥ったのだとは思うが……。リアルすぎることが、こんな所にまで影響を及ぼすとは思わなかった。恐るべし、TVの中のアフリカ!

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移動中に、まだ撮影していない動物を探すと効率がいいのだが……筆者は車酔いになってしまった。それだけリアルだということだ。ということは、ファインダー越しじゃなければ、遠くの景色を見ているだけで気分転換にもなるかも?

 車酔いをガマンしながらも、何とか「アワリの水場」へと到着。早速サバンナシマウマを探しに水辺周辺をうろついてみる。すると、幸運なことに前方から一頭のサバンナシマウマが近づいてきた。このあたりに出没する動物は、どれも動いている人間を見つけると逃げてしまう臆病な性格らしいので、カメラを構えたまま被写体を中央に納めつつ、見つからないようにものすごくゆっくり動く。そして粘り強く待つこと数分、ついに目の前でサバンナシマウマが立ち止まり、こちらを向いてくれた。カメラのズームを目一杯までアップし、その瞬間を逃さずにシャッターを切る。さらに、コントローラーを縦に持つとカメラを縦に持つことができ、ポートレート風の写真が撮れるので、ササッと握りを変えて再び撮影した。ただし、縦に持つと手ぶれの危険性が高まるようなので、気軽にチャレンジするものではないようだ。とはいえ、縦向きで写真が撮れれば依頼主からの評価もアップするので、状況に応じて積極的に撮影したいところだ。

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縦写真にすると、アングル面で高評価を得られることが多い。また、手ぶれ対策として枚数を多めに撮っておくのもいいだろう。ただし、ゲームといえどプレイヤーが使うカメラには撮影できる枚数に上限があるので、撮りすぎには注意しておきたい。こんなところまでリアルだ。

 見事にサバンナシマウマを写真に納めたので、その日はベースキャンプへ戻り写真を送信。すると、ほぼすべてにおいて高い評価を得ることができ、おまけに高報酬までもらえた。こうして日々を過ごしながら仕事をこなしていくと移動できる範囲も増え、数多くの動物たちに出会えるようになるのだ。ちなみに、ミッションを遂行しなくても、カメラを構えて動物を気の向くままに撮影し、帰ってくるだけでもOK。サバンナでの1日を、ただ堪能するだけの日々を送ることだってできる。

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ベースキャンプの奥にある壁には、現時点で移動できる場所が書かれた地図が張られている。ここを見れば、どの動物がどこにいたのかがすぐに思い出せるだろう。

 なお、依頼主からの撮影ミッションをクリアした動物は、フィールドガイドと呼ばれる動物たちの生態が詳細に記されたデータ集に自動登録される。ムービーや文章だけでなく、3DCGで表現された精巧なディティールの動物たちをじっくりと観賞できるので、後から詳しく生態をチェックするのに非常に役立つだろう。

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フィールドガイドは全部で10ページあるので、全てを埋められるように頑張りたい。ただし、中には撮影するのがかなり難しい動物もいるので、コンプリートには気合と根性も必要となることをお忘れなく。

■自分なりのSAFARIスタイルを見つけることが醍醐味。何もせずに日々を過ごすことも

 基本的にはメールで届く仕事を受けて、それに応じた撮影をし、メールで依頼主に送るという流れで進んでいく本作。これまでは動物の写真程度しか情報が発表されていなかったので、今回のレビューでどんなゲームなのかが分かってもらえたのではないだろうか。ただし、本作の楽しみ方は、単にミッションをクリアしていくだけではないだろう。ずばり本作の最大の魅力は、あえて目的を達成せず、気ままにアフリカでの毎日を過ごすこともできるという、高すぎる自由度にこそにあるように思える。少なくとも、筆者はそう思う。すべての動物の、あらゆるカットを撮影したり、好きな動物のみを延々と撮影するなど、完全な趣味に走ることもできてしまうし、もちろん、撮影など忘れてアフリカの大自然に身を委ね、美しい風景に感動するのだって自由だ。それゆえ、プレイヤーの遊び方次第では明確なエンディングを設定せずに、ずっとアフリカを堪能し続けることだってできる。だから、1本のゲームをじっくり長期間楽しみたいという人や、都会を忘れて大自然に触れたいと思う人にはピッタリだろう。TVの中に広がる、どこまでもリアルなバーチャルサファリで思いっきり羽を伸ばしてリラックスできれば、明日への活力も出るというものだ。(佐々木潤)

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データ

▼『AFRIKA』
■メーカー:SCE
■対応機種:PS3
■ジャンル:ETC
■発売日:2008年8月28日
■価格:5,980円(税込)
 
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