2009年2月13日(金)

4人で呂布を倒した達成感は忘れられない! 『真・三國無双 MR』のおもしろさ

文:電撃オンライン

 2月26日発売のPSP用ソフト『真・三國無双 MULTI RAID』の先行体験会が、東京・秋葉原のラオックス アソビットゲームシティで2月11日に実施されました。ここでは、コーエーの歴史SLGを教科書代わりに育った歴史オタクのキャナ☆メンが、プレイレポートをお届けします。

『真・三國無双 MULTI RAID』

 本作は、『無双』シリーズを開発してきたコーエーのω-Force(オメガフォース)が、一騎当千ではなく仲間との協力プレイに重きを置いて制作した、新しいスタイルの『無双』となっています。システム面においても、無双ゲージの代わりに導入された覚醒ゲージをためて武将が変身をする“真・無双覚醒”が最大の変化・特徴です。覚醒した武将は、人間離れした姿と強さを手に入れて大幅にパワーアップ。攻撃力・防御力だけでなく、ジャンプの回数もアップして、強力な必殺技“無双乱舞”も使えるようになり、大幅にアクションの幅が広がります。

 その他にも、アクションを強化する装備アイテム“武幻”、武器を強化する“戦玉”、都市の育成要素など、やり込みもできる遊び要素満載ですが、それはおいおい実際のプレイを通じて触れていきたいと思います。

■地上と空中をあわせた戦術がキモ!

 上で要素はおいおい……と書いた直後になんですが、細かいことはさておいて、実際にクエストをプレイした感想からいきたいと思います。ちなみに、“クエスト”と今書きました。本作はこれまでの『無双』と違い、都市で戦いの準備を行い、クエストを受けることでゲームを進めていくのです。RPGっぽいゲームの流れだと思ってくださると、わかりやすいかもしれません。

 戦場に出てまず感じたのが、これまでの『無双』と比べてキャラクターが軽いこと。ここで書く軽いとは、アクションゲームには必ずある、実際に自分が操作してみて伝わるキャラの重量感です。ここに空中ダッシュ、空中ジャンプの加わった本作では、立体空間を駆使した浮遊感のあるアクション操作が気持ちいいです。ステージにも、従来の『無双』にはなかったような高低差のあるギミックが多数配置されているので、戦術の幅が広い空間戦闘ができるようになっていると感じました。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』
▲真・無双覚醒で変身すると、ジャンプできる回数が増えるので、滞空時間の長さはほとんど飛んでいる感覚。特定のキャラや武幻によってはそもそも飛べるので、従来の『無双』は平面で戦術を考えればよかったですが、本作は立体的に戦術を考える必要があるかと。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』
▲とあるクエストのボス敵・辟邪(ヘキジャ)は、キャラと比べてこんなに大きく、ダメージを与えられる顔の部分はとても高いところに。空中ダッシュや高所を利用した戦いが、攻略のカギでしたね。

■自分を育てる! 都市を育てる!

 クエストを終了すると、練成素材とお金がもらえます。もらえる練成素材は、クエストの勝利目標、特殊目標を達成することでクエストごとに決められたものが、マップ上の宝石のようなアイテムを取ることでランダムのものが入手できます。この練成素材とお金を使って、都市で武器や武幻、武器に装着して強化する戦玉が作成できます。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』
▲キャラごとに決められたメイン武器の中から、強いものを作成するのがまず基本ですが、セカンド武器は好きなものを携帯できるので、いろいろな武器を作る楽しみがありそうです。

 武幻や戦玉についてもう少し筆を割こうと思います。武幻は、回復アイテムの効果が仲間全体に広がったり、ジャンプの回数が1回増えたりといったものから、覚醒時のみ仲間全体の攻撃力を上げるようなものまで、主に立ち回りに関する戦い方の幅を広げるような特殊効果を得られるものが豊富に用意されていました。メイン武器とセカンド武器だけでなく、武幻によっても回復役、支援役、盾役など、キャラの役割が変わると感じましたね。

 戦玉は、攻撃力を上げたり防御力を上げたり、基本能力を底上げするものや、武器に属性を付けるといった攻撃に関わる効果が得られます。弓に水属性が付く戦玉を付ければ、後方から敵を撃って凍らせ、前衛の仲間を援護するといった連係プレイも可能。戦玉は、上手く立ち回った後、有効なダメージを与えるための補助アイテムといった印象でした。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』
▲レベルを上げればキャラの個性ごとに成長していきますが、プレイヤーの味付けは、セカンド武器、武幻、戦玉の選択から始まります。さらに武器は、気、力、技の3スタイルから好きなものを選ぶことで、性能を変えることも。プレイヤーがカスタマイズできる部分は非常に多いです。

 それと練成素材の利用法として見逃せないのが、都市の育成。ゲーム中で名前のある武将に出会うと、武将カードというものがもらえるのですが、このカードをセットすることで(最大で5枚まで)、クエスト終了後に都市の施設の経験値のようなものが上昇するのです。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』

 しかも、武将カードごとに経験値の入る施設が異なり、所属勢力や武将タイプ、陰陽五行のタイプが設定されていて、同じタイプのカードが3枚そろうと特殊効果によって都市の育成効果が上昇! あれこれ考えながらカードを組み合わせるのがとても楽しかったです。どこか歴史SLG『三國志』の内政を行っているような感じもあり、懐かしくもカードゲームの楽しさがある、個人的にイチオシのシステムですよ。

■シリーズ最強キャラ・呂布に挑む!

 ちなみにこの日は、コーエーのスタッフさん、電撃オンラインのりえぽん、一般のユーザーさんと一緒にプレイをしていました。「おもしろいですね」と語るユーザーさんが、積極的に質問しているのを聞いていたら、シリーズ最強キャラ・呂布の話題が。たまらず、「呂布を見にいきませんか?」と提案したところ、「じゃあ行きましょうか!」とスタッフさんが快諾してくれたので、4人で呂布討伐に行ってまいりました!

 プレイしたのは、シリーズファン、三国志ファンには有名な虎牢関の戦いをモチーフにしたクエストです。目的は、ステージボスの辟邪(ヘキジャ)を倒すことですが、そいつの頭の上に呂布が仁王立ち。かたわらには貂蝉(ちょうせん)や張リョウ(ちょうりょう)も当然います。ちなみにボスエリアまではたいした障害はありません。4人なら楽勝でしょう。

 ちなみにマルチプレイは、最初それぞれが好き勝手戦ってもいいですが、慣れるとだんだんと役割をこなすのが楽しくなっていきます。ワタクシは回復アイテムの効果が全体におよぶ武幻を付け、周囲を回復しつつメイン武器の弓で攻撃しておりました。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』
▲それとセカンド武器は、何を選ぶか結構重要です。メイン武器が弓だったワタクシは、剣をセカンド武器にして接近戦にも対応。その逆もありですし、セカンド武器のチョイスは仲間と相談するのもいいかと思います。

 いざボスと対峙したワタクシたちですが、『無双』シリーズをプレイしているというユーザーさん、果敢に呂布に挑みます! かくいうワタクシも、ボスを無視して貂蝉とタイマン。距離を取りつつ弓で攻撃していると、なんと相手も覚醒を使って変身しました! 当然といえば当然なのですが、自分で使うと敵を圧倒できる覚醒も、相手が使うと厄介です。こちらからは、まるで自在に宙を飛び回るように人間離れした動きを見せるようになった貂蝉。その立体的な動きに、敵を見失うこともしばしば。

 とはいえ、横からは「呂布つえ~!」、「辟邪つえ~!」という声が聞こえてくるので、さっさと倒さねばと思い、こっちも覚醒しました。「向こうが飛ぶならこっちも高く飛ぶまで!」と、3段ジャンプと空中ダッシュを駆使して貂蝉と渡り合います。じりじりと追い込みつつ、無双乱舞でとどめ!

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』
▲ちなみに覚醒ゲージはすぐにたまるので、真・無双覚醒は頻繁に発動してもさほど問題ないと感じました。むしろたまったらすぐ覚醒、くらいの勢いで使った方が早くクエストがクリアできるかもしれません。

 貂蝉を倒してからすぐ、辟邪の残り体力もだいぶ少なくなってきたころ、ふと呂布の体力ゲージも見てみると赤い部分が半分ほどに。ってユーザーさん、「呂布つえ~!」と何度も言っていたわりにすごく強いです。これは報いねばなるまいと思い、「呂布を倒しましょう!」と皆でいっせいに呂布を攻撃。ほどなく覚醒状態になった呂布は、こちらの覚醒を解除してくるなど、さすがの強さを見せ付けてくれましたが、ユーザーさんのねばりのおかげで見事撤退させました! この達成感、やばいですよ。

■『無双』らしいやり込み要素

 ここまで読んでいただくと、本作がこれまでの『無双』とだいぶ異なることがおわかりいただけたと思いますが、その反面「ここは『無双』だ」と思う部分もあったと思います。ワタクシの感想を述べると、戦術がカギを握る戦いは『無双』らしいと思いつつも、他の人と一緒にプレイする楽しさは文句なくシリーズNo.1です。

 あと最後に皆さんにお伝えしておきたいのが、ワタクシが本作最大のやり込み要素と思っている“転生”。ゲーム開始時点では、数多くいる武将のうち1人を選択してプレイをすることになるのですが、ゲームを進めていくと、その時に選ばなかった武将が操作キャラとして選択できるようになっていきます。転生は、操作キャラを切り替えて新たな武将をレベル1から育てていくシステムです。新しい武将で遊ぶ際には、アイテム一式や武将カードをすべて引き継げますし、もとの武将を再選択すればレベルの続きからプレイを再開できます。

『真・三國無双 MULTI RAID』 『真・三國無双 MULTI RAID』

 いってみれば、これまでの『無双』シリーズと同様、ゲームを進めることで操作キャラが増え、好きな武将を育成するという“『無双』シリーズのお約束”です。武器や武幻、戦玉のコレクション要素もやり込みとして十分歯ごたえあるでしょうが、『無双』はやはりキャラを片っ端から育てるのが一番のやり込みでしょう。

 実は、ワタクシもプレイするまでは「あのゲームと似てるんじゃない?」とか、「なんで変身するの!?」とか思っていました。でもプレイすると、『真・三國無双 MULTI RAID』だけの楽しさがあり、『無双』の本質は変わらないまま楽しめる、ということがわかります。ワタクシと同じように考えていた方は、17日より配信の体験版を友だちと一緒にプレイしていただくと、目からウロコになること請け合いです。お試しあれ。

データ

▼『真・三國無双 MULTI RAID』
■メーカー:コーエー
■対応機種:PSP
■ジャンル:ACT
■発売日:2009年2月26日
■価格:5,040円(税込)
 
■『真・三國無双 MULTI RAID』の購入はこちら
Amazon
▼『『真・三國無双 MULTI RAID』with PSP (PlayStation Portable)』
■メーカー:コーエー
■対応機種:PSP
■ジャンル:ACT
■発売日:2009年2月26日
■価格:24,840円(税込)
 
■『『真・三國無双 MULTI RAID』with PSP (PlayStation Portable)』の購入はこちら
Amazon

関連サイト