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2010年7月20日(火)

【洋鯨亭 第20回】洋ゲーのダウンロードコンテンツ(DLC)とやり込み要素

文:電撃オンライン

 こんにちは。“洋鯨亭(ようげいてい)”亭主のRonです。早いものでコーナー開始から3カ月が経ち、連載も20回目を迎えました。これもこのコーナーを読んでいただいている皆様のおかげです。ありがとうございます。

【洋鯨亭 第20回】洋ゲーのダウンロードコンテンツ(DLC)とやり込み要素

 読者様の中には最近読み始めてくださった方もいるようなので、本題に入る前にあらためてこのコーナーの説明をさせていただきます。洋鯨亭は、“洋ゲー”と呼ばれる海外のゲームを紹介したり、気が向いた時に(?)洋ゲーの周辺事情を探ったりするマイペースなコーナーです。

 コーナー名は“洋ゲー”という言葉の完全な当て字なんですけれども、それっぽい目標とコンセプトはありまして、一応は鯨料理店風の店構えをしている、という想定でお贈りしております(詳細は連載第1回をご覧ください)。なぜ飲食店風なのかというと、個人的にイメージしやすかったから、ということにほかなりません。

 ちなみに、当コーナーではロゴの募集をしているのですが、こちらは“お店の看板を描いていただくようなニュアンス”なんですね(コーナーの最後でロゴの募集をしております)。

 えー、鯨料理店と書いていて思い出したことが1つありました。神奈川県横浜市の野毛には“くじら横丁”という通りがあって、そこでは数十軒のお店でさまざまな鯨料理を提供しているそうです。野毛といえば、関東にお住まいの方には、ときどきニュースで伝えられる大道芸のイベントで有名ですよね。

 この横丁では、大道芸の“芸(げい)”と“鯨(げい)”が同じ読みつながりということで、町おこしの一環として鯨料理が食べられるお店のマップ“鯨(げい)マップ”を配布するような活動もしているそうです。

 個人的には秋葉原や日本橋で洋ゲーが買えるお店のマップ“洋鯨マップ”を作ってみたいとも思うんですが、洋ゲーの取り扱い店がそれほど多くないだけに実用性は低そうですね。

 さて、長々と鯨料理のお話をしましたが、今回のテーマは同じ料理でもラーメンに近い内容です。替え玉を入れてラーメンの2杯目、3杯目を食べるように、ダウンロードコンテンツ(DLC)を購入して好きな洋ゲーをもっと遊びましょうというお話です。

■追加マップや追加ミッションだけではないDLCの楽しみ

 コンシューマゲーム機がオンライン対応になって変わった点の1つに、DLCによってゲームの内容が拡張されるようになったことが挙げられます。これまでにもファミコンの『なんてったって!! ベースボール』の小亀カセットや、PCの『ソーサリアン』のように、複数のゲーム(カートリッジやフロッピーディスク)を使ってゲーム内容を拡張(更新)していくような試みは行われてきました。しかし、ゲームのステージを大幅に追加したり、システムを変更・追加するような大規模な拡張を行えるようになったのは、オンライン対応になってからでしょう。

 拡張するためにお店に行って追加のソフトを買ってこなくてもいいという手軽さはもちろん、不具合の解消などを目的としたパッチを提供できるという点でも、オンライン対応にはいろいろとメリットがあります。

 ところで、新作ゲームの紹介や攻略情報は、インターネットのメーカー公式ページ、ニュースページ、雑誌をはじめとしてさまざまな媒体で提供されますが、ことDLCの情報となると提供量はだいぶ減ります。その理由の1つは、DLCの内容が対戦用の追加MAPであったり、キャラクターのコスチュームであったりと、ゲームシステムやストーリーの根幹にかかわるものではない場合が多いからと考えられます。

 つまりゲームソフト本体に比べると、話題性がやや弱いということでしょう。これが追加シナリオ系のDLCとなると、重要度は少し上がります。なぜなら、それを遊ぶことでゲームの世界観が広がるばかりか、ソフト本体だけでは味わえない体験ができたりするからです(内容にもよりますけどネ)。……まぁ、それでもなかなか取り上げられる機会は少ないんですよね。

 参考までに、私が今まで買ったDLCの中で好きなコンテンツの1つにXbox 360『Fallout3』の追加シナリオがあります。怪しい洋館が出てくるホラー仕立てのシナリオや、地球から離れて宇宙船内に乗り込むシナリオなど、メインシナリオの舞台となる荒廃した地域のすぐそばに、印象がまったく違う地続きの世界があることを想像できて、イメージに広がりが出てくるんですよ。

 荒廃した世界を探索し尽くして(ラーメンで言うと麺をほとんど食べてしまって)、あとはクリアするだけ(スープを飲み干すだけ)という状態で、クリアせずにDLCを追加する(スープを飲まずに替え玉を注文する)。

 まさにラーメンと替え玉の関係に近いような気がします。

 なんだか今回は食べ物の話ばかりで恐縮ですが、恐縮ついでにもう1つおいしいDLCをご紹介しましょう。

■ただの替え玉というより具が付いた替え玉

 それはXbox 360のゾンビACT『レフト 4 デッド 2(以下、L4D 2)』のDLC“ザ・パッシング”です。このコンテンツでは新しいキャンペーン、ゲームモード、武器などが追加されます。新たなキャンペーン“ザ・パッシング”は、川岸、地下、港の3つのチャプターから構成されていて、前作の操作キャラクターだった、フランシスにゾーイ、そしてルイスが登場します(ビルは……)。

【洋鯨亭 第20回】洋ゲーのダウンロードコンテンツ(DLC)とやり込み要素 【洋鯨亭 第20回】洋ゲーのダウンロードコンテンツ(DLC)とやり込み要素
▲ゲーム開始早々に登場する、前作の4人主人公のうちの誰か。ここで誰が現れるかは、ランダムのようです。▲3つめのチャプター“港”では、フランシスたちと共闘しながら、先に進めなくなっている橋の動力を動かすためにガソリンを探します。共闘とは言っても、彼らは同じパーティに加わってくれるわけではなく、建物の上からゾンビを銃撃してくれる程度。できれば彼らも使いたかったですね。

 このDLCで新たに追加される“ミューテーション”モードは、毎週ゲームのルールが変わるマルチプレイです。私が参加したときは“チェーンソー マサカー”でした。これは参加者全員がチェーンソーを装備しているという、実に爽快感のあるルール。

 ゲームでは最強の近接武器であるチェーンソーを最初から使えるので、某無双ゲーム状態が楽しめる……と言えば楽しめるんですけれども、それでもタンク(このゲームでもっとも強いゾンビ)に暴れられると、やっぱり苦戦するんですよねぇ。

【洋鯨亭 第20回】洋ゲーのダウンロードコンテンツ(DLC)とやり込み要素
▲4人のキャラクターがチェーンソーを持ってうろつく姿は、普通のルールではなかなかお目にかかれません。しかし、これだけの強力な装備でも油断をすると一気に形成が不利になってしまいます。

 このDLCでは前作の主人公をプレイヤーキャラクターとして使うことはできないものの、彼らがゾンビと戦いながら各地を転々とする中でこんな場所に立ち寄り『L4D 2』の主人公と遭っていたという設定は、前作や今作のソフト単体をプレイしただけではわからなかったことです。こういった接点ができただけでも、2つのゲームの関連性が強まって、プレイヤーはニヤリとできるはずです。

 この他にも、ゴルフクラブなどの新しい武器が使えるようになったり新しい実績が追加されたりしているので、このDLCは単なる“替え玉”ではなく、ナルトやメンマといった“具”も追加されているイメージです(笑)。

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▲ゾンビゲームつながりのネタなのか、ある場所ではカプコン『デッドライジング』の主人公と同じ名前の“フランク・ウェスト”が残したメッセージを発見できます。プロレス技でゾンビを倒してしまうようなフランクでさえ、『L4D 2』のゾンビの動きの速さにはてこずっているようです(笑)。

■1つのタイトルをやり込むというプレイスタイル

 毎週たくさん発売されるゲームソフト。気になるタイトルを次々に買っていくと、1タイトルにかけられる時間が短くなりがちですよね。私は1回クリアしたら満足して次のタイトルを遊んでしまったり、ぜんぜん手がつけられずに積みゲーが増えていったりすることがしばしばあります。

 いろいろなゲームに挑戦していくというのは、常に新鮮な感覚が味わえて楽しいものです。その一方、1つのタイトルをやり込み、その世界を掘り下げていくような遊び方もまた、楽しいものです。お気に入りの洋ゲーに出会えたら、後者のようにDLCも購入して、とことん遊んでみてください。

 それではまた来週!



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