2010年6月25日(金)
――本作には多数の新システムが導入されていますが、こちらについて紹介してください。
山本:格闘ゲームのプレイの中で“コンボ”は、上達すればするほど達成感が得られ、さらなるプレイ動機につながる要素です。その重要性を念頭に置いた上で『KOF XIII』の独自性を特徴づけるために、あらゆる技をつなげて多彩な連続技が繰り出せる“ハイパードライブ”を実装しました。加えて、爽快感もプレイする上で重要な要素ですので、条件を満たしてシンプルに技を出して当てるだけで爽快感を感じられる“NEO MAX超必殺技”を実装しました。これは窮地から一発逆転も狙える大技で、決まるととても気持ちのいいものです。
▲こちらが、アテナと舞の“NEO MAX超必殺技”。画面いっぱいに演出が広がる。 |
――見た目にも派手なものが多いですしね。“EX必殺技・EX超必殺技”、“ドライブキャンセル”、“MAXキャンセル”はどうですか?
山本:シリーズの対戦で重要なのはパワーゲージです。超必殺技や回避システムなどさまざまなシステムに使用し、そのためゲージが溜まっているとゲームを有利に展開できます。今回はそこに“キャラクターの特徴をのばす”という要素を追加する目的で“EX必殺技・EX超必殺技”を導入しました。
また今回、新たなゲージ・ハイパードライブゲージについても同様に「キャラクターの特徴をのばす」という要素を入れるために“ドライブキャンセル”を導入しました。ゲージを分けた理由は、システムを組み合わせて使用したかったので、パワーゲージだけでは足りないと考えたためです。またその際、ゲージがすべて満タンの時は「どのようなスゴイことができるのか?」という点で、満タンであるなら「すべてのシステムを使用できるように!」と“MAXキャンセル”を導入しました。
▲ヒット後に追撃できるものや、飛び道具の弾がスピードアップするなど、見た目だけでなく判定も変化するEX必殺技。技がいろいろな性能を持つことで、対戦の幅が広がりそうだ。 |
▲ハイパードライブゲージを消費して、普段はキャンセルできない通常技や特殊技など、つなげることができるドライブキャンセル。写真では、虎砲がヒットした瞬間に飛燕疾風脚が発動している。 |
――ずばり、バトルでカギとなるのは?
山本:パワーゲージとハイパードライブゲージの2つのゲージですね、これを有効に使えるかどうかによって勝敗が決まるといっても過言ではないと思います。
――なるほど。イベントで本作が初公開された時にカラーバリエーションの多さに驚きました。すごい量ですが、なぜこれだけの数を用意したのでしょうか?
山本:カラーが多くあると選択する楽しさが増えますし、それぞれのマイキャラへの愛着もいっそう強まります。戦闘前にも楽しめる要素を入れたかったので、多くの種類を用意しました。
――キャラクターについてお聞きしていきたいと思います。電撃オンラインでは、舞を公開した時の反響がすごかったんですが、これは予想していましたか?
山本:『KOF』本編に参戦するのは久々で、元来人気があるとは認識していたのですが、正直あれほど大きく反響があるとは予想していませんでした。開発としても推していたキャラ。そのキャラクターにこれだけ期待されているというのは、うれしい限りです。
▲新規参戦する、女性格闘家チームのメンバー。左から不知火舞、ユリ・サカザキ、キング。 |
▲山本さんがイベント時に「気になるあの部位は、担当アートディレクターの“頭の中の物理エンジン”をフルに駆使し描いているので、かなり動きます!」と断言した舞。どんな動きをするのか、乞うご期待! |
――『餓狼伝説』以来となるホア・ジャイの参戦にド肝を抜かれました。『KOF 2002 UM』で少しだけ登場していますが、すでにこの時から計画していたのでしょうか?
山本:いいえ、残念ながら(笑)。その時とは特に関係なく、キムチームの編成でライデンと「もう1人は?」という点で候補に挙がりました。
――他の追加キャラの選考理由・コンセプトをお願いします。
山本:バイスは前回マチュアが登場していますので、相方といえばもちろんバイスということですぐに決まりました。タクマについては、リョウ、ロバートと来て、次はというと候補はたくさんいましたが、人気チームの女性格闘家チームがユーザーからの要望も多く、先に確定していましたので、そこで「一番“龍虎チーム”に落ち着く人気キャラは?」というとタクマだということになりました。
――タクマの構えが大きく変わっているのに驚きました。何があったのですか?
山本:今回は達人という雰囲気を強く出したくて、変更したんです。シブさが増したと思います。
▲左から、ホア・ジャイ、バイス、タクマ。タクマは上記の通り、構えがコレまでと大きく変わっている。 |
――K’、クーラ、マキシマは?
山本:K’、クーラ、マキシマは言うまでもなく、ユーザーからの熱い要望がありましたし、ストーリー面からしても、『KOF XI』から重要なキャラでしたので選びました。
――逆に選考段階で、惜しくももれてしまったキャラはいますか?
山本:かなりキャラの選考には時間がかかったのですが、『KOF XI』で登場した新キャラたちは惜しくももれてしまいました。
▲左から、K’、クーラ、マキシマ。ネスツ編でストーリーに大きくからんでいた3名。物語にはどうからんでいくのだろうか? |
――全キャラが出そろいロケテも行われましたが、手ごたえや反響はどうでしょう?
山本:アンケートで多くのユーザーの方からご意見をいただきました。いろいろコメントをいただいていますが、期待してもらっていることやプレイを楽しんでもらえていることに手ごたえがかなりありましたので、ロケテスト後の対応も大変やりがいがありました。
――気が早いといわれるのを承知でお聞きします! コンシューマ版は動いているのでしょうか?
久木野:気が早いですね(笑)。とにかくいい作品に仕上がっているので、まずはアーケードで『KOF XIII』を楽しんでいただければと思います!
――わかりました。では最後に稼働を待つファンの方、そして読者の方へ、メッセージをお願いします。
久木野:お待たせしました! 開発スタッフ全員の気合いに満ちた『KOF XIII』が7月14日に稼動です。ロケテストやイベントでプレイヤーやファンの皆様に大変貴重なご意見や応援メッセージをいただき、開発にもフィードバックさせていただきました。
『KOF』はプレイヤーやファンの皆様に支えられ、ここまでシリーズとして積み重ねてくることができました。今回で13作目となり長い間受け継がれてきているタイトルですので、やはりまずはファンの皆様に認めていただくことがもっとも大切だと思っております。我々にとって『KOF XIII』は単にアッシュ編を完結する以上に、今までのシリーズの集大成として最高の『KOF』を提供することを目標としております。『KOF XIII』をどうぞ遊びつくしてください! そして、稼働後も一緒に盛り上げていきましょう!!
山本:『KOF XIII』は今まで以上にプレイヤーやファンの皆さんに支えられ、協力していただいて完成したタイトルだと思います。開発側も皆さんのご期待にこたえられるよう最後まで力を尽くしましたので、稼働の際はぜひアミューズメント施設に足を運んで遊んでみてください!
▲スタッフの熱意、そして同様のユーザーの熱意が込められているという『KOF XIII』。アッシュ編の完結、さらに新キャラ、新システムの追加と、見どころ満載の本作。稼働までもうしばらくの辛抱だ。 |
なお、オフィシャルブログでも、開発陣が本作について熱く語っている。さらに稼働まで動画を公開していくカウントダウンサイトも更新中。こちらもあわせてチェックしておこう。
(C)SNK PLAYMORE
※『ザ・キング・オブ・ファイターズ』は株式会社SNKプレイモアの登録商標です。
※画面は開発中のものです。