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2009年12月16日(水)

『[映]アムリタ』でMW文庫賞を受賞した野﨑まど先生にインタビューを敢行!

文:電撃オンライン

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――映画が劇中で大きなギミックとして盛り込まれていますが、このアイデアの元になったものなどはあるのでしょうか?

野﨑先生:最終選考委員の方の選評に、「学園『ビデオドローム』のようだ」と書かれていたんですが、僕はよく存じ上げない映画だったので……。探せばきっと元ネタになった作品があると思うのですが、きっと忘れているだけですね。

――話のギミックがSFを感じさせますが、SF作品を書いてみようと思うことはありますか?

野﨑先生:構想も経験もないですが、試しにそのうち書いてみたいですね。この間も『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読みました。とてもおもしろかったです。

――受賞後の校正作業の方はいかがでしたか?

湯浅編集:応募原稿の段階から完成度が高かったので、修正個所も少なかったですね。

野﨑先生:修正は記憶にないぐらい少なかったですね。

湯浅編集:でも、作業自体は初めてでしたよね。どうでしたか?

野﨑先生:こちらの業界にくるまでは内情を知りませんでしたので、編集さんと侃々諤々(かんかんがくがく)の殴り合いをすることになるのかなと思って身構えていました(笑)。全然そんなことはなかったですね。

湯浅編集:スピーディーに読めるのがいいところだなと思ったので、あまりヘタに手を加えるのもどうかと思ったんですよ。

――実際に本になったものを見て、いかがですか?

野﨑先生:実際に見てみると、(帯のキャンペーンの)『iPod nano』は、自分が送っても当ててもらえるのだろうかとか、余計なことばかり考えてしまいますね。あと本に挟まれているアンケートハガキを書いてみました。“本書の評価”について“普通”に丸をつけてみたり。

――この本の表紙は、他のメディアワークス文庫の本と比べると、少しライトな感じがしますよね。

湯浅編集:それは編集部で決めました。最終選考会で、メディアワークス文庫賞にするか、従来の電撃文庫向けの賞にするかで激論があり、紆余曲折を経てメディアワークス文庫賞になったという経緯がありまして。大学が舞台の作品なので、対象年齢的にはどちらの賞でもいいとは考えていましたが、どちらにせよ、絵はつけようと思っていました。ポップな感じで間口は広がるかなと。

野﨑先生:大人向けと言われた時に不安でたまりませんでした(笑)。

――パロディといえば、劇中にボードゲームの『カタン』が出てきますが、先生も『カタン』を遊ばれるんですか?

野﨑先生:遊びますねー。『カタン』おもしろいです。ボードゲームが好きなので、よく友だちと集まってプレイします。

――『カタン』以外にも何か遊びます?

野﨑先生:有名なところですと、『D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)』でしょうか。あとは『スコットランドヤード』とかも好きですね。ただ、みんないい大人だとなかなか集まる機会がなくて……。時間を見つけるのが難しいんですよね。

――『電撃小説大賞』以外に、何か賞に応募されたりしたんですか?

野﨑先生:ないですね。この作品も『電撃小説大賞』の締め切りにあわせて書いていましたし。

――授賞式はいかがでした? 緊張しましたか?

野﨑先生:あまり緊張はしませんでした。仕事で同じような立食パーティーに参加したことがあるのですが、その時はパーティーが始まった瞬間に周りの食べ物に群がって、20分ぐらいでなくなったんですよ。でも、“電撃大賞”の授賞式は誰も食べ物を取りに行かなくて、カルチャーショックを受けました。経済格差なのでしょうか……。

――今後どのような作品を書いていきたいですか?

野﨑先生:いろいろあるんですが、順番につまんでいきたいなと思っていますね。珍しいところでは『ごんぎつね』のような悲しい作品を書いてみたいです。“キツネが死んで終わり”みたいな……。1回ぐらいは書いてみたいなと思います。好きなのはミステリーなんですが。好きだからと言って書いているとそればかりになってしまいそうなので、いろいろやりたいなと思います。いろいろと失敗するかもしれないんですが、温かい目で見守ってもらえればと。

――メディアワークス文庫賞を受賞された作家さんが、今後電撃文庫で作品を出すようなこともあるのでしょうか。

湯浅編集:十分あり得ます。今後野﨑先生が電撃文庫で書く日がくるかもしれません。

野﨑先生:本当ですか。萌え萌えな感じなんですかね。

湯浅編集:そうですね。萌え萌えごんぎつねとか。

野﨑先生:完全にアニメ化を狙っていますね。

湯浅編集:まぁ電撃文庫には『我が家のお稲荷さま。』があるので、被っちゃいますけどね。

――では最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

野﨑先生:どんなジャンルな好きな人でも楽しめるような作品になっていますので、どうぞよろしくお願いします。

『[映]アムリタ』
▲野﨑まど先生

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データ

▼『[映]アムリタ』
■メーカー:アスキー・メディアワークス
■発売日:2009年12月16日
■定価:557円(税込)
 
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