News

2010年10月15日(金)

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 最終回

文:電撃オンライン

『GE ルネッサンス』集中連載 衣服(コスチューム)を巡る冒険『第3回:旧大陸の至高、新大陸の究極』

 本連載は『GEルネッサンス』の新大陸グラナド・エスパダを舞台に、美しいコスチュームと景色に全力でスポットを当て、主人公・電撃子による妄想ストーリーを全4回でお届けする。

【前回までのあらすじ】
 15年も前に家を捨てたはずの兄“電撃雄”と、リボルドウェでまさかの(望まぬ)再会を果たした電撃子。いまさら“ぐらな堂”の相続権が惜しくなったのか、金勘定しか出来ない兄の「やっぱり家を継ぐわ」宣言に電撃子は怒りを隠せない。アンドレは二人の弟子入り争いの解決策としてコスチューム対決を提案。見事兄を破った電撃子、そしてそれから1年の月日が流れ……。

「アンドレ先生っ」
「愛しい弟子よっ」

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回

 ヒシと抱き合う師匠と弟子。どこか涙……じゃなくて苦笑を誘う絵で始まった本連載も、いよいよ今回で最終回を迎える。まるまる1年の修行に耐え抜いた電撃子が、地元コインブラに帰る日がやってきた。もちろん手ぶらで帰郷するわけではない。売り言葉に買い言葉で飛び出した実家に、ファッションデザイナー一回り成長したとしての実力を認めさせる準備が整ったのだ。

「先生は、一緒には来てくださらないんですか……?」

 少々弱気になった電撃子に対して、アンドレは首を横に振った。実は電撃子、一人前のデザイナーの証として、コインブラで開かれるプレタポルテ・コレクションに参加するのである。父クラウドボネが作る洋服が、制服や街着のように大量生産される安価な品であるのに対して、プレタポルテはシルクやオーガンジーなどの素材をたっぷり使った高級品。それらがずらりと出そろうコレクションは、デザイナーが自分のブランドの“今年のテーマ”を明確に打ち出す場となる。アンドレ・ジャンジールの愛弟子とはいえ、若手の電撃子には荷が重たい。

「私には待ってくれているお客様がいるから、コインブラまでは行けないワ。その代わりといっては何だけれど、コレを連れて行きなさい」

 アンドレの後ろからむすぅっとした顔で現われたのは、兄の電撃雄。前回は究極vs至高のコスチューム対決に破れ、ただの会計士に逆戻りしていたのだ。

「二人だけの兄弟なんだし、まあ“顔だけ”はいいから、その辺の猫よりは役立つでしょ」

「そ、そうだといいですね……」

 それでもまだ名残惜しげに辻馬車の周囲をウロウロする電撃子。仕方なくアンドレは小さな紙切れのような物を、胸ポケットから2つ取り出した。一つは古ぼけた写真のようだ。

「クラウドボネはねぇ、子供の頃から見た目どおりの頑固な男。もし、彼がいつまでも意地っ張りなら、まずこの写真を見せてみなさい」

「えっと、この屈辱的な姿勢を取ってる方がアンドレ先生ですよね?」

「逆だから!」

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
▲衝撃! 幼きアンドレとクラウドボネのスナップ写真が残っていた。今じゃ怖いものなしのクラウドボネも、子供の頃は弱かったらしい。

 アンドレが手渡したもう一つの紙は、しっかりとロウで閉じられた封筒だった。封を開けようとした電撃子の手を、アンドレは笑いながら止めた。

「そっちの封筒はね、ボネが天邪鬼でどうにもならない! というときに開けなさい。きっとアナタを助けてくれるはずだから」

 謎めいた言葉を残すと、アンドレは電撃子&電撃雄の兄妹を辻馬車に押し込め、コインブラへと送り出した。

◇◆◇

 コインブラ接見ホールは着飾った招待客で溢れかえっていた。舞台は完璧、オリジナルデザインのコスチュームは準備万端。自分の番をひたすら待ちながら、電撃子はチラチラと客席に両親の姿を探していた。しかし、どこにいても一目でわかる、父クラウドボネのオデコは見当たらない。

 やっぱりと思う気持ちと、晴れ姿を見て欲しい気持ちが入り混じる中、電撃子のショウが始まった……。

●電撃子デザイン、オリジナルコスチュームの数々

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回 『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
▲左から順にル スコルピオン ミステリュー(カリュケ)、グラディエイターアーマーコスチューム(ファイター)、ガーベラコスチューム(アデリーナ)▲エレメンタリストコスチューム(ウォーロック)&ストライフォームコスチューム(マスケッティア)
『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回 『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
▲コルセアロッソコスチューム(マスケッティア)&カペッツオロディペリッコロコスチューム(スカウト) ▲アルバエスコスチューム(ウィザード)&カミサソルダドコスチューム(ファイター)
『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回 『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
▲田舎にはモデル事務所もないため、急遽兄がランウェイに登場。ゲーム内では女性マスケッティアが圧倒的人気だが、男性も着せ替えが楽しくなるイケメンなのだ。

 結果から言えば、ショウは大成功だった。地元ゆえ顔見知りの業者も多数招待されていたが、“ぐらな堂”の跡継ぎとしてふさわしい内容だったと絶賛される電撃子。フリーペーパー『コインブラ・タイムズ』にもカラー写真で堂々と紹介されている。それなのに、クラウドボネからの連絡はない。しびれを切らした電撃子は、ついに直接対決(?)へと乗り出した。

「親を呼び出すとはいい度胸だな」

「ショウの結果はもうお父さんだって聞いているでしょう。私は跡継ぎとして申し分ない実力を見せたはずよ。お父さんの答えを聞かせて」

 コインブラ展望台で父に詰め寄る娘。沈みゆく太陽が影を作り、クラウドボネの表情を隠してしまっている。むっつり黙り込む父の態度に長期戦の予感を抱いた電撃子は、相変らずの短気さでアンドレから託された“クラウドボネの恥ずかしい写真その1”を突きつけた。

「この写真をコインブラの掲示板に貼られたくなかったら、とっとと私を後継者に認めるのね!」

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回

 一瞬、目の玉が飛び出そうに驚くクラウドボネだが「そんな40年近くも前の写真。ふんっ」とつぶやき、顔を背けてしまう。どうも逆効果だったようだ。慌てた電撃子はもう一つ、謎の封筒を取り出し封印をぺりぺりとはがした。何が入ってるのかは不明だが、アンドレはこれが最後の切り札になると教えてくれた。震える指で封筒の中身を探ると、何枚もの写真が出てきた。それもかなり新しい写真が。

「こっ、これは!!」

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回 『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回 『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回

 ああ、何ということだろう。電撃子がコインブラを飛び出して以来、娘が心配でならなかったクラウドボネはずっとずっと(文字通り)影から彼女を見守っていたのだ。……気持ち悪い。何のことやらわからない読者は、ぜひ前回の記事の写真をよーくチェックしていただきたい。

「アンドレのやつ、気がついておったか」

 昭和の男クラウドボネは愛情を表現するのがヘタクソな父親だった。ついつい娘が乗った辻馬車を尾行させ、無事にアンドレに弟子入りするまでストーキ……いや、見守ってしまったというわけだ。それがバレてしまい、照れて耳まで赤くなるクラウドボネ。父の不器用な愛に気がつく電撃子。こうして親子の絆は復活した。

◇◆◇

 それからさらに1年後、“ぐらな堂”は安価なレディ・メイドの洋品店から、上質かつ実用的なプレタポルテの店へと変わり、今も繁盛している。店を表で支えるのは若女将の電撃子。帳面をつけつつ裏で支えるのは兄の電撃雄。現役を引退した旦那と大女将は、毎月のようにギガンティアのビーチで昼寝をしているらしい。

 これにて『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載、『衣服を巡る冒険』は終了となる。美男美女のキャラクターに、数々のきらびやかなコスチュームを着せるという楽しみ方が読者に少しでも伝わっただろうか? 率直に言って、これほど新しいコスチュームを手に入れて、“スクリーンショットを撮るのが楽しい”オンラインゲームというのは、そうそうない。コスチュームの収集や着せ替えプレイ、キャラクターを使った脳内妄想ストーリーを組み立てるのが大好きという読者は、冒険やボスレイド狩りといったMMORPGらしさとは、またちょっと違うところにある『GE ルネッサンス』の魅力を堪能してほしい。

『グラナド・エスパダ ルネッサンス』集中連載 衣服を巡る冒険 第4回
▲撮影にご協力いただきましたダイアモンドワールド、Diamond党党員およびその他プレイヤーの皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。

(c) 2003-2010 IMC Games Co., Ltd.
Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

1 2

データ

▼『グラナド・エスパダ ルネッサンス』
■運営:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2010年8月12日
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

関連サイト