2008年11月18日(火)
カプコンから、10月30日に発売されたPS3/Xbox 360用ACT『グランド・セフト・オートIV(以下、GTAIV)』。そのプレイレポートを、てけおんがお届けしていく。
まずは本作の基礎知識から。『GTAIV』の主人公は、東ヨーロッパにある戦乱続きの国・セルビア出身の男性“ニコ・ベリック”。ストーリーは、彼がアメリカの都市「リバティーシティ」を訪れたところからスタートする。つらく苦しい体験を経てきた“ニコ”は、アメリカンドリームを夢見てこの国を訪れたのだ。そして見栄を張ってウソばかりつく従兄弟“ローマン・ベリック”をはじめ、この都市に暮らすさまざまな人々とかかわりあいながら、ビッグな男になりあがっていくことになる。
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▲セルビア人の“ニコ”だけでなく、本作にはジャマイカ系アメリカ人や、マフィアを組織するロシア人やアイルランド人らが登場する。理想やプライド、コンプレックスなど、本作のストーリーにはキャラクターそれぞれの思惑が複雑に入り乱れている。 |
発売前から聞こえてきた評判では、広大なマップを自由に移動できる箱庭系ゲームとしてのクオリティの高さや、さまざまなプレイスタイルを許容する自由度の高さに注目する声が多く聞こえてきた。確かにそうしたもののレベルの高さはゲームを少し触っただけでも実感できるのだが、本作の1番のポイントは、なんといっても「アブないアメリカ」を味わえるところにあると感じられた。
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▲銃撃戦やカーチェイスは、アブないアメリカを端的にあらわしている好例と言えるだろう。 |
もちろんこれは、てけおんが日本人だから感じることで、アメリカやヨーロッパのユーザーとは着目点が異なっていることだろう。しかし、このゲームをプレイして感じたおもしろさは、例えばアメリカのカーアクション映画「60セカンズ」にあるようなドキドキ感、ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画「アドレナリン」のような破天荒っぷりやスピード感に通じるものがあるのは確かだろう。そういえばオープニングに出てきた大きなダイヤは、同じくJ・ステイサム主演の群像劇映画「スナッチ」(※これはイギリス映画だが)の一場面を思い起こさせるものがあった。
わかりやすく(?)映画を例に挙げてみたが、要するに本作には、さまざまな作品を通じて確立したてけおんの「アブないアメリカ観」をビンビンに刺激してくる説得力がある。それは、作品内でキャラクターを通して触れる車や銃器などのオブジェクトからも感じられるし、成功を夢見てアメリカへやってきた主人公が、地域格差や民族対立に揺れる東欧出身であるなどといった背景(そして彼を取り巻く状況)からも感じることができる。
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▲さまざまな人間とかかわっていく主人公だが、時として人を殺すか見逃すかといった選択を迫られることも。もちろん後のストーリー展開に影響を及ぼすものも……。 |
と、あまりレビューっぽいテキストではなくなってしまったが、結局このゲームはどういう人にオススメなのか? この作品の楽しみ方を熟知しているシリーズファンに、いまさらオススメするのも野暮というものであろうから置いておくとして、アメリカらしさを堪能したい人、そして意外とシリーズ初心者こそ楽しめる1本なのでは、と感じられた。主人公が「移民」――すなわち「アメリカ初心者」という点も、とっつきやすさに一役買っているのかもしれない。クセの強いシリーズだけに、敬遠している人もいるかもしれないが、そういう人もまずは公式サイトで各種ムービーをご覧になってみてはいかがだろうか?
めずらしく2回に分けてお届けすることになった『グランド・セフト・オートIV』。次回は、もうちょっとプレイに即したレビューをお届けしていく予定となっている。具体的にどんなゲームなのか知りたい人は、次回をお楽しみに!
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