2008年11月12日(水)
11月5日に、東京・九段下の日本武道館で開催されたライブイベント「マクロスF ギャラクシーツアーFINAL こんなサービスめったにしないんだからね in ブドーカン☆」のイベントレポートが到着した。
この公演は、通算5回目となるTVアニメ「マクロスF」の大規模ライブイベント。「マクロスF」の音楽を担当する菅野よう子さんのプロデュースのもと開催されたこのイベントには、先行予約に23万件の応募が寄せられ、倍率は20倍を上回ったという。以下に、ライブのレポート&ライブ終了後の出演者コメントを掲載するので、文化してきたファンもそうでないファンも、しっかりチェックしておこう!
ついに、“シェリル”と“ランカ”が日本武道館に立つ日がやって来た。八角形の客席がステージを取り巻き、開演時間が迫ると1万人超の観客で、用意された座席がすべて埋め尽くされた。
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ライブのプロローグは、“ジェフリー”艦長のナレーション。「われわれは兵隊からバンドマンに鞍替えする!」、「PAスタンバイせよ!」、「客電落とせ!」と、ライブの準備が、艦長の号令とともに進められていく。続いて観客に向かって、「復唱せよ、「キラッ☆」」、「復唱せよ、「私の歌を聴けー!」」、「復唱せよ、「抱きしめて、銀河の果てまで!」」と号令が下されると、場内に1万人の復唱が響きわたった。
巨大スクリーンにフォールド空間の映像が浮かび上がり、艦長の「いくぜ、野郎ども!」のかけ声とともにフォールド開始。それに合わせて、カンノヨーコの指揮による「Frontier2059」が鳴りはじめる。約3時間におよぶライブがいよいよスタートした。プロローグの「Frontier2059」が演奏されている間、“シェリル”と“ランカ”は、ステージ上段にひっそりと立っていた。客席に背を向けて、手をつないでいる。「Frontier2059」が終わると響いてきたのは、アカペラのデュエットによる「ダイアモンド クレバス」。歌姫2人のこの日初めての歌声に、歓声が上がった。
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バックバンドは、カンノヨーコのピアノ、そしてギター、ベース、ドラム、マニピュレーターという前回のメンバーに、12人のストリングスと2人のホルン、2人のトランペットが加わった大編成。より厚く豪華になった演奏が、“シェリル”と“ランカ”を後押ししていった。
2曲目の「What’bout My Star?@Formo武道館バージョン」で一気に加速し、そこから、パシフィコ横浜のライブでアンコール前のクライマックスに披露された「トライアングラー」ベースのライブオリジナル・メドレーへ。CDで聴くよりも格段にテンポアップされた楽曲を、2人は息をそろえて歌いこなしていく。
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やがてライブは、“ランカ”のソロ・パートへ。「ニンジーン loves you yeah!」、「アナタノオト」、「私の彼はパイロット」を披露した後、ステージに現れたのは、“アルト”役の中村悠一氏と“ミシェル”役の神谷浩史氏。となれば、7月のライブ同様、「超時空飯店娘々CMソング」のキュートなダンス大会が始まる。そこに“ボビー”役の三宅健太が乱入し、劇中と変わらないオカマ演技に、会場は一気に和むのだった。
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続く“シェリル”のソロ・パートは、“ランカ”がワンコーラス目を歌った「射手座☆午後九時 Don’t be late」からバトンタッチして始まり、「Welcome to My FanClub’s Night」、「ノーザンクロス」と激しい曲を連発。その迫力に、観客は息を飲んだ。2人それぞれのアカペラによる「アイモ」から、ライブはしっとりとした流れに転換。「蒼のエーテル」が“ランカ”が“アルト”に別れを告げた21話の映像と、「ダイアモンド クレバス」が、“ミシェル”の死と“シェリル”のシンガーとしての復活が同時に描かれた20話の映像とともに歌われ、観客の心を切なさで満たした。そしてインストゥルメンタルの「シンクウハイスイ」を挟んで、クライマックスの「娘々サービスメドレー」へと突入。ステージサイドから花道まで駆けめぐって“シェリル”と“ランカ”が躍動し、華麗なフィニッシュを決めた。
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アンコールでは、とにかくサプライズがいっぱい。まずはインストゥルメンタルの「Private Army」でカンノヨーコがアコーディオンを抱えて登場。続く「トライアングラー」では、舞台のセリから坂本真綾さんが飛び出し、場内を驚かせる。アンコール3曲目にして登場した“シェリル”と“ランカ”は、デュエットで「ライオン」、「射手座☆午後九時Don’t be late」、メンバー紹介を含めた「星間飛行」を続けて熱唱。そして、最後の曲となったのが「アナタノオト」。会場一体となって「ドクンドクンドクン」のジェスチャーを繰り返した。スクリーンに映された歌詞とともに「SMS小隊の歌~あの娘はエイリアン」が1万人で大合唱された後、2人はMay’nさん、中島愛さんとして、武道館に立てた感動を語り、観客にメッセージを伝えた。河森正治総監督らメインスタッフや、メインキャスト陣がステージに現れて花束贈呈し、歌姫たちを祝福した。
だが、まだまだライブは終わらない。本編の予告にBGMとして使われた「High School Life」の演奏に乗って、“キャシー”のナレーションが「皆さん、まだいけますか~?」と観客をあおる。すると、ピアノの音色が響き出し、スライドした花道の下からアリーナの中央に、ピアノを弾くカンノヨーコと、その両脇に立つ“シェリル”&“ランカ”が三度現れる。この日の本当の最後の曲は、しっとりとしたデュエットによる「ダイアモンド クレバス」。そして、歌姫2人が退場した後、カンノヨーコの美しいピアノソロが奇跡的な夜を締めたのだった。
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(C)2007 BIGWEST/マクロスF製作委員会・MBS