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2010年5月28日(金)

『FF8』の衝撃再び! ゲームアーカイブスで配信中の名作RPGを振り返る【FF特集】

文:電撃オンライン

 初めまして、こんにちは。自分、しがないライターをしているK1(けいいち)と申します。突然ですが、皆さんゲームアーカイブスってご存知でしょうか?

 古いゲームをダウンロードして遊べるPS3/PSPのサービスですが、5月20日に『ファイナルファンタジー(以下、FF)』シリーズのファンが待ち望んでいた『FF9』がついに配信開始されました。

 そこで電撃オンラインでは『FF9』のアーカイブス化を記念して、『FF7』、『FF8』、『FF9』を振り返る特集が開始! というわけで、ここではK1が『FF8』のゲーム内容を振り返っていきたいと思います。

『ファイナルファンタジー8』

 『FF8』が発売されたのは1999年。今からさかのぼること10年以上、まだPSが現役だったころです。斬新なゲームシステムやPS史に残る美麗なムービーを盛り込み、国内出荷本数370万本(2010年3月末現在)もの大ヒット。またゲームだけに留まらず、シリーズ初の主題歌である『Eyes On Me』が洋楽チャートで首位を獲るなど、大きな社会現象を巻き起こした名作です。

●動画:『FF8』ドール電波塔のX-ATM092をゼルのデュエルで倒す(低レベル)

■夢を通して広がっていく、“魔女”をめぐるストーリー

 ゲームを始めると、いきなり美麗なムービーが流れます。主人公のスコール vs ライバルのサイファーによるバトルを中心とした内容なんですが、コレがとにかくカッコイイんですよね! 途中までどちらも譲らない状態でしたが、サイファーの魔法でスコールが負傷し、劣勢のスコールが勝負を懸けて突っ込んでいく……! そんなテンションが最高潮になるところで映像が終わり、本編が始まるとスコールは保健室のベッドで横たわっていました。まるでラストバトルのような熱戦が、学校での演習だったとは……まさに予想外の幕開けです。

『ファイナルファンタジー8』 『ファイナルファンタジー8』
▲最近「まるで映画のような」、「まるで実写のような」といった表現をよく見かけますが、その先駆けともいえるのが本作のオープニングムービーじゃないかと!

 それまでの『FF』シリーズの世界観からすると、“学校”が出てくるなんて考えられないじゃないですか。しかも、主人公はたくさんいる学生のうちの1人ですしね(後に明かされる設定を踏まえれば、やはり彼も“特別な人間”ではありますが)。当事のRPG史からすると異端でしたが、だからこそおもしろかったですね。今思えば、モブキャラ(主要キャラクター以外)と同じ立ち位置にいる主人公って、すごい挑戦だったんじゃないかと思います。

 話がそれてしまいましたが、スコールが目覚めてからのストーリーを追っていきましょう。その学校というのが、バラムガーデンと呼ばれる兵士を養成するための施設。スコールは、そこでガーデンの特殊部隊“SeeD”の試験に挑戦することになります。教官のキスティスやサイファーとともにさまざまな難関をクリアしていくスコール。そして試験に合格してSeeDとなった彼は、同期のゼルとセルフィを率いて初任務へ向かいます。依頼主であるリノアのレジスタンス活動を支援するスコールたちでしたが、その中で“魔女”イデアと関わりを持ったことによって、時空さえも揺るがす事件に巻き込まれていき……。

『ファイナルファンタジー8』 『ファイナルファンタジー8』
▲実地試験で敵軍の兵器から逃れるスコールたち。昔にやりまくっていたとはいえ、このシーンはハラハラしっ放しでした。▲SeeD試験終了後に行われたパーティで、スコールとリノアは運命的な出会いをはたすことに……。

 本筋はこのような流れですが、本作にはもう1つ並行して進んでいく物語があります。こちらは、ラグナ、キロス、ウォードという3人の傭兵の姿を描いたもので、やはり“魔女”にまつわるストーリーが展開。スコールたちは急激な眠気に襲われることがあり、眠りについている間はラグナたちを通して出来事を見ていくことになります。そして、その情報がスコールたちの行動に活かされ、奥深いストーリーへと発展していくのです。

『ファイナルファンタジー8』 『ファイナルファンタジー8』
▲ラグナたちの物語はただの回想シーンではなく、プレイヤーが操作して進めていきます。

■世界の命運を握る主要キャラクターたち

 名前がおおかた出そろったところで、登場人物にも触れていきましょう。主要キャラクターのみですが、見事に個性豊かなメンツですね。スコールからアーヴァインまでの6人がパーティメンバーで、後の3人がストーリー上の重要人物となっています。それにしても、10年以上前の作品とは思えないほど人物がリアルです。

『ファイナルファンタジー8』 『ファイナルファンタジー8』
▲フィールドや戦闘画面のグラフィックはまだ少し角ばっていますが、CGムービーのクオリティは最近のものと遜色(そんしょく)ないレベルではないでしょうか?

『ファイナルファンタジー8』

●スコール・レオンハート

 本作の主人公で、兵士養成学校バラムガーデン所属のSeeD候補生。SeeDになってからは、チームのリーダーとして仲間を率います。他人と距離を取りたがるクールなタイプなんですが、結構アツイところもあったり。口癖の「……別に」をイジられている姿は、いつ見てもウケます。あと、ガンブレードの通常攻撃も、自分は好きでしたね。少しでもダメージを上げようと必死でR1を押していた気がします。慣れてくると、他のキャラの攻撃時にも押していたのは内緒です。


『ファイナルファンタジー8』

●リノア・ハーティリー

 本作のヒロイン。大国・ガルバディアに反抗するレジスタンス組織“森のフクロウ”の中心メンバーで、SeeDに仕事の依頼をしたことから、成り行きでスコールたちと行動をともにします。性格はきわめて明るく、直情的なところがたまにキズ。武器は、ボウガンのようにして飛ばすチャクラムと、やたら強い愛犬のアンジェロ。久しぶりに使ってみた“ウィッシュスター”の威力は相変わらずハンパじゃなかったですね。ところで、裾長の上着やアームウォーマーに時代を感じるのは自分だけでしょうか? まぁかわいいから全然構わないんですけどね!


『ファイナルファンタジー8』

●キスティス・トゥリープ

 バラムガーデン所属のSeeDであり、スコールとサイファーを担当していた教官。スコールたちの試験終了後に教員資格を剥奪(はくだつ)され、SeeDとして一緒に行動するようになります。元教官だったためか、ほとんど歳が変わらないのに“先生”と呼ばれ、仲間たちをリードさせられることも多め。攻撃は鞭(むち)で行ない、シリーズでおなじみの“青魔法”を覚えていきます。昔はまったく気にしていませんでしたが、今見るとすげーエロカッコイイかも……。


『ファイナルファンタジー8』

●ゼル・ディン

 スコールと同じ班でSeeD実地試験に挑み、同期でSeeDになった青年。校則違反の常習者で成績も悪く、校長からは「もう少し落ち着きがあるといい」などと思われています。“物知りゼル”を自称する情報通で、解説役として活躍することもしばしば。武器はグローブで、パンチ技を主体に戦います。当時プレイしていた人の中には、彼の特殊技“ラッシュ”で無双していた人も多いのではないでしょうか?


『ファイナルファンタジー8』

●セルフィ・ティルミット

 SeeD実地試験を受けるために、バラムガーデンと親交の深いトラビアガーデンからやって来た転校生。試験中に伝令として仲間入りし、SeeDになってからはスコールたちと同じチームで活動します。とぼけた発言から天然キャラかと思いきや、意外としっかり者でおまけに毒舌家。ヌンチャクを武器に戦います。1つ1つの仕草がいかにも“乙女”って感じで、個人的に一番のお気に入りキャラです。特にSeeD試験中に挿入されるムービーでの仕草が、何度見てもたまりません!


『ファイナルファンタジー8』

●アーヴァイン・キニアス

 ガルバディアのガーデンに所属する生徒。SeeDではないものの、狙撃の腕を買われてスコールたちとともに任務をすることになります。最初はスカした余裕のある男を装ってはいますが、本当は繊細な性格をしています。序盤はちょっとヘタレな感じですが、ある迷いが吹っ切れてからはやたらカッコイイ。個人的には、ヘタレなアーヴァインのほうが人間味があって好きでしたが(笑)。


『ファイナルファンタジー8』

●ラグナ・レウァール

 スコールが見る夢の中に登場するキャラクターで、元ガルバディアの兵士。偵察任務で重症を負ったため退役し、その後はジャーナリストとして世の悪に立ち向かっていきます。おっちょこちょいで雑な性格をしているものの、正義感と人情にあふれていて、仲間たちからの信頼も厚い男です。


『ファイナルファンタジー8』

●サイファー・アルマシー

 優れた能力を持ちながら、自己中心的で冷静さも欠けるため問題児扱いされているSeeD候補生。同じガンブレード使いであるスコールを強烈にライバル視していて、何かと絡んできます。SeeD試験時に仲間としてパーティに参加するものの、その後は仲間にならないのが非常に残念。かなり重要なキャラクターなので、活躍の場はいくらでもありますけどね。


『ファイナルファンタジー8』

●イデア

 絶大な魔力を持つ魔女。ガルバディアの親善大使として迎え入れられるも、大統領を殺害して実質の最高権力者となります。ある目的のために世界各地へ軍を送っているようで……。


■今でも珍しい、装備品を取っ払ったゲームシステム

 毎回まったく異なるゲームシステムを採用しているのが『FF』シリーズの特徴の1つですが、その中でも飛びぬけて特殊だったのが『FF8』でしょう。そのもっともたる例が、魔法や召喚獣を装備する“ジャンクション”システム。従来の召喚獣にあたる“G.F.(ガーディアンフォース)”と“魔法”をジャンクションすることで、各種パラメータを上昇させたり、さまざまなアビリティを使えるようになります。つまり、G.F.育成と魔法収集によってキャラクターが成長することになり、防具やアクセサリが不要になったわけですね。

 当時は防具やアクセサリがないRPGなんてプレイしたことがありませんでしたから、これはかなり衝撃的でした。また、新システムの“ドロー”で魔法を入手するのも本作ならではです。従来のシリーズでは、魔法は“買う or 覚えるもの”でしたが、本作ではバトル中にモンスターからドローする or マップ上のドローポイントから入手する、言わば“集めるもの”になりました。さらに、武器は買い換えるのではなくアイテムを使って改良していく仕様に、モンスターのレベルがプレイヤーのレベルに比例する連動制に、そして所持金は一定歩数ごとに追加される給料制になるなど、“新システム目白押し”といった内容でかなり新鮮でした。

『ファイナルファンタジー8』 『ファイナルファンタジー8』
▲G.F.がアビリティを覚えることで、上げられるパラメータの種類が増えていきます。ちなみに、G.F.には過去作で召喚獣ではなかったものも多数追加されていて、個性豊かな顔ぶれとなっていますね。

■本編そっちのけで遊びかねないミニゲーム

 ゲーム内に登場するカードゲーム“Triple Triad(トリプルトライアード)”。これは3×3のマス目に交互にカードを置いていくミニゲームなんですが、これがおもしろいのなんの。カードには4つの数字が書かれていて、自分の出したカードが隣接するカードの数値より大きい数字だった場合、相手のカードを自分のカードとして扱うことができます。そして、最終的なカード枚数の多いほうが相手のカードをもらえるというのが基本ルール。

 さらに地域によってさまざまなローカルルールがあり、単純に見えてかなり奥深い読みあいが楽しめます。このゲームは街の住民たちに□ボタンで話しかけると対戦でき、どんどんカードを集めいくのが趣旨になります。中には1枚しかないレアカードを持っているキャラクターもいて、コレクションし始めると止まらなくなること間違いありません。実際、過去にプレイした人たちの中には、身に覚えのある人も多いのではないでしょうか? 自分も今回プレイしたところ案の定ハマりまして、下手をすると本編よりプレイ時間が長いんじゃないかってくらいやり込んでしまいました(笑)。まぁ遊び方は人それぞれですし、こういった楽しみ方も一興ではないでしょうか。

『ファイナルファンタジー8』 『ファイナルファンタジー8』
▲トリプルトライアードの醍醐味は、相手が置くカードの順番や位置を先読みしていく心理戦。ローカルルールが加わるとさらに複雑になり、かなり熱い読み合いが楽しめます。

■安くて早くて安心の一作

 そんなこんなで『FF8』を振り返ってきましたが、興味はわいてきましたでしょうか? 10年以上も昔の作品ではありますが、日本中を沸かせた作品なので、おもしろさは折り紙つきです。今ならゲームアーカイブスのおかげで、すぐに&安く手に入れられますから、少しでも興味が出てきた人はぜひダウンロードしてみてください。PSPでもプレイできるので、ソフトは家にあるけど時間がない、やりたかったけどハードがない、といった人にもオススメですよ。(K1)

(C)1999 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA

データ

▼『ファイナルファンタジーVIII』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS3/PSP
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年9月24日
■価格:1,500円(税込)