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2010年3月30日(火)

【洋鯨亭 第5回】ポリゴンが花開く90年代。3D全盛の今につながるゲーム転換期

文:電撃オンライン

【3月31日:読者の方からご指摘いただいた点に対し補足・修正させていただきました。ご指摘ありがとうございます!】

 どうも! マイペース洋ゲーコーナー“洋鯨亭”亭主のRonです。

 先週発表された“ニンテンドー3DS(仮称)”ってどんなハードになるんでしょうかね。DS用ソフトとの互換性があるということは、液晶画面が2つあるのは規定路線なんでしょうけど、互換性のある“新型”であるならば、いっそのこと本体デザインを大きく変えてほしいとも思います。

 たとえば、DSの2画面分の映像を1画面で表示できる高精細液晶を使って、1画面全部をタッチパネルにすれば、ほぼ互換性を保てそうですよね。別の路線としては、2画面の次は3画面! ということで、液晶を3枚並べてみるというのもあるかもしれませんが、画面が増えればいいというものでもないと思うので、それはないでしょうね。まぁ横に3枚液晶が並んでいれば、レースゲームなんかだと楽しいかもしれませんけど。

 メガネを使わずに液晶画面だけで立体視ができる技術については、すでにHITACHIの携帯電話Woooシリーズ(H001)でも実現しているので、この延長線上のものなんでしょう(HITACHIの携帯電話H001のサイト)。もしそうだとすると、それほどの驚きがないのかなぁ? と、少し心配してしまうのですが、任天堂があえて3Dに挑むのだから、中途半端なものにはならないであろうと期待しています。

 ということで、任天堂の公式発表から推測(妄想)できるのはここまでです。ただ、3月24日の一部報道では、3次元で操作できるスティックや振動機能も備えているらしいことや、加速度センサーの搭載が検討されていることが伝えられました。これがどこまで本当なのかは、6月のE3まで待つとしましょうか。

 では、そろそろ本題です。今回は1990年代からスタートします。

■『DOOM』『Quake』『Unreal』『メダル・オブ・オナー』。FPSというジャンルの誕生

 90年代初頭には、ビジュアル的にも今のFPSに近い作品が発売されました。1991年にid SoftwareからPC用として発売された『Catacomb 3-D』、翌年には同社から『ウルフェンシュタイン 3D』が登場しました。一応触れておきますが、FPSとはファースト・パーソン・シューターの略ですね。

 これを“一人称視点から描いたシューティングゲーム”と考えれば、第3回でも触れたアタリの『スターウォーズ』などもFPSと言えなくもないですが、これは3Dシューティングという大きなカテゴリーに属するもので、細分化されたFPSというジャンルに入れるのはふさわしくないでしょう。ただ、主観視点で自分の好きな方向を向き、移動することができる3Dシューティング(擬似も含む)と考えると、その始祖作品は1974年までさかのぼり、Xeroxなど複数の機種で開発された『Maze War』にいきつくようです。『Maze War』の画面や内容はいたってシンプルですが、”パソコン同士をつなげて対戦プレイができた”という先進的なシステムに驚かされます。

 国内のコンシューマゲーム機でFPSに触れる機会が訪れたのは、『ウルフェンシュタイン 3D』のSFC用ソフト(1994年発売)の発売がきっかけであろうと思います。私が初めてFPSに触れたのも、同名のスーパーファミコン用ソフト(1994年発売)でした。この作品は今のFPSのようにキャラクターやオブジェクトがポリゴンで構築されたものではありません。しかし、主観視点の移動にともなってスムーズに拡大縮小表示されるダンジョンや、拳銃、火炎放射器、ナイフといった多彩な武器、隠し部屋の存在など、今のFPSにもつながる要素がすでに盛り込まれているんですよ。

 開発を行ったid Software社は、翌年の1993年、あのPC『DOOM』を発売します。ここからFPSが広まりはじめたといえるでしょう。しかし、当時こういった作品はFPSと呼ばれていませんでした。世間ではしばらくこういったゲームのジャンルを“『DOOM』タイプ”とか“『DOOM』系”と呼んでいましたし、私もそう呼んでいました。なぜなら、『DOOM』に似たタイプのゲームがなかったため、ジャンル名が確立しなかったからなんですよ。

 上記2作品を皮切りに、FPSは各社から続々と発売されました。1994年には、のちにXbox『Halo』を開発することになるBungieからMACで『Marathon』が、1996年にはid SoftwareからPC『Quake』が、1997年にはイギリスのRare社が開発し任天堂が販売したニンテンドウ64用ソフト『ゴールデンアイ 007』が登場しました。

 『ゴールデンアイ 007』はオフライン(当然ですが)ながら対戦モードが熱くて、これでFPSに目覚めた人も多かったことでしょう。さらに1998年にはPC『Unreal』や『Half-Life』、1999年には海外版PS『メダル・オブ・オナー』などが発売されました。

【洋鯨亭 第5回】ポリゴンが花開いた90年代。3D全盛の今につながるゲーム転換期 【洋鯨亭 第5回】ポリゴンが花開いた90年代。3D全盛の今につながるゲーム転換期
▲1990台後半ぐらいから人気FPSシリーズが次々と発売されました。写真はPSP/Wii『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2』。

 FPSは2000年に入ってからさらにタイトル数を増やし、『バトルフィールド』シリーズ、『コール オブ デューティ』シリーズ、『Halo』シリーズなどの有名作品を生むことになったのは言うまでもありません。

【洋鯨亭 第5回】ポリゴンが花開いた90年代。3D全盛の今につながるゲーム転換期
▲発売されるや、初心者でも楽しめるFPSとして人気を博したXbox『HALO』(初代は、タイトルがすべて大文字なんですねー)。写真はXbox 360『Halo3:ODST』。

 FPSやTPSは本当にタイトルが多くて、シリーズ化する前に消えてしまったものや、急にシリーズの最新作が登場することになったタイトルもあります。個人的には、(FPSというよりAVGに近いですが)PS2/PC『デウスエクス』シリーズの最新作PS3/Xbox 360『III』が約7年ぶり、TPS『RED DEAD REVOLVER』の第2弾PS3/Xbox 360『READ DEAD REDEMPTION』が約6年ぶりに登場することに注目しています。特に『RED DEAD』は前作からシステムを大きく変えて、オープンワールド型のゲームになっている点は興味深いです。開発は前作に引き続きRockstar Gamesなので、内容は期待してもいいんじゃないでしょうか。『RED DEAD』は公式サイトでイカしたムービーも見られますよ。

■歴史振り返り企画はいったん終了! その他名作は今後ピックアップ予定

 さて、4回にわたって振り返ってきた洋ゲーの歴史ですが、過去ばかりを見ているわけにもいきませんので、今回でいったんお休みします。

 なにしろかなりの早足で30年ほど振り返りましたから、当然ながらとりあげていない大作・名作がまだまだあります。そういったタイトルや、今後発売されるタイトルについては、今後の連載で随時取り上げる形にしたいと思っています。

 続きまして告知です。

■コーナーロゴを送ってください! 毎度おなじみの募集です

 毎回やっているお知らせでございます。現在当コーナーでは、コーナーの看板となるロゴイラストを募集しています。“洋鯨亭”という当コーナーのタイトルからひらめいた、直感重視のイラストをお送りください。内容は、コーナーのタイトル名と、イラストを組み合わせたものとお考えください。

 応募方法や規定などは、以下のリンクから投稿用のフォームに飛んでご確認ください。



 応募の際に、イラストの説明や、初めて遊んだ洋ゲー、好きな洋ゲーメーカー、続編が出てほしい洋ゲー、お気に入りの洋ゲーヒロイン、洋ゲー数え歌、「私と鯨」という題の作文、などをお寄せください(挙げたお題の後半のものはあまり募集しておりません)。

 採用させていただいた方にはささやかなお礼を用意しておりますので、ぜひご投稿ください。

 気長に待っていますけど、そろそろ自分で絵を描こうかしらと思っている私の野望を打ち砕くようなイラストをサクっと送ってみてはどうだいブラザー&シスター?

 では、また来週まで!

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