2009年8月6日（木）

『大正野球娘。』PSP版のテーマソングを歌う今井麻美さんにインタビュー

文：電撃オンライン

■「彼女たちの“心の奥にあるアツさ”を具現化した曲かなと」

――ゲームのテーマソングを歌うのが今井さんに決定したと聞いた時の心境は？

野村　「やった！」ですね。

今井　ありがとうございます！

野村　今井さんには以前、DS『ケメコデラックス！ DS ～ヨメとメカと男と女～』のエンディングテーマもお願いしていまして、その流れで「また今井さんに」ということになりました。

――では今井さん、テーマソングを歌うことが決まった時の感想はいかがですか。

今井　きっと大正琴が聞こえてくるんだろうな、と思いました。情緒あふれる、桜が舞うような曲なのだろうなと。それで曲を聞いたら……「力強ぇ！」と、素直にそう思いました（笑）。アツい曲で、どこまでも登っていくようなイメージでしたから、私が途中で息切れしないか心配でした。

――そうしたイメージのギャップをすりあわせることについては、どうでしたか。

今井　私は（『大正野球娘。』の）原作を知っていまして、女の子たちのドラマもいいけれど、それとは違ったテイストの（激しい）曲がきた。ということは、彼女たちの“心の奥にあるアツさ”を具現化したものがこの曲なのかな、と思ったんです。この歌に挑戦させていただくという意味で、私も“挑戦”する気持ちを込めながら歌わせていただきました。

――こういった激しい歌は、歌いやすいですか？

今井　すごく体力を消耗しますが、歌いやすいです。私に合わせて作ってくださったんだなと感じますね。

――では、レコーディングはいかがでしたか。

今井　それ聞いちゃいますか？　言っていいかどうか……。えー皆さん、曲を聴いていただければわかるんですが、簡単に歌える曲ではないような気がしませんか？　何が驚いたって……歌詞、当日（一同爆笑）。実は、この作品を作られていたスタッフさんが、どんな曲にするかでずっと会議をされていて、歌詞も編曲もすごく練ってくださって。でもレコーディングの日は決まっていたので、事前に「もっともっと練り込みたいんだが、どうだろう」と相談をいただいたんですよ。……そう言われたらイヤって言えないじゃないですか。わかりましたと。「難しい曲で当日歌えるかどうか心配なので、試してみて歌えたら、それが本番というくらいの余裕はいただけますか？」と言ったら「もちろんだよ！」と言っていただけました。

　で、当日レコーディングに行ったら、その日に録る気まんまんな空気感（笑）。音に合わせる作業と、イメージを作っていく作業とを、当日にやらせていただきました。今回は、3時間一切休みナシで歌いました。歌いきった後に、いつも通り“ごはんタイム”をいただきまして、しっかり食べたら……量がすごく多かったんですよ。調子に乗って食べていた時にハッと気づいて「私この後も歌うんだった！」って。このスタッフさんとは何回か一緒にお仕事をさせていただいていますので、“お腹が空くと歌えなくなる”という私の生態をよくわかっていらっしゃる（笑）。

――結局、いいものを作ろうとした結果そういうことになったと。

今井　はい。私も当日で（歌詞を）いただくというのは初めてに近い経験で、プレッシャーもあったのですが、できあがったものを聞いてみたら“考えすぎていない体当たりの歌”になったんじゃないかなと感じました。普段はこんな表現で歌わないだろうな、と思うところもありましたので、私の中でも新しい発見がありました。

――今井さんは、この曲の聞きどころはどこだと感じていますか？

今井　最初はしっとり入ってきて、サビに行くに連れてどんどん（スピード感が）上がってくるんですが、そのサビに入る直前と入ったところがすごく気持ちいいので、ぜひそこを注目してほしいです。これはカラオケで歌うと気持ちいいと思う。カロリー消費もできますよ！

――収録で苦労した点はありますか？

今井　休むと歌えなくなる、という点で苦労しました。私は歌を映像でとらえて歌うタイプで、1フレーズずつコマ絵のように絵を浮かべるんですけれども、今回の曲は（曲全体を）大きな1枚絵で描いてしまったがために、途中から歌うことができなくて……。Aメロ→Bメロ→Cメロと一気に歌うのはいいんですが、突然Bメロからとかと言われると「ちょっと待ってください！」って（笑）。そんな不思議な感じに陥りました。この曲は、美術館にありそうな大きな1枚絵で、青空と海と、ときおり雲があって、光がザンッと射しているようなイメージでしたね。手前には、それを見ている女の子たちがいるような。

――歌詞と曲をもとにして絵を浮かべるんですか？

今井　そうですね。今回は曲だけ先にいただいたので、ヘッドホンをしながら睡眠学習みたいな感じで寝ていました。朝起きたら（ヘッドホンが外れて）もれ聞こえているような状態で（笑）。メロディを聞くだけだとイメージがわかなかったんですが、レコーディング同日に歌詞をいただいて、そこでイメージを作って歌いました。

――では最後に、ファンの方に向けてひと言お願いします。

今井　『大正野球娘。』のファンの方も、私の歌を聞きたいとおっしゃってくださる方にも、本当にオススメできる作品です。彼女たちの苦悩や喜びを（ゲームで）感じていただきつつ、私のいろいろなものに対する想いや、夢を追いかける人たちの想いが詰まった『kissing a dream』を聞いていただきながら、ご自分の夢と重ね合わせてゲームを遊んだり、曲を聞いたりしていただければと思います。よろしくお願いします！

▼『大正野球娘。～乙女達乃青春日記～』: ■メーカー：5pb.; ■対応機種：PSP; ■ジャンル：AVG; ■発売日：2009年10月29日; ■価格：通常版 6,090円（税込）/限定版 8,190円（税込）; 　; ■『大正野球娘。～乙女達乃青春日記～』通常版の購入はこちら; 　; ■『大正野球娘。～乙女達乃青春日記～』限定版の購入はこちら