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2009年4月11日(土)

世界観を大事に――『BASARA バトルヒーローズ』挿入歌を歌うOLIVIAに迫る

文:電撃オンライン

 カプコンから4月9日に発売されるPSP用ACT『戦国BASARA バトルヒーローズ』。その挿入歌『Sailing free』を歌うOLIVIAさんにインタビューを行った。

 OLIVIAさんは、天性のハイトーンボイスと、ドリーミーな楽曲&歌詞を制作することで人気のシンガーソングライター。2006年に放送されたTVアニメ『NANA』では、芹澤レイラの歌唱キャストとして活躍した。その創造力は音楽のみにとどまらず、イラストレーションや洋服作りなど、幅広いジャンルで表現し続けている。

 『戦国BASARA バトルヒーローズ』の合戦クライマックスで流れ、バトルをより熱く盛り上げる楽曲『Sailing free』は、元LUNA SEAのギタリスト・INORANさんとOLIVIAさんの共作。CDは4月15日に発売され、オリジナル家紋ステッカーなどを封入したBASARA盤と、映像特典を収録したOLIVIA盤の2種類が存在する。

左がBASARA盤のジャケットで、右がOLIVIA盤のジャケット。BASARA盤のイラストは、キャラクターデザイナー・土林誠さんの描き下ろしだ。

 以下に掲載するインタビューでは、OLIVIAさんが音楽にふれることになったきっかけや、INORANさんと共作することになった経緯、そして楽曲の聴きどころについて語ってもらった。OLIVIAさんのファンだけでなく、『戦国BASARA』シリーズのファンもぜひチェックしてもらいたい。

――OLIVIAさんが、最初に音楽にふれたきっかけはどういったものだったのでしょうか?

 両親がよく音楽を聴いていまして。クラシックギターをお父さんが弾いていて、いろいろな音楽を聴いている環境で育ちました。私が最初に音楽を好きだと感じたのは、TVでミュージカルの映像を見て感動した時ですね。それからは、学校のお祭りの音楽イベントに参加するようになりましたし、中学生の時にはコーラスグループに所属し、高校ではミュージカルに参加するようになりました。

――一番最初に好きになったアーティストは?

 小学校に入るか入らないの時にオリビア・ニュートンジョンを好きになりました。理由は、オリビアという名前が同じだったので(笑)。

――OLIVIAさんは、沖縄で生まれ、アメリカで育ち、沖縄に帰ってくるという経歴をお持ちですが、どのような学生生活を贈っていたのでしょうか?

 沖縄で生まれた後、小学6年から中学3年の間をアメリカの学校で生活して、中学3年で沖縄の学校に戻ってきたんですね。戻ってきた時は、カタカナとひらがながちょっとわかるくらいで、日本語があまりできませんでした。運動は好きだったので、サッカーやソフトボール、バスケットなどを友だちとやっていましたね。音楽的な活動では、コーラスグループとダンススクールに所属していました。

――かなり活発だったんですね(笑)。

 全然女性らしくなかったです。片づけや料理はほとんどしませんでした。今考えると、お母さんにはちょっと悪かったなあって(笑)。妹と弟の3人でいつも外に遊びに行っていました。でも、高校時代はお父さんが厳しかったんです。早い時間に帰ってこなきゃいけなかったので、他の人が遅くまで遊んでいるのが、うらやましかったですね。

――日本に戻ってきて、ギャップを感じたことや驚いたことはありませんでしたか?

 ビックリすることだらけでした。私たちが住んでいたノースカロライナ州は、黒人の文化がすごく発達していたんです。音楽といえばHIP HOPやR&B。沖縄に戻って来た時、バスケットのユニフォームを着て、変わった髪形をしていたので、すごい目で見られましたね(笑)。しゃべり方や音楽も、これまで知らなかったものが自分の中に入ってきて、すごく興奮しました。その時に、友だちからグリーン・デイやオフスプリング、ニルヴァーナというバンドの音楽を聴かせてもらい、R&B以外の音楽にふれるきっかけとなったんです。

――バンドの音楽にふれ、音楽へのかかわり方に変化などはあったのでしょうか?

 今、ロックが好きになったのは、その時の経験があるからだと思いますが、当時、大きな変化はありませんでした。沖縄に戻ってきた時に、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』のオーディションがあったんですよ。すぐに受けたんですが、やりかったパートに受からなかったんですね。それでダンススクールに通うようになって、ダンスレッスンをしたり、歌いながら踊る練習をしました。そしてTV番組に出るようになって、東京に来ました。

――プロとして活動していきたいと考えたのはいつごろですか?

 実はそんなに意識したことはなかったんですよ。16歳の時にデビューしたんですが、歌手になりたいという意思がしっかりあったわけではなくて、ダンススクールにいたら自然にデビューして、東京に来ていたという。その後で、給料を初めて受け取った時に仕事として活動していることに驚いたという感じです。まだ子どもだったので、仕事意識がなかったんだと思います。

――歌う時やレコーディングの時は、どのようなことを考えていますか?

 普通は曲のベースとなる場面を思いながら歌うんですが、そこにメンバーの気持ちやお客さんの気持ちをくみ取りながら歌うというイメージです。でも本当は、何も考えずに歌うのがいいと思います。

――今回発売される曲『Sailing free』はINORANさんとの共作ですが、どういったきっかけで作品を作ることになったか教えてください。

 私は昔から彼の作る音が好きで、コラボレーションしたいという気持ちがあったんですね。そしたら、彼も同じことを考えていたみたいなんですよ。ある時、仕事上の知り合いだった人が「INORANさんと共作してみたくない?」って言ってくれたので、「ぜひ!」とお願いしました。

――実際にお会いしてどうでしたか?

 すごく優しくて、しっかりした人でした!

――共作する上で苦労したこともあったのでは?

 それが、苦労はなかったんですよ。その代わりゲームのタイアップ曲になるということで、世界観を近付けることに気を配りました。

――クリエイターサイドから、要望はあったのでしょうか?

 『戦国BASARA バトルヒーローズ』の小林裕幸プロデューサーが私の歌を聞いて、指名してくれたんですね。小林プロデューサーからは、「ボーカルを力強い感じにしてほしい」ということや、「ビートを感じられるような曲にしてください」という指示をもらいました。

――ゲーム中で流れているのを聞いたのですが、プレイヤーの気持ちをかき立てるような熱い楽曲だと感じました。

 ありがとうございます! ゲームで流れた時にマッチするかを気にして作ったので、そう言ってもらえるとうれしいです。

――『Sailing free』の中で気に入っているところを教えてください。

 INORANさんのギターが好きですね。Aメロの後ろで流れているギターの音が特に好きです。メロディラインだと、曲の最後の「Sailing sailing free free free」というところが好きですね。実は、エンジニアさんがディレイのタイミングを間違えてしまったんですが、それが逆によかったので採用されたという秘話があります。

――OLIVIA盤とBASARA盤の2種類が発売されます。OLIVIA盤には、ボーナスムービーが付属するとか?

 はい。私が企画、撮影、編集をやっている映像『OLIVIA’s Short Movie -Making of ZAPPER-』を収録しています。映像の中では、ザップしている瞬間を見てほしいです。セッティングなども細かくかなり頑張って作りました。

――『戦国BASARA バトルヒーローズ』は、日本の戦国時代を舞台にしたゲームで、最近は歴史に興味を持つ女性“歴女”と呼ばれる人が増えているのですが、OLIVIAさんは歴史に興味ありますか?

 ありますあります! 実は、私のお父さんが高校で先生をやっていて、それで歴史についてよく語るんですよ。以前の私はあまりの長さに眠くなっていたんですが、最近はちょっと勉強しないとダメだと思っています(笑)。教育はアメリカンスクールだったので、日本の歴史は特に勉強したいです。

――今後、取り組んでみたいことや、挑戦してみたい音楽などありましたらお聞かせください。

 OLIVIA盤のボーナスムービーも作ったんですが、今は映像をイジるのにハマっています。音楽でやってみたいことはあるんですが……まだ言えないんです、ゴメンなさい。

――なるほど。音楽制作以外にも、服を制作したり、Webデザインもされたりするとのことですが?

 ものづくりが好きなので、たまに変わったものを作ります。遊びでやっているような感じですね。変な帽子とか、ぬいぐるみを作ったりしています。目標として、絵がうまくなりたいですね。

――4月11日の15:00~16:15には、FM NACK5の人気番組『Oh!JaMa』の公開録音に登場し、アコースティックライブを披露するそうですが、現在の心境はいかがですか?

 これまで一緒にやってきたギタリストさんと、これから活動していくギタリストさんが共演するんで、どういうステージになるか楽しみです。リハーサルがあるので、そこでサウンドを確認したいですね。でも、どうゆうライブになるのかまだわからないので、不安もあります。

――では最後にCD発売を楽しみにしている人、ゲームを通して楽曲を聴くユーザーへメッセージをお願いします。

 今後、おもしろいライブをたくさんやる予定です。もし、私の曲に興味を持ってくださったら、ぜひ遊びにきてください。あとはアルバムを作っているので、こちらも期待してください。

「おもしろいライブを多数やる予定」と話していたOLIVIAさん。『Oh!JaMa』の公開録音に出演した後は、新宿のタワーレコードで4月30日にインストアライブをする予定。CD購入者にはジャケットにサインもする予定ということだ。

(C)CAPCOM CO., LTD. 2009 ALL RIGHTS RESERVED.

データ

▼『Sailing free』
■レーベル:カッティング・エッジ
■品番:BASARA盤 CTCR-40288/OLIVIA盤 CTCR-40289
■発売日:2009年4月15日
■価格:各1,800円(税込)
 
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▼『戦国BASARA バトルヒーローズ』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PSP
■ジャンル:ACT
■発売日:2009年4月9日
■価格:5,490円(税込)
 
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