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2009年12月10日(木)

サイバーフロント『A列車で行こう』シリーズ最新作の発表会を実施

文:電撃オンライン

 サイバーフロントは12月10日、都市開発&経営シミュレーションゲームの最新作『A列車で行こう9(以下、A9)』の発表会を実施した。開発はアートディンクが担当。発売日は2010年1月29日で、価格は12,390円(税込)。予約受付は本日よりスタートとなっている。

 『A9』は1985年に発売された初代『A列車で行こう』から連綿と続く、同シリーズ最新にして第9番目となる、都市開発&鉄道経営シミュレーションゲームだ。プレイヤーは未開発の土地に線路を引き、区画整理をしながら街を発展させると同時に、分単位で電車のダイヤを組立て可能。その設定可能な範囲の広さと自由度の高さから、箱庭好きはもちろん鉄道ファンにも長く愛されている人気作品である。

 発表会冒頭ではサイバーフロント代表取締役社長 藤原三二氏が登場。「『A9』は構想、企画期間がとても長かったため、この日を迎えられたことを嬉しく思います」と挨拶を述べた。続けて開発元のアートディンク代表取締役社長 永浜達郎氏が「ハードウェアの進化とともに『A9』もバージョンアップしてきました。新しいハードに最適化し、その性能を十分活用できるように、よりリアルな街並みを『A9』では再現しています」また、『A9』をWindows版として発売した点については「コンシューマ機はPCに比べると、2~3年前並のスペックで、その性能には100倍近い差があります。あらゆる点でPCが圧倒的に優れているという判断から、プラットフォームにはPCを選びました。海外はともかく日本では、PCでゲームを遊ぼうとする人が減っていると感じています。だらかこそPCでもっと遊びたくなるということを『A9』では重視しました」とコメントした。

『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』
▲サイバーフロント代表取締役社長 藤原三二氏(写真左)とアートディンク代表取締役社長 永浜達郎氏(写真右)。

■224種の車両とシリーズ初の蒸気機関車が登場!

 永浜氏は『A9』の機能について、主に従来作品との違いを中心に説明を行った。『A9』のマップは従来に比べ約4倍広くなっている。距離にすると10km近くあり、プレイヤーの視界は最大5km先まで見通せる。初代『A列車で行こう』で視界が効くのはせいぜい300m先まで。前作『A列車で行こう8』は、PCのスペック向上にともない引き上げられているものの、1.2kmが限界である。常時5km先まで視界を確保するには、当然それなりの描画能力がPCに求められるが、オプション設定で2km程度まで落とせば、少し古いPCでもプレイ可能とのことだ。また、『A9』は線路の引きやすさを大幅にブラッシュアップ。レールと道路、駅のパーツを豊富にそろえることで自由度がより高くなり、様々な地形にも対応しやすく、大きな環状線でも簡単に引けるようになっている。

『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』
▲「これはムービーではありません。後ろで開発スタッフが操作しているPC画面を直接スクリーンに映し出しています」とわざわざ解説するほど、なめらかで美しい『A9』の街並み。
『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』
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▲発表会会場で公開された資料から、駅や道路、始発駅など、異なる形のパーツが豊富にそろっているのが分かる。

 さて、鉄道ファンとして『A列車で行こう』シリーズに注目するプレイヤーならば、気になるのが最新作に登場する車両の種類だ。本作では過去最大224車両が登場。さらにシリーズ初の蒸気機関車として“デゴイチ”と“シゴナナ”の2タイプを実装している。1つのマップで扱える種類は、マップとシナリオにもよるが最小20種~最大100種まで。編成数は新幹線のみ16両編成が可能だが、それ以外の車両は最大10両編成となっている。駅は7番ホームまで作成できる。さらにバスとトラックは1マップ最大100台まで投入でき、マップによっては電車を一切使わない、バスとトラックのみのプレイも可能なんだとか。 ダイヤ設定はデフォルトで5分刻みだが、1分刻みかつホームごと、列車ごとの緻密な設定も可能だ。『A9』はこれまでよりマップが広いため、ゲーム内の1日の時間進行は前作よりもゆっくりめだが、タイムスピード機能は最大160倍まで選べる。

 また、ゲーム中に一度でも配置した車両はすべて展示される、鉄道博物館なる建築物もあり、もちろん全224車両を並べることも可能だが、難易度は相当高いらしい。

『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』
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▲鉄道博物館にずらりとならぶ全224車両(左)、ダイヤ設定はこだわろうと思えば、とことん細かくこだわれる(左)。

■自分のPCの性能を最大限使って楽しめる、最高の経営SLG

 都市開発部分についても、多くの新機能が実装されている。少々斜めの土地ならば土台をつけてることで築可能になっていたり、発電所には原子力タイプとエコタイプの2種類が用意され、原子力発電所は撤去する際に必要な資金が、設置時の10倍というデメリットがある。電力が足りなくても「非常電源が存在する」という設定で電車はダイヤ通りに運行するが、街は発展を止めてしまうらしい。都市開発にかけられる費用は前作の最大1兆円から、10兆円に増加。プレイヤーが扱えるゲーム内資金も最大10京と破格の数字だ。永浜氏は笑いしながら「バブル仕様です」とコメントしたが、都市開発ゲームにバブル仕様はちょっと笑えないジョークの気も……。

 オリジナルのマップ作成画面では、地面、海、山の割合を設定するだけで、自然な凹凸を自動的に生成する機能を搭載。もちろん細かい部分は手動で直せる。マップ生成は完全ランダムゆえに同じ物は二度と出来ない。また、美しく出来上がった景観を空から眺める“フライトモード”や、建物に黒い輪郭線をつけてアニメーション風に変える、“イラストモード”といったユニークな機能も用意されている。

『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』
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 発売予定日は先述の通り2010年の1月29日で、現在はバランスと操作性の調整中とのこと。最後に永浜氏は「『A9』は自分のPCのスペックが誇らしくなるゲームです。ぜひ楽しんでください」と延べ、発表会は終了となった。

 『A列車で行こう』シリーズは根強いファンがついている人気タイトルであり、前作からややブランクの空いた『A9』への注目度はかなり高い。驚くほど自由度の高いマップ作成、多彩な建築物やパーツ、完成した街並みをいつまでも眺めていたくなるようなグラフィックスなど、魅力的な要素がギュっと詰まっており、ムービーを見ただけでワクワクさせてくれるタイトルは本当に久しぶりだ。SLGの中ではわりと難易度の高い作品なのだが、箱庭ジャンルが好きな人や、高スペックPCの実力を発揮する場面がない! という読者はぜひ『A列車で行こう9』を体験してほしい。


『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』 『A列車で行こう9』

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データ

▼『A列車で行こう9』
■メーカー:サイバーフロント
■開発:アートディンク
■対応機種:PC(対応OS:Windows XP/Vista7)
■ジャンル:SLG
■発売日:2010年1月29日
■価格:12,390円

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