2009年8月13日(木)
WAVEMASTER HAPPIESから発売されるボイスCD『妄想列島☆青春編~地方の時代がやってきた!~』。CDに出演した声優・下田麻美さんらのインタビューをお届けする。
『妄想列島☆青春編~地方の時代がやってきた!~』は、同社が展開している『たなくまCD』シリーズのスピンオフ作品。日本各地の方言を題材にしたドラマ仕立てのボイス集で、7名の女性声優が方言で萌えボイスを披露してくれる。価格は2,300円(税込)、一般販売は8月26日で、コミックマーケット76(8月14日~16日)での先行販売も行われる。収録内容と声優陣は以下の通り。
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▲『妄想列島☆青春編』ジャケット |
【収録内容】(敬称略) |
CDの収録後、葉月恵理子役の下田さんと、CDディレクターの村崎弘史さんにお話を伺った。下田さんと村崎さんが語る“方言の魅力”、そして“CDの魅力”とは?
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▲下田麻美さん |
――まずは下田さんが演じられたキャラクターについて簡単にご紹介いただけますか。
下田 今回はあえて、キャラクターの細かい設定が作られていないのですが、葉月恵理子ちゃんという女の子をやらせていただいています。まだ高校生で、台本を読んでみるとピュアながらも妄想癖がある子なのかなと。すごく少女小説にあこがれている子で、消極的なような芝居をしつつも言っていることは大胆、というようなギャップのある子だと感じました。基本的には明るくて、恋する乙女を絵に描いたような鳥取出身の子です。私の中では、バドミントン部に入っている設定です。テニスじゃなく、バドミントンです(笑)。
――方言でしゃべるお仕事は初めてですか?
下田 おそらく初めてですね。ラジオ内で話したことがある……かもしれませんが、台本にちゃんと起こしていただいて読むのは初挑戦です。鳥取といっても西と東で話し方が違うこともありますし、私はあまり方言を使わない子だったんですよ。ですから、最初にお話をいただいた時は、ちゃんとできるかどうか不安もありました。それに鳥取弁は、私の中でそんなに(特徴が)強い方言でもなく、かといってわかりやすい言葉でもない、中途半端な印象があったんです。でも、実際に自分がしゃべったものを聞いてみると、方言独特のキュンとくる感じが出ていて、「鳥取の方言も捨てたもんじゃない」と感じました。
――鳥取の言葉は、東京の言葉とどう違うのでしょうか。
下田 一番大きいのはイントネーションですね。1人称が違うとか、語尾に何かを付けるとか、そういったことはあまりないんですよ。イントネーションが波打っているというか……上がったり下がったりするんです。「なんで(↑) あんた(↑)は(↓) そんなこ(↑)と(↓) するだ(↑)ぁ(↓)」のような。あとは、どちらかというと広島に近い部分がありますね。広島といえば「~じゃけん」が特徴的ですが、「じゃけん」までは行かなくても、「~だけぇ」とか、西に行くと「~だけん」とか、いろいろ言いますね。
――鳥取は大阪や神戸に近いですが、関西なまりは入ってこないのでしょうか?
下田 近い部分はありますけど、関西の方に話しかけると「関西出身じゃないのに、なんで関西の言葉でしゃべってるの?」とか「エセ関西弁やめて」なんて言われちゃいます(笑)。広島とは似ているのに、神戸とは全然違うようですね。今回のCDには入っていないんですけど、鳥取弁で一番ウケがいいのは「~だっちゃ」です。かわいい言葉遣いに聞こえますが、実は怒っている時や不機嫌な時にしか使わないんですよ。怒って「うっせえっちゃ」って言うと「何ラ●ちゃん語使ってんの?」とか言われるかもしれませんね(笑)。
――このCDを制作することになったキッカケを教えてください。
村崎 青森出身の砂倉加奈子さんと、ちょっとした折に方言の話になりまして。『たなくま』の萌えゼリフをいくつかお渡しして、ちょっとしゃべっていただいたら……コレが“くる”んですよ、グッと。この時、そういえば方言を真剣に取り扱ったものはまだ出ていないなと思ったんです。今回は下田さんが最後の収録だったので、実は、下田さんにちょっと他の方の録音分も聞いていただきました。
下田 聞きました……キましたね。まんまと購入者側の気持ちに(笑)。
村崎 青春の思い出に浸っていただくのもよし、まくらを涙でぬらしていただくのもよし、です。
下田 方言には東京の言葉にない暖かみがありますね。方言にキュンとくる気持ちは、これまであまり実感したことがなかったんですけど、こうしてセリフに起こしたものを聞いてみると“標準語じゃ突き刺さらないところにキュンと来る”というか。今まで、関西弁の子はいいな、うらやましいなと思っていたことはあるんですよ。でも、関西弁以外にも魅力的な方言ってたくさんあるんだな、と感じました。ずるい!(笑) ちなみに私の中では、新潟弁がストライクでした。
村崎 話の中では、基本的には注釈を入れていませんし、方言そのままでしゃべっていただいています。
下田 青森とか沖縄は、わりと標準語に近くして(言葉を換えて)おかないと、意味がわからなくなりそうですよね?
村崎 そこはあえて注釈を入れずに、意味がわかるまで聞いていただきたい、と。語学の学習と一緒です(笑)。
下田 なるほど!(笑) 私は鳥取の東の方出身で、西の方では言うみたいなんですが、「もう帰るの?」の鳥取弁で「もうかえぇの?」という言葉を録りました。これ、「かゆい」みたいですよね。で、ブースの外でスタッフさんが笑っているのが聞こえてきていて。こんな“違うように聞こえているもの”も、他にあるかもしれないですね。
村崎 そうした言葉が妙に生々しくて、ちょっとエロチックなんですよ。地方独特の……なんというか、そういうものがあるの!
下田 なんか、村崎さんの属性発表会みたいになってる!(笑)
(C)WAVEMASTER