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2008年9月4日(木)

年末、Xbox 360に実装される新基軸のインターフェースで何が変わるのか?

文:電撃オンライン

 マイクロソフトが9月4日~5日にかけて開催しているカンファレンス「Gamefest Japan 2008」。本日9月4日、Xbox 360の新インターフェース「New Xbox Experience」の説明が行われた。

 「New Xbox Experience」とは、新たな体験を楽しめることをコンセプトにした、Xbox 360本体内の新システム。7月に北米で開催された「The 2008 E3 Media & Business Summit」で発表されたもので、2008年内に全世界でほぼ同時にアップデートが予定されている。細かい機能については、後ほど紹介していく。

「New Xbox Experience」
▲登壇したのは、マイクロソフト ディベロップメントのホーム&エンターテイメント事業部・プラットフォーム開発統括部長の間中信一氏。

 説明に立った間中氏は、まずXboxプラットフォームのこれまでの歩みを説明。2003年1月に日本でオンラインサービス「Xbox LIVE」がスタートして以来、着実にバージョンアップを重ねてきた。特に、Xbox 360が発売された2005年には、氏が「第2世代」と表現するフェーズに突入。コンテンツをオンラインで購入できる「マーケットプレース」、カジュアルゲームのオンライン配信、PCへのLIVEサービスなど、年に2回程度のペースで随時アップデートが行われてきた。

 Xbox LIVEユーザーはワールドワイドで増え続けており、Xbox 360の登場以降は毎年倍々で増加中。こうした中で間中氏は、ユーザーの数も、扱うコンテンツも多くなり、現状の「ブレード」と呼ばれるインターフェースでは、コンテンツを探すのが難しくなっていることを指摘。それを改善するためにインターフェース刷新を検討したという。

「New Xbox Experience」 「New Xbox Experience」
▲画面の左上にある、上下に動く部分は「チャンネル」と呼ばれ、これがブレードに近い役割を果たす。一方で間中氏は、既存の操作体系に慣れた人向けのインターフェースも用意すると話した。▲画面は、ビジュアルを多く使い、「視覚的にたくさんの情報を出す」ことを重視しているそう。画面の切り替えは、かなりサクサク動くとのことだ。

 新インターフェースでは、画面の見た目もさることながら、新機能の追加も派手に行われている。コンテンツサーチ機能や、WebサイトでPC・ケータイからコンテンツを購入できる機能「Windows Marketplace」などを筆頭に、より使いやすくなる仕組みが随所に盛り込まれる予定だ。

 これらの新機能については、11月に開発者向けのXDKが配布される予定とのこと。なお年末のアップデートは、ネットワークにつないでいないスタンドアロンのユーザー向けに、ゲームソフトの中にデータを入れて配布する形式も検討しているという。間中氏によれば、ユーザーテストで「幅広い方から「使いやすい」と言っていただけているので、私どもも期待している」とのことだ。どのようなものになるか、続報を期待しよう。

 ここからは、特にポイントとなる機能をしぼって紹介していく。「The 2008 E3 Media & Business Summit」の時から新たに判明した情報もあるので、ぜひチェックしてほしい。

■メディアインストール

 DVDに入っているゲームのデータを、Xbox 360本体のハードディスクにインストールする機能。インストールすることで、プレイ中にDVDの回転を止めて静音化でき、アクセススピードの向上によりロード時間が平均40%短縮するそう。40%数値を目標として、鋭意テストが進められているという。メディアインストールは間中氏が「一番気に入っている」機能だそうで、これまでに発売された全タイトルでも動くようにする予定だという。

■アバター

「New Xbox Experience」

 自身のタグに紐付いた「アバター」を作成できるアバターシステム。間中氏は、ゲーマーアイコンとタグから一歩踏み込んだ、新たなカスタマイズ要素を提供したいという思いからアバター機能の追加にいたったと説明した。ただし、現在使っているゲーマーアイコンも使えるようにする方針で考えているとのこと。これまでに手に入れたアイコンが無駄になるわけではないようだ。

 このアバターは、時間がない人は簡単に作れるように、かつ、こだわりたい人は細かく作れるように配慮しているそう。年末のサービスイン以降も、どんどん機能を拡張していく予定だ。なお、ゲームの中でアバターを使うことも積極的に考えているようで、そうしたAPIを設計中とのこと。例えば、あるRPGでアバターを主人公にするような「インゲームキャラクター」として使ったり、ランキングやロビーでの分身として表示したりといったことを想定している。

■Xbox LIVE パーティー

「New Xbox Experience」

 最大8人でグループを作り、チャットやゲームなどをグループ単位で楽しめるようにする。ユーザー間のコミュニティを促進するための機能だ。間中氏は「ゲームの待ち合わせや交流の場として使えるように提供する」という。

 例えば、これまでは複数のプレイヤーがあるゲームをオンラインでプレイし終えた後、次のゲームに切り替える際、再度ホスト役が「招待」を全員に送る必要がある。これを、グループ参加者全員がまるごと、ボイスチャットを継続しながら別のタイトルに移動できるようにするそうだ。ディスク入れ替えのたびに招待をかけ直すのは大変なので、実装されると非常に便利になるだろう。

■マーケットプレース

 今秋より、Webブラウズによるコンテンツの購入&ダウンロードが、Xbox.comから可能になる。これで、例えば通勤中にケータイでコンテンツを購入し、自宅に帰ったらすぐにコンテンツをXbox 360からダウンロードして利用する、といったシーンが生まれそうだ。この機能は、もともと日本側から海外の開発チームに打診していたものだそうで、間中氏は「日本のユーザーに気に入っていただけるのではないか」と話す。

 また、コンテンツが増えすぎてしまい、好みのコンテンツを探すことが大変になっている点も改善したいという。そのアプローチとして、状況に応じて利用可能なDLCを表示する「Contextual Guide」や、ユーザーが購入した履歴などに応じてオススメのコンテンツを出せるようにする機能を追加する予定だ。

※コンソール画面は「The 2008 E3 Media & Business Summit」時点のもので、今後デザインなどが変更される可能性がある。

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