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2008年11月18日(火)

世界一のコンテンツ創発を目指して――コーエーテクモHD、09年4月に始動

文:電撃オンライン

 本日11月18日、テクモとコーエーは、経営統合のため2009年4月1日に「コーエーテクモホールディングス株式会社(以下、コーエーテクモHD)」を設立することで合意した。設立には、2009年1月26日に開催が予定されている両社臨時株主総会での承認が必要となる。

 9月4日のニュースでコーエーとテクモが経営統合に向けた協議を行っていることが明らかになったが、それから2カ月、本日の決定により経営統合の動きが一気に加速することになる。


コーエーテクモHD
▲本日、都内で行われた記者会見に出席した4名。左から、コーエー常務執行役員管理本部長・浅野健二郎氏、同代表取締役社長・松原健二氏。テクモ代表取締役会長兼社長・柿原康晴氏、同常務執行役員・阪口一芳氏。

 コーエーテクモHDは「シンプルな組織で始める(松原氏)」そうで、経営企画部や財務部、総務部を取締役会が統括、監査役会を置くだけの体制になる予定。コーエーテクモHDの直下に株式会社コーエーとテクモ株式会社が付く形になる。

 役員体制は、柿原氏が代表取締役会長に、松原氏が代表取締役社長になる予定。取締役として阪口氏と、コーエーファウンダー取締役最高顧問の襟川陽一氏、同ファウンダー取締役名誉会長の襟川恵子氏が就く予定となっている。

 コーエー、テクモ両社の株主が持つ株式は4月1日に移転が行われ、コーエーテクモHDの株になる。交換比率はコーエーとコーエーテクモHDが1:1、テクモとコーエーテクモHDが1:0.9。コーエーテクモHDの単元株数は100となる。質疑応答で交換比率について問われた松原氏は「公正に決めたもので、両方の株主にご理解いただけるのでは」とした。

コーエーテクモHD コーエーテクモHD

 両社は経営統合後の戦略として、6つの事業に注力するとしている。ゲームソフト、オンライン、モバイル、メディアライツ、パチンコ・パチスロ、アミューズメント関連がそれだ。これらを通じて、2011年度に連結売上高700億円以上、営業利益160億円以上、経常利益210億円以上の達成を目指すとしている。2007年度決算におけるコーエー・テクモ両社の単純合算では411億円、84億円、121億円となっており、引き続き成長路線を継続する計画だ。

 質疑応答では、元テクモのクリエイター・板垣伴信氏と何か行うかといった質問も。松原氏は「ありません」と即座に否定した。

 記者が会見を見た限り、「(経営統合による)具体的なシナジーは両社で相談しながら(阪口氏)」との言葉通り、経営統合後のビジョンは現時点でまだはっきりと提示されていない。ただ、インフラや開発ノウハウの共有化・効率化といった「進めやすい」部分から順次、手をつけていく戦略のように見受けられた。

 「創造と貢献」を経営理念として、世界一のエンターテインメントコンテンツ創発を目指すとするコーエーテクモHD。今後どのようなコンテンツが生まれてくるのか期待したいところだ。

コーエーテクモHD

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