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2009年7月15日(水)

この夏公開のアニメ映画『サマーウォーズ』完成披露試写会の模様をレポ!

文:電撃オンライン

 8月1日から公開されるアニメ映画『サマーウォーズ』の完成披露試写会が、7月7日に東京・新宿のバルト9で行われた。

 『サマーウォーズ』は、突然沸き起こった世界崩壊の危機に、とある大家族が立ち向かうアクション映画。監督は細田守さん、キャラクターデザインは貞本義行さん、脚本は奥寺佐渡子さんと、『時をかける少女』のスタッフが再び集結し製作を手掛けている。

 7月7日に行われた完成披露試写会には、小磯健二役の神木隆之介さん、篠原夏希役の桜庭ななみさん、陣内栄役の富司純子さん、そして細田監督が出演。本作への想いなどを語った。本作が戦国武将・真田幸村の出身地である長野県上田市を舞台にしていることもあり、真田軍の皆さんが応援に駆けつけ、試写会を盛り上げていた。

『サマーウォーズ』 『サマーウォーズ』
▲こちらが真田軍の皆さん。“いざ、出陣!!”、“サマーウォーズ”と書かれた旗を掲げ、荒々しい太鼓の音とともに登場した。▲左から、富司さん、神木さん、桜庭さん、細田監督。当日が七夕ということもあり、4人とも涼しげな浴衣姿を披露していた。

 登壇した出演者たちは、「この映画は、これまでこの映画に携わってきた人たちの自信作になっていると思います。諦めない気持ちや人を守る大切さなど、いろいろなメッセージが込められているので、ぜひ受け取ってもらえればと思います(神木さん)」、「夏希に声を吹き込ませていただけて、すごくうれしかったです。一生懸命頑張ったので、それが伝わればうれしいです(桜庭さん)」、「声を動画に入れていくのは初めてだったので戸惑ったんですけれども、若い役者さんに助けられました。ストーリーも絵もすべてがパーフェクトで、こんなすばらしい映画に参加させていただけたことを感謝しています(富司さん)」、「製作に3年掛かったんですが、先日初号試写を終えまして、手ごたえを感じました。スタッフみんなが家族のように少しずつ力を出し合って1つのものを勝ち取るといった、作っている側が映画の内容と少し被るような気持ちになりました。1時間54分4秒8コマの映画になりましたので、最後の1コマまで楽しんでください(細田監督)」と、それぞれ作品への想いを語っていた。その後は司会者によるインタビューが行われた。その模様をお伝えする。

――まず神木さんにお聞きします。役作りはいかがでしたか?

神木さん:健二くんは普通の男の子なので、その“普通”っぽさをどう表現するのかというところを考えましたね。人それぞれの“普通”があるんですが、自分自身の“普通”を健二くんに生かそうと思いました。たとえば劇中では、ご親戚の皆さんには恐縮した態度になるんですが、同級生の男の子と話す時は気軽に話すという違いを出しています。そういうところも見ていただきたいなと思います。

――共演した桜庭さんはどうでした?

神木さん:いつも“ななみ先輩”って呼んでいます。ななみ先輩は最初は何もしゃべれなくて緊張していたんですけど、撮影2日目から打ち解けてきました。話していると、ちょっと天然な部分もあるのかなー……って思うんですけど、でもそこが話していて楽しく、現場では癒しキャラというポジションですね。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

神木さん:声優のお仕事は、基本1人で声をあてていくものなんですが、今回は出演者全員で集まって一斉に声をあてました。大勢で一緒に声を録るのは初めての体験でしたね。ベテランの方もいて緊張したんですが、現場もアットホームな感じだったので、そういう温かい家族のような雰囲気が、リアルに映画にも表現されているかなと思います。

――続けて、桜庭さんにお聞きします。桜庭さんは、アフレコ初挑戦だということでしたが……。

桜庭さん:そうですね。どのマイクの前に立って、どの距離で話せばいいのか、本当に何もわかりませんでした。絵があるので、その口に声を合わせるのも難しかったですね。大変だったんですけど、周りの人が本当に優しくて、やり方を教えてくださったりしたので、本当に楽しい現場でした。

――共演した富司さんはどうでしたか?

桜庭さん:お芝居を見せていただいて、本当に勉強になりました。私の好きなシーンの1つに、おばあちゃんが手紙を読むシーンがあるんですけど、あのシーンがいいなと私が感じるのは、富司さんの声がステキだからだと思うんです。近くで見られて幸せでした。

――富司さんにお聞きします。収録はいかがでしたか?

富司さん:動画のおばあちゃんに魂を入れるというのは、口も合わせないといけませんしとても難しかったんですけど、神木さんも桜庭さんも、いともやすやすと上手になさるので、圧倒されました。最初、この仕事をお引き受けしていいかとても迷ったんですが、監督が「それでいいから」と励ましてくださってお受けしました。若い人たちに支えられて、楽しく収録させていただきました。

――栄は90歳のおばあちゃんですが、役作りについて教えていただけますか?

富司さん:武家の血を引く気骨のあるおばあちゃんなので、その精神を伝えようとあまり“90歳”とは意識しないで演じさせていただきました。

――細田監督、キャスティングについてお話いただけますか?

細田監督:僕は映画の中のキャラクターと、実際に演じてくださる役者さんの人間性が一致する方がいいなと思うんです。アニメーションって、いわゆる架空のものなんですが、その中で嘘をつかないで魂を込めるような部分が必要だと思うので。そういう意味で、神木くんと桜庭さんは会った瞬間に「あ、健二だ! 夏希だ!」と感じました。神木くんはある種天才性を発揮している俳優さんなのにすごく謙虚で、そういったところは健二に通じるところがあると思います。

 桜庭さんに演じていただいた夏希も、美少女というだけでなく“素朴な先輩”といった魅力を持っているんですが、彼女が持っているものをそのまま出してもらえればそれが夏希なんじゃないかなとアフレコの時に思いましたね。

 富司さんについては、栄役をお願いするにあたって、この背筋のピンとした凛とした役をぜひ(富司さんに)やっていただきたいと最初から思っていました。ところが90歳役なので、ずっとお若い富司さんにお願いして失礼にならないかだとか、そもそもアニメーション映画に出ていただけるのかとか不安だったんですけど、引き受けてくださって本当に幸せでした。実際にアフレコをされて、富司さんの人間性がそのまま栄に寄り添っていたと思いました。

――観客の皆さんに向かって、意気込みをお聞かせください。

細田監督:真田家は非常に小さな戦国武将だったんですが、徳川軍という大軍に対抗して決して負けなかったんです。夏は大作映画ばかりなんですが、大きなものに立ち向かう真田家の精神を映画も受け継いでいると思いますので、その精神で勝ち抜いていきたいと思います。

 質疑応答の後、当日が七夕ということもあり、出演者4名がそれぞれ願いごとを書いた短冊を披露した。神木さんは「いつまでも家族円満」、桜庭さんは「また細田監督とご一緒できますように」、富司さんは「すべての人が幸せでありますように」、細田監督は「観客の皆さんに愛してもらえる映画になりますように」とそれぞれ発表し、用意されていた笹に短冊を添えていた。

『サマーウォーズ』 『サマーウォーズ』
『サマーウォーズ』
▲願いごとを紹介し、短冊を添える出演者たち(画像上段)と、最後に行われたフォトセッションの様子(画像下段)。

(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

■『サマーウォーズ』
【公開日】2009年8月1日


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