News

2009年8月31日(月)

『RWC2009』日本代表ギルドはUrdrワールドのDekopinに決定!

文:電撃オンライン

『RWC2009』

 8月30日にPC用MMORPG『ラグナロクオンライン』の世界大会、『Ragnarok World Championship 2009(RWC2009)』の日本代表ギルドを決める戦いがオンライン上で行われた。本大会は今年5月に開催された、日本最強ギルドを決める決勝トーナメント『RJC2009』に出場した8ギルドに、敗者復活戦によって勝ち残った2ギルドを追加。計10ギルドによるリーグ戦となっていた。

 8月25日の時点ではRJC2009の覇者であるGreensleevesと、準優勝組のトーナメントを勝ちあがってきたDekopinの2ギルドが4勝0敗と他を引き離していた。しかし、8月27日の試合でGreensleevesがPatissierに敗北。日本代表ギルドの座をめぐる戦いは、8月30日のGreensleeves vs Dekopinの試合に持ち越されたのである。編集部ではこの日、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社内から試合の様子を取材させてもらったのでお伝えしよう。

 まずは簡単に、RWCとはどんなイベントなのかを簡単に説明しておこう。RWCは補欠3名を含む10名で構成されたギルド同士が、あらかじめ決められた予算やルールの基にバトルの腕を競い合う、PvP(Player vs Player)の大会である。2004年の韓国大会では2次職しか登場しなかったRWCだが、レギュレーションがその後アップデートに合わせて少しずつ変化し、現在は上位2次職のみの7名が出場。凍結を防ぐマルクカードの使用不可、一部スキルに必要な触媒アイテムの個数制限などが課せられている。

 RWC2009は『ラグナロクオンライン』のサービスが行われている韓国、アメリカ、ロシア、フランス、日本、タイ、台湾、ブラジル、インドネシア、フィリピン、ドイツ、ベトナム、シンガポール、マレーシアの計14カ国が参加を予定しており、名実ともに世界最強のギルドが11月1日の大会で決定されるのだ。今回の国内予選では世界大会の下準備として、英語版クライアントを使用。そのためスキルやアイテム名が英語表記なのはもちろん、チェイサーはストーカーなど職業名からして異なっている。チャットも全てローマ字打ちという普段のプレイとはかなり異なる環境だ。

 さて、ここ数年のRJCの結果をチェックしている読者ならばご存知だろうが、GreensleevesとDekopinはいずれも本イベントの常連で、毎回優勝候補にあがる強豪ギルドだ。Dekopinはその名を変えているが、過去には“chop”“punch”の名前で出場していたメンバーのいるギルドと言えば、思い出す人も多いだろう。この日の試合はDekopinが勝てばそのまま優勝、日本代表ギルドに決定。Greensleevesが勝てば1敗ずつとなり、最終試合に臨むという手に汗握るシチュエーションであった。試合会場は壁と木柵によるしゃへい物が多く、中央にやや広いスペースが設けられたマップ2が選ばれた。

 両ギルドのクラス構成はGreensleevesがハイプリースト、ハイウィザード、クラウン、パラディン、プロフェッサー、チェイサー、チャンピオンというRJCでは定番の組み合わせを選択。一方のDekopinはハイプリースト、ハイウィザード、クラウン、パラディン、プロフェッサー、チャンピオンの基本構成にジプシーを加えていた。

『RWC2009』 『RWC2009』
『RWC2009』 『RWC2009』

●最終決戦はDekopinの鮮やかな作戦勝ち

「Go!」の合図とともに、マップ中央めがけて先に出てきたのはDekopin。しかしDekopinは一歩引いた位置で足を止め、そのまま待機状態でGreensleevesを迎え撃つ形を取った。わずか1、2秒差で出てきたGreensleevesとDekopinの戦いは、お互いのランドプロテクターの間に1マス置いた程度の距離を保ったまま、しばらくはパラディンがプレッシャーを打ち合い、ストームガストの嵐という定番の流れでスタートした。Greensleevesのチャンピオンはステータス調整をしているのか、阿修羅覇凰拳を何度か撃つものの確実に相手を戦闘不能にはできない。Dekopin側のジプシーもスクリームを連発しており、ピヨピヨとスタンが決まった音は聞こえるが、こちらも試合の流れを変えるほどの勢いはなく、試合はGreensleevesがやや押し気味、しかし決定打は出せないという状況で過ぎていった。

 流れを変えたのは意外にもDekopinのジプシーが出したスキル、運命のタロットカードだった。このスキルは全14種の効果からランダムで1つを対象に付与するというもの。効果の中には“防御力無視4444固定ダメージを与える”“防具がランダムで1つ破壊される”など凶悪な物が多いのだが、この時Greensleevesのパラディンがくらったのは“呪い+毒状態+HPを1にする”という死神のカードだった……。このチャンスを逃さず、DekopinはGreensleevesのパラディンをまず戦闘不能に。Greensleevesはタンク役を失ったため立て直しを図るべく、Dekopinとの間に距離を置く。プレッシャーの脅威がなくなったDekopin側もあえて近寄らず、ストームガストを打ちつつジプシーやクラウンが合間にアローシャワーを放つという展開へと変わっていった。

『RWC2009』 『RWC2009』
▲蝶をあしらったエンブレムの“Greensleeves”とでこぴんをイメージした(?)“Dekopin”。

 しかし、1敗しているGreensleevesはここで全力を出さねば後がない。残り3分をきったところで積極的な攻めの姿勢に転じたGreensleevesだが、プロフェッサーが生存しているにもかかわらず、なぜかランドプロテクターを張りなおさない。当日は現場で試合解説を担当してくれた、同社第一マーケティング部の中村氏は「ランドプロテクターの触媒(イエロージェムストーンとブルージェムストーン)がもうないのでは?」と推測していたが、何にせよランドプロテクター無し、さらにこの時点で4名にまで減っていたGreensleeves。Dekopin側もチャンピオンを失い火力に欠けるため、あえて無茶はせず生存人数6-4で制限時間終了。DekopinがRWC2009日本代表ギルドの座を手にした。

 試合終了後、Dekopinのメンバーに優勝ギルドインタビューを行ってきたので最後にそちらをお伝えしよう。なお、ギルドDekopinのメンバー複数が回答してくれているので、その点のみご了承いただきたい。

『RWC2009』 『RWC2009』
『RWC2009』 『RWC2009』

●ギルド:Dekopin優勝インタビュー

『RWC2009』
▲日本代表ギルドとなったDekopinのメンバーそろっての記念撮影。

──優勝おめでとうございます。今の気持ちを聞かせてください。

Dekopin:疲れました。

Dekopin:勝てた実感がまだないです。何を言えばいいやら(笑)。

──ホントにお疲れ様でした。

Dekopin:RJC2009では予選で負けてしまったので、RWC国内予選で勝てて嬉しいです!

Dekopin:ラスボスを倒しました。

──最後の試合の勝因は、運命のタロットカードだったと見てよいのでしょうか?

Dekopin:それが大きいと思います。地形を最大限にいかすための位置取りもしましたが。

──立ち位置というのは、チャンピオンの阿修羅覇凰拳対策ですか?

Dekopin:あの位置からでも阿修羅は届きますね。Greensleevesさんとはまともに中央でぶつかりあったら、ウチは分が悪いので、ああいう作戦にしました。

──なるほど、Dekopinの作戦勝ちですね。その作戦を練るためには練習はかなり重ねましたか。

Dekopin:毎日3時間ぐらいです。

Dekopin:お盆の時期は休みました。

──RWC2009予選は、従来にはない新マップが追加されていますが、一番苦手なマップはどれでしたか。

Dekopin:マップ4です。ただ、純粋に強さだけを競うならばしゃへい物の少ないマップ3でやるべきだと思います。

──最後にRWC2009本選に向けて、コメントをお願いいたします。

Dekopin:いつも1回戦で負けているので、今回は死に物狂いで勝ちに行きます!

Dekopin:負ける気がしない。

──本選でもその気合でお願いしますね。本日はありがとうございました。

 冒頭でお伝えしたとおりDekopinはRWC2007/2008参加メンバーを含んでおり、世界大会の経験は十分積んでいるため、場の空気に呑まれるという心配はいらない。ただ、どちらの大会でもやはり世界の壁は厚く、1回戦で敗退という残念な結果しか残せていないのが事実だ。特に韓国、台湾、タイ、フィリピンのアジア勢が見せる勢いとパワーは、日本だけではなく欧米からの出場ギルドを圧倒するものがある。ただ、今年のRWC2009の試合会場はパシフィコ横浜と完全にホームであり、優勝を狙ってベストを尽くしてほしい。なお、ガンホーとしてもRWC2009を盛り上げ、日本代表をサポートするために11月の本番までに、強化練習試合を検討しているそうだ。

 また、筆者はRWC2007/2008どちらも現地で取材を行ってきたが、自国のメンバーがステージ上に登場したときの歓声、盛り上がりを見るにつけ「ああ、やっぱり地元の応援があると心強いなぁ」と感じたものである。『RO』を愛するプレイヤーにはぜひ会場に直接足を運んでもらい、Dekopinメンバーに熱い応援メッセージを届けていただきたい。

『RWC2009』 『RWC2009』

(C)Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All Rights Reserved.
(C)2009 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

関連サイト