2009年11月30日(月)
『信長の野望 Online』次期拡張パック『新星の章』発表会を実施
コーエーは11月29日、同社が運営するPC/PS2用MMORPG『信長の野望 Online』拡張パック第4弾に関する発表会を実施した。当日は100名の一般プレイヤーが会場に招待されており、発表会後半では豪華賞品があたるクイズ大会や、電撃オンラインでもおなじみ“歴ドル”の2人との記念撮影なども行なわれた。
■次期拡張パック『新星の章』テーマは“究極の戦国に生きる”
発表会はまず、『信長の野望 Online』開発プロデューサー 渡辺知宏氏による拡張パック第4弾のタイトル発表、および新要素の紹介で幕を開けた。2008年3月に導入された『争覇の章』に続く拡張パック第4弾のタイトルは『新星の章』。渡辺氏は「新星という名の通り、本拡張パックを機に『信長の野望 Online』は大きく生まれ変わります」と、タイトルに込めた意味を解説した。続けて『新星の章』のテーマを、激動の戦国時代を今まで以上にゲーム内で体感できるということから“究極の戦国に生きる”とし、制作コンセプトについては天下統一の実現、コミュニティの強化とサポート、ゲームシステムの刷新の3点を挙げた。この中でも天下統一については、正式サービス開始から6年半が経過した今なおいずれの勢力も成し遂げていないだけに、天下統一を実現可能にするその他新システムとともに、本拡張パックの大きな注目点である。
▲神主の衣装と陣羽織姿で登場したコーエー『信長の野望 Online』開発プロデューサーの渡辺知宏氏(写真右)と、開発ディレクターの今村一太氏(写真左)。同社の『大航海時代 Online』の大規模アップデート発表会といい、プロデューサー&ディレクターがコスプレで登場するのが社内で流行しているのだろうか……? |
次に開発ディレクターの今村一太氏は、3つの制作コンセプトを実現するために、『新星の章』で導入される新要素として次の5つを挙げた。具体的な内容については順番に紹介していこう。
●新要素1:天下人システム
従来の合戦システムは勝利しても相手に与えるダメージが小さく、その結果、天下統一という目標の実現があまりに難しかった。『新星の章』では、現在の21の国を取合うシステムから、100ケ所以上に設置された城/砦/櫓を奪い合うシステムへと変化する。城砦を落とすとその勢力には周囲の拠点から資源が供給されるメリットがあり、合戦をより優位に進められる。さらにこの資源を利用した生産やクエストが用意されている。どの城砦を落とすかも各勢力にとって重要な戦略となる。
ある勢力が城砦を次々に落としていくと、大名は“天下人ポイント”を獲得し、ポイントはランキングに反映される。一定期間が経過するとランキング1位と2位の勢力で、“天下分け目の戦い”を実施し、これが最終決戦となる。天下統一後はデータをリセットし、新たな天下統一へ向けての戦いが、一からスタートとなるわけだ。なお、天下統一までの期間は1年~1年半を想定しているとのことだ。
▲城砦の上に小さく家門が表示されている。城砦と城砦の間にある錨や馬のアイコンは、資源供給元となる拠点だ。 |
また、1位と2位の勢力による天下分け目の戦いに、3位以下の少数勢力のプレイヤーがどう関わっていくかを考えてゲームデザインを設計しているとのこと。その他、城砦の争奪戦が実装後も、既存の大合戦の実施タイミングについて変更は無い。滅亡した勢力については、こちらも復興戦がある他、同盟勢力の拠点戦にも参加できるので、滅亡=即衰退ということはないと今村氏は強調した。
●新要素2:一門
“一門”は一定レベル以上のプレイヤー最低10名から構成される、いわゆるギルドシステムのことだ。最大何人まで所属できるかについては、現時点では非公開。一門には一般的なギルド機能の他、“奉行人”システムが実装されている。これは例えば一門のメンバーが勲功を重ねると“筆頭奉行”となり、その後は当該プレイヤーが合戦に参加するだけで、一門のメンバー全員に勲功ボーナスが付与されるというもの。戦後報酬にボーナスがある寺社奉行、成長報酬にボーナスがある帰参奉行などが用意されている。さらに一門が勢力に貢献していくと、大名から所領を与えられる。一門の活躍によって所領は拡張可能で、生産や加工施設を所領内に設置できる大きなメリットがある。
一門に所属するプレイヤーは異なる勢力でもまったく問題ないが、あくまで天下統一へ貢献するためのシステムであり、できれば同じ勢力同士であることが好ましいとのことである。
●新要素3:拠点戦
今まで敷居の高かった合戦を、よりカジュアルに楽しむための新システムが“拠点戦”である。主な特徴は1時間程度で決着がつく短期戦、連係プレーを意識でき30対30人の中規模戦、有名武将と共闘できる戦闘の3つである。最後の有名武将との共闘だが、これは戦闘が始まると一定範囲内にいるプレイヤーとNPCが自動的に徒党(パーティ)を組む、というシステム。有名武将と同じ徒党で戦闘が可能となる。
●新要素4:評定システム
ソロプレイから一門みんなで挑戦できる、バリエーション豊かなクエストが特徴の評定システム。プレイヤーは武将が提案するクエストの中から、1つを選んでプレイ可能。一定期間内で一門同士が功績を競うものや、同勢力の仲間と協力しあわねばならないクエストなど様々なタイプが用意されている。特に大きな功績を残した一門は、そのクエストを提案した武将の好感度がアップ。武将のお気に入り一門に認定される。
●新要素5:独眼竜の野望
最後の“独眼竜の野望”は、プレイヤーからも人気の高い武将、伊達政宗による天下統一への野望を描いたシナリオである。プレイヤーはNPC大黒天の誘いによって時空を超え、伊達政宗の天下統一に協力することとなる。今村氏は数ある武将の中で伊達政宗を主人公に選んだ理由として、「実在した時代がやや違うため実装が難しかったが、ユーザーアンケートでも上位が伊達政宗だったから」と答えていたが、史実と異なる部分については大黒天の誘いというパラレルワールド的な描き方をすることで、つじつまを合わせているようだ。実は伊達政宗以外の有名武将も登場するらしく、誰もが想像できる“真田なお方”の他はムービーを見るとちょっとヒントが隠れているそうだ。
その他細かな追加要素については、新たな上位技能目録として戦闘/生産目録を約30冊以上、合計100以上の追加、潜在能力の拡張、生産レシピの追加と条件の緩和、光と闇をテーマにした新規オリジナルデザインの装備品なども実装される予定だ。
『新星の章』はギルドシステム“一門”をコンテンツの中心に据え、天下統一という大きな目標を掲げることで勢力コミュニティを強化。各コンテンツの連携により、飽きることのない楽しさを提供できる、と今村氏は最後にコメントした。
■2010年ついにPS3版の発売も決定
続けて今後の運営方針についての発表がなされた。これまで拡張パックの新コンテンツは“刻”の名前で第1弾、第2弾と順次実装されていったが、今後はチャプター制度を導入。独眼竜の野望の新クエストなどが定期配信される予定だ。『新星の章』チャプター第1弾は“天下への夜明け”となる。
『新星の章』実装までに予定されているアップデートとしては、一門システムの実装とワールド移動サービスおよびワールド統合の実施が発表された。プレイヤー待望のワールド統合によって、街やフィールドだけではなく合戦にもよりいっそうの活気が見られることだろう。
『新星の章』のプレイ方法だが、既存プレイヤーはアップグレードチケット(2,940円)を購入。新規プレイヤーについてはパッケージ版(8,190円)、またはオンライン購入のスターターチケット(5,355円)を選択できる。さらに、『新星の章』アップグレード済みの状態ですぐ遊べる、先行スターターチケット(8,190円)を今回は発売。共有倉庫やキャラクタースロット拡張などのオプションがすべて付いて、2010年3月31日までプレイ可能だ。
さらに渡辺氏はPS3版『信長の野望 Online』発売をアナウンス。時期は2010年、パッケージでの発売を予定しているが、オンライン販売も検討中と述べた。
ここで『新星の章』に関する発表内容は一旦終了。そのままゲストを迎えてのパネルディスカッションへと移っていった。プレイヤーの目線に最も近いパネラーとして登場したのは、ゲームメディアの編集者やライターなど、プライベートでも仕事でも『信長の野望 Online』と深いかかわりを持つ3名だ。その中には、稲庭うどんの名前でたびたび電撃オンラインにも登場しているあの人の姿が……! 3人とも本気で『信長の野望 Online』をプレイしてるヘビーゲーマーだけに、「徒党を組んでクエストを進めるとき、話しかけたキャラしかストーリーが見えないのは、今後直るんですか?」「サーバ統合について発表されたけれど、どのサーバが統合するのか教えて欲しい」「新規シナリオ独眼竜の野望の難易度はどの程度なのか?」といった質問が次々飛び出した。気になる回答は順番に「前向きに検討します」「プレイヤー数のバランスを取りたいので、今後の発表をお待ち下さい」「ソロではなく一門で攻略する仕掛けもありますが、一門でなけれそれ以上クエストが先に進まないものではない。ソロから一門まで幅広いバランスで楽しめるようにしてある」とのことだ。
▲こころもち緊張した様子の稲庭うどん。本人は讃岐うどんの国からやってきたとの噂だ。司会者が「それでは次で最後の質問に」と告げると、すかさずサーバ統合の話題を出す食いつきっぷり。 |
ここで発表会第1部が終了。第2部は会場まで足を運んでくれた一般プレイヤー向けに、事前にプレイヤーから集った質問に開発者がその場で答えるカンファレンス「開発人に訊け!」や、豪華賞品がもらえるクイズ大会などが実施された。カンファレンスではやはりサーバ統合に関する話題の他、新職業や新特化の追加があるか? ペットの種類は今後増えていくのか? といった質問が飛び出した。なお、この「開発人に訊け!」で行われた質疑応答については、後日公式サイトにで公開される予定なので詳しくはそちらをチェックしてほしい。
▲歴ドルのお2人、美甘子さんと小日向えりさんも登場した職業対抗クイズ大会の様子。関が原の戦いが起きた年号など、日本史ファンが多い『信On』プレイヤーにとっては、かなりサービス問題も多かった。 |
発表会の最後には、初代『信長の野望 Online』プロデューサーにして、現コーエーテクモホールディングス代表取締役 松原健二氏が登壇。「『信長の野望 Online』はサービス開始から、もうすぐ6年半になります。開発が始まった8年前、当時はオンラインゲームそのものが国内での認知度の低いジャンルであり、チャレンジでした。和の世界のMMORPGを作ろうとして始まったのが『信長の野望 Online』であり、戦国時代が舞台のMMORPGを、家庭用ゲーム機向けに作ろうという試みで出来上がったのが次期拡張パック『新星の章』です。わくわくしながら天下統一を成し遂げてもらうためのシステムを取り入れました。新規から既存プレイヤーはもちろん、今まで少しお休みしている休眠プレイヤーにも戻ってきてもらい、全員で『信長の野望 Online』を盛り上げてほしい」と述べた。
▲コーエーテクモホールディングス代表取締役 松原健二氏(左)、この後は一般来場者と歴ドルも一緒に記念撮影タイムがもうけられた(右) |
▲会場外に飾られていた、伊達政宗と真田幸村のイラストは休憩時間中に撮影する人も多かった(左)、コスチュームデザイン展示は今回が初出しである(右) |
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- ▼『信長の野望 Online』
- ■メーカー:コーエー
- ■対応機種:PS2/PC(対応OS:Windows 2000/XP/Vista)
- ■ジャンル:RPG(オンライン専用)
- ■プレイ料金:30日1,260円(税込)