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2009年8月25日(火)

朴さんがヒゲの魅力をアツく語った『ガンダム』“パイロットG30th Ⅱ”レポ

文:電撃オンライン

 8月21日~23日に、東京ビッグサイトで開催された『機動戦士ガンダム』30周年記念大博覧会“GUNDAM BIG EXPO”。そのステージイベント“パイロットG30th II”の模様をお届けしていく。

 このステージイベントは、歴代ガンダムのパイロット役を演じた声優がゲストとして出演し、『機動戦士ガンダム』シリーズの歴史や自分が演じたキャラクターについてなど、さまざまなトークを繰り広げていくというもの。

 会期中に3回予定されている“パイロットG30th”のうち、2回目となるこのステージにはウッソ・エヴィン役(『機動戦士Vガンダム』)の阪口大助さん、ドモン・カッシュ役(『機動武闘伝Gガンダム』)の関智一さん、ガロード・ラン役(『機動新世紀ガンダムX』)の高木渉さん、ロラン・セアック役(『∀ガンダム』)の朴ろ美さん(※“ろ”は王へんに“路”)ら、歴代のガンダムパイロットを演じた4人が登場。それぞれの作品の中から特に印象深いシーンをピックアップして、アフレコした当時を振り返りながらトークを展開していった。

“パイロットG30th II”
▲ステージに参加したキャスト陣。左から阪口さん、関さん、高木さん、朴さん。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
““パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
▲阪口さんは、『機動戦士Vガンダム』第50話“憎しみが呼ぶ対決”より、ウッソたちの母艦・リーンホースJr.が敵艦に決死の特攻を仕掛けるシーンをチョイス。司会の置鮎龍太郎さんに「ご自分が演じていないシーンですが?」と聞かれた阪口さんは「当時、新人で演じている時は必死だったんです。ですから自分が演じていないシーンのほうがよく覚えているんです」と説明。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
▲阪口さんと同じく『機動戦士Vガンダム』に出演していた関さんは「実はこのシーン、とても感動的なんですが……」といい、リーンホースJr.に乗っているキャラクターと、特攻を仕掛けられた敵艦の艦長を中田譲治さんが1人2役で演じていたエピソードを披露。「ですから中田さんが「落としてやる!!」「落とされるものか!!」って1人で掛け合いされていたんですよ」というと、客席では感心しつつも笑いが起きていた。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
▲そんな関さんは『機動武闘伝Gガンダム』より第37話“真・流星胡蝶剣! 燃えよドラゴンガンダム”より、ドモンとサイ・サイシーの対決シーンを選んでいた。置鮎さんからの「最終話のラブラブ天驚拳やマスター・アジアとの名勝負ではなく、なぜこのシーンを?」との質問に、アフレコ中にテンションをあげすぎた先輩声優がセリフを叫んだ時の勢いでメガネを飛ばしてしまった珍事を説明。会場には爆笑が起きていた。
“パイロットG30th II”
▲続けて関さんは「その時にメガネが飛んでいくところを見てしまって……。緊張した現場だったんですが、こみ上げてくるものを抑えきれずにその後の「サイ・サイシー!」のセリフを笑いながら言ってしまったんです(笑)」と説明。なんとそのシーンは、そのままOKテイクになってしまったとのこと。「よく聞くと笑っていることがわかります」とのことなので、興味がある人はDVDなどで確認してみてはいかがだろうか?
“パイロットG30th II”
▲ガンダム同士が格闘するという内容上、番組を放送していた当時はファンからのブーイングもあったと明かす関さん。朴さんも「わかるわかる」と似た境遇であったことを振り返っていた。「必殺技だけでなく、比較的地味なバルカン砲を撃つ時も「バァルカンッ!!」と叫んでましたし」と叫びを披露すると、会場からは拍手が。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
▲「『機動新世紀ガンダムX』は初めて主役をやった作品なので、カリスとの出会いのシーンや新連邦軍と革命軍のせめぎあいなど、いろいろなシーンが印象深くて……逆に皆さんにお聞きしたいくらいなんです」と話す高木さん。そのためここでは、サンライズのチョイスによって最終話“月はいつもそこにある”より、ガロードとフロスト兄弟の対決シーンが上映された。
“パイロットG30th II”
▲懐かしそうな表情で映像を見ていた高木さんは「“他力本願ではなく自分で走れ”というメッセージを最初のニュータイプからもらい、戦争の引き金となった施設ごと敵を倒すシーンですね」と説明。またエンディングテーマと予告が同時に流れる演出や、サブタイトルがキャラクターのセリフだったことが印象的だと話し、中でも「森川(智之)がやった第3話の「私の愛馬は凶暴です」がとても好きなんです」と話していた。さらに置鮎さんが驚いたという第7話のサブタイトル「ガンダム、売るよ!」をガロードの声で披露した。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
▲『∀ガンダム』の魅力について、朴さんは「ヒゲです!」と一言。番組宣伝のポスターが刷り上った時に富野由悠季監督から「このガンダムをどう思う?」と聞かれ、その際「このガンダムは、巷でものすごく不人気なんだ」と言われたとを話した。しかし「『∀ガンダム』に(他の作品にようなタイプの)カッコいいガンダムが出てしまったら、それはもう『∀ガンダム』ではないんです!」と、作品にただよう牧歌的な空気は、ガンダムにヒゲがあったからこそと力説。会場からは朴さんの意見を後押しするかのように、大きな拍手が起こっていた。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
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▲とにかく『∀ガンダム』が大好きだと話す朴さんの選んだシーンは3つ。まずは第1話“月に吠える”冒頭の、月から地球へやってくる際にロランたちが不安をぬぐうため小さな頃から聞いている歌を歌うシーン。そして第21話“ディアナ奮戦”にてロランが∀ガンダムを“洗濯出動”させ、偶然できたシャボン玉にディアナが感動するシーン。3つ目は最終回“黄金の秋”から、戦いを終えたディアナとロランが静かに暮らすシーン。
“パイロットG30th II” “パイロットG30th II”
▲それぞれに強い思い入れがあると語り出す朴さん。特に“ディアナ奮戦”のシーンについては「ガンダムが洗濯機になるんですよ!ここでは上映されませんでしたけど、この後に夕日を背中にした∀ガンダムが腕に洗濯物を干すんです!!」と、自ら両手を広げてそのシーンを再現していた。そして最終回の最後にロランが「ディアナ様、また明日」と口にしたことについては「なんでもない普通の一言なんですけど、かえって強いメッセージ性を感じるセリフですよね」と思い入れタップリといった様子で話していた。

 その後は、クロストークということで『ガンダム』シリーズに出演した感想を話していくことに。阪口さんは「『ガンダム』だってことはもちろん、何もわからずにオーディションに行ったんですよ。そしたらオーディションなのに10回もリテイクを出されまして……(笑)」そんな経緯もあって絶対に落ちただろうと思っていたら、主人公に選ばれ、ビックリしたとのこと。ちなみに関さんも、ドモンのオーディションに絶対落ちたと思っていたようで、受かったと聞いて驚いたと語っていた。

 高木さんは、最初フロスト兄弟役としてオーディションに参加したところ、高松信司監督に「ガロードの声にいいんじゃないか」と言われ、ガロード役として再オーディションを受けたと話した。「今見ると若い声していると思いますね。高木渉は、ガロードとともに成長したんだな、と実感しました」と語った。

 そして朴さんも、高木さんと同様主人公のロランではなく、最初はキエルとディアナのオーディションを受けたようで、オーディション会場で突然ロランを演じるよう依頼されたという。富野監督の『ブレンパワード』に出演した際、男の子の役を演じる女性声優の演技に感心したそうで「まさか自分も(男の子を)演じることになるとは思いませんでした(笑)。見よう見まねで演じさせていただいたのですが、それがよかったようです」と話してくれた。「今では男の子の役もたくさん演じていますよね」と置鮎さんに言われると「そういう意味では人生を変えた作品ですね」と語っていた。競演した子安武人さんについては、ギム・ギンガナムの「おのぉーれぇー!!」という演技を例に挙げ「こんな個性的な人がいるんだ!」と驚いて、競演以来“アニキ”と呼び慕っているエピソードを聞かせてくれた。

“パイロットG30th II”
▲クロストークもひと段落したところでイベントは終わりの時間に。最後は関さんが「それでは最終回の言葉を借りて「お前たちが好きだ! お前たちがほしいぃぃぃ!!」」と叫ぶなど、それぞれ観客にメッセージを贈りステージを後にした。

(C)創通・サンライズ

■GUNDAM BIG EXPO概要
【開催期間】2009年8月21日~23日(※終了)
【会場】東京ビッグサイト 東2・3ホール
【入場料】
 大人(中学生以上):1,500円(税込)
 小人(小学生):800円(税込)
 幼児(6歳未満):無料


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