2009年2月26日(木)
コロムビアミュージックエンタテインメントが3月4日に発売するCD『THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 02』。その参加声優に、CDについてのお話を伺った。
『THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL』は、バンダイナムコゲームスの『アイドルマスター』に関連する音楽&トークCDのシリーズ。第2弾の『02』では、秋月律子(CV:若林直美さん)と双海亜美・真美(CV:下田麻美さん)が出演している。収録内容は以下の通り。
■『THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 02』トラック |
今回、若林さんと下田さんに取材を敢行。楽曲の感想や収録の苦労話、名プロデューサー・若林さんの『アイドルマスターSP』プレイぶりなど、さまざまな話題が飛び出した。特別ゲストとして、バンダイナムコゲームスのサウンドクリエイター・中川浩二さんも会話に飛び込み!? 4日に発売される予定の『02』を聴きながら、あわせて読んでいただくと、より楽しめるだろう。
▲下田さん(左)と若林さん(右)。 |
若林直美さん(以下、若林) 律子の曲は、『魔法をかけて!』や『いっぱいいっぱい』など、カワイイ系のものが続いてきました。どちらかといえば彼女は、外面は強気なところを出しているんですけれども、内面は乙女チックな、そんな歌を歌うことが多かったんです。でも『livE』では、外に見せている強気な自分と、後ろに隠れている弱い、切ない自分を出していると。律子として、今までにないカラーが出ています。ジャケットの律子の、背中がガバッと開いた色っぽい感じの律子といえるかもしれないですね。
この曲では、後ろ向きだけど前に進んでいこうとしている律子が出ていると思います。実は歌うとき、号泣しながらだったんですよ。仮歌でいただいた時から勝手に自分でイメージを作っていて、歌詞がダークだったこともあり、すっごくネガティブなイメージで本番に臨んだんです。で、オケ(曲)を聴いたら心にガーン! ってきちゃいまして。仮歌とのギャップがすごく、自分の中で対応できずに「もうダメだーあたしこんなの歌えないー」って、すごいネガティブになっちゃったんです。ですから、1番の途中まで泣き声気味なんですよ。声が「ん、ん」ってなっているところはビブラートを効かせているわけではなく、ただ涙で震えてる……みたいな。
それと、私はリズムを取るのが苦手で、ラップも苦手なんです。で、詞はyuraさん(yura Dark名義)が書いているんですけど、『It’s Show』に続いてまた“ユラップ”(編注:yura+ラップ)が来たよ! と(笑)。曲の最後の盛り上がるところは(現場で収録しながら)yuraさんに歌っていただいたりしつつ、あんなふうにカッコよく完成させることができました。
この曲で、しっとりとしたイメージで全部出し切らず、壁があるんだけど出ようとしている、そんな歌の表現ができるようになったのかなと実感しています。あの時(収録時)に出た感情が、今改めて聴いてみても曲に乗っているので、いい曲になったと思っています。皆さんに気に入っていただけたらと思います。
▲お2人とも鳥取県出身ということで、同県のマスコット・トリピーと、銘菓の打吹公園だんごをアピール。ちなみに下田流の食べ方(?)は、白あん、抹茶、普通の団子のうち「普通の団子が好きなので、普通の団子が一番下に付いている串を取る」だそう。 |
下田麻美さん(以下、下田) 多くの曲は、大体一度聴いていただけると、どういうジャンルの曲かわかるものなのですが、この曲は……よくわかりません(笑)。あえて言うならフュージョン? クロスオーバー? いずれにせよ、ちょっと玄人が使うようなジャンルの曲だと。私自身、挑戦したことがないジャンルの曲だったので、私自身、仮歌を聴いた時に「本当に歌えるのか?」と不安がこみ上げてきました。
それとこの曲、歌詞を見ないで聴いていただくと、何と言っているのかわからないのではないでしょうか。ですので、一度聴いていただいたら、歌詞をチェックした方がいいかもしれません。ただ、歌詞の言葉の意味が難しく、わからないものが多く、初めて見るような漢字すらありまして。当初、歌う以上は言葉の意味を調べた方がいいだろうなと、辞書を引いていたんです。でも途中でやめました……なぜならこんな難しい言葉、亜美・真美がわかるわけないぞ! と開き直りまして(一同笑)。亜美や真美は、言葉の意味よりも“言葉のわからなさにある印象”を大事にするのでは、と思ったんです。
私の頭の中の設定では、きっと亜美・真美はプロデューサーさんに読み仮名を振ってもらって、“感応(かんのう)”を「んっふっふ~~」(編注:官能の意味)だと勘違いするんじゃないかと(笑)。そうした点で、亜美・真美の言葉遊びが豊富に含まれている曲ですね。それとこの曲は、歌うことがすごく難しいんです。覚えるのは難しいとは思うのですが、これを聴いていただく皆さんも、ぜひ覚えていただければうれしいですね。
収録の時は、漢字をくり返して歌うところでリズムを取るのが大変でした。こんな、こんなポーズをしながら(と体をくねらせる)歌っていました(笑)。亜美・真美は『ポジティブ!』を筆頭に、かわいらしく元気でポップなアイドルソングを歌ってきた、と認知されていると思うので、『黎明スターライン』では『スタ→トスタ→』と同様にド肝を抜かれるんじゃないかと思います。皆様の反応が非常に楽しみな曲です。
中川浩二さん(以下、中川) なぜこんな曲になったかというと(下田:私を困らせてやろうってことですか!?)いやいやいや、やはり亜美・真美が持つ“新しいものを生み出す力”と、下田さん――つまり亜美・真美の歌との掛け算ですね。『黎明スターライン』は、これまでの『アイドルマスター』にはない曲で、リズムも、歌うのもすごく難しいんですけれども、そこを亜美・真美の力で昇華させたいという思いがあったんです。亜美・真美によって、この曲の価値が高まったと思っています。
▲特別ゲストとしてトークに参加した中川さん。実は「見に来ただけ」だったそうなのだが、若林さんと下田さんによってトークに巻き込まれていく。 |
(C)窪岡俊之 (C)NBGI
■『THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 02』トラック