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2010年11月9日(火)

初心者が送る初心者のための『タクティクスオウガ 運命の輪』プレイレポート

文:サガコ

◆登場人物たちの意味深すぎる会話に注目!

 さて、こんなところで言葉を尽くしても始まりません。実際にはゲームの動画などを見て、各キャラ同士のやりとりなどを見ていただければ、ストーリーの魅力は一目でわかるかと思われます。

主人公 デニム・パウエル(名前変更可能):ゴリアテに暮らす青年。父親がさらわれたことをきっかけに、ウォルスタ解放の大義を掲げた戦争へ身を投じていく。

カチュア・パウエル:デニムの姉。2人きりの家族であるデニムに対しては、過剰なほどの愛情を注ぐ。デニムの身を案じ、付き添う形で戦場へと赴く。

ヴァイス・ボゼック:デニムの幼なじみ。ウォルスタ人が弾圧される現状に対し強い不満を抱いており、解放の思想に強く傾倒している。

 キャラクターは、Youtubeのスクウェア・エニックスチャンネルで、ぜひ確認してください。

 イベントは主に各キャラの会話で進行していくのですが、この会話が実に魅力的です。ひと言でいうならば非常にドラマティック。ムービーなどはほとんどなく、2Dキャラの動きと顔グラフィック+簡潔な会話でシナリオが進んでいくので、ものすごくダイレクトでダイナミックな言葉のやり取りが繰り広げられます。私は大河ドラマや海外ドラマに通じるものを感じるのですが、このダイナミックさが大胆すぎてクセになるンです。

 特にスゴイと思うのが、冒頭の写真でもご紹介したカチュアさん。オープニング直後から、「あなた弟の見てないところで本音かましすぎでしょ!!」と、見ているコチラがひやひやするほどのオンナっぷりを見せてくれます。正直、怖い。だが、それがイィ! 怖イィ!! 彼女の会話から垣間見える個性を、女の愛を! ぜひ全力で感じ取ってください。

 また、昨今の大作系RPGでムービー演出に慣れ親しんでいる人には、あらゆるシーンでキャラの動きと会話に注目していただきたいです。見事に心情を表現した、2Dキャラの細かい動作を見逃さないでください! ボイスさえないというのに、胸に迫るものが感じられたなら、もう『タクティクスオウガ』はあなたのもの……その積極的なプレイスタイルと世界への没入が、この作品をどんどんおもしろいものに変えていってくれるはずです。

 冒頭のプレイ動画も、Youtubeスクウェア・エニックスチャンネルで、ぜひ確認してください。

◆「でもS・RPGって難しいんでしょう?」
「そんな奥様のために新システムをご用意しました!!」

 さて、肝心のゲーム性はというと、本作はわりと歯応えたっぷりの本格派S・RPG。戦略を立てながらマップ上のユニットを動かして、敵味方入り乱れながら戦うタイプのゲームです。

 オーソドックスなRPGやアクションRPGはプレイするけど、S・RPGは難しいからご遠慮します……という方も多いのでは?

 よーし! それはもったいないから、今すぐ考え直しましょう!!

 確かに、どう見積もったところで難しくないとは申しません。しかし、システムを把握さえすれば、これがすっっごくおもしろいのです!! S・RPGを普段好んで遊ばない私が言うんですから、間違いないです。慣れてしまえば奥の深さに触れられて、すっかり夢中になれるはずです。

 本作では、遊びやすい工夫が随所に施されています。特に“運命の輪”と称される2種類のシステムが搭載されたことによって、格段に初心者が遊びやすい環境となりました。

●“運命の輪 C.H.A.R.I.O.T.”

『タクティクスオウガ 運命の輪』 『タクティクスオウガ 運命の輪』
▲バトル中のユニットの行動が50手前まで自動で記録されており、任意の手まで自由に戻ってやり直しができます。▲だから「失敗した!→ちょっと待った!→やり直し!」を気軽に実現。使っても大きなペナルティはないので、どんどん使ってよりよい戦略を体当たりで考えていけばいいのです。

 いちいちセーブ&ロードをしなくても、すいすいやり直せる機能は初心者にはありがたーい。しかも、使っていくと「こうすれば勝てる」という、よりよい方向性が自然に身についてくるんです。ホントにベンリな機能です。

●“運命の輪 W.O.R.L.D.”

『タクティクスオウガ 運命の輪』 『タクティクスオウガ 運命の輪』
▲ゲーム中の一定条件を満たせば使用可能となる機能。過去の特定の一場面に、時をさかのぼることが可能になります。

 “W.O.R.L.D.”を使えば、シナリオに設定された特定の一場面=アンカーポイントへ飛ぶことができます。イメージ的には……平たく言えば、タイムマシンのような感じでしょうか。時空を超えて、かつて救えなかったユニットを救出しにいったり、選択肢をやり直したりすることができるのです。これによって、(オリジナル版に比べて)複数ルートに分かれているシナリオを見るのが容易になりました。

 とはいえ、ボリュームは相当なもの。やりこみ要素も半端なく用意されているので、物語を堪能した後には、騎士団育成を極めて遊ぶ、というのもオススメです。これ1本で、100時間以上はラクラク遊べそう。ヘタしたら1,000時間でも遊べるのではないかという気がいたします。

『タクティクスオウガ 運命の輪』
▲“死者の宮殿”と呼ばれるダンジョンです。強いモンスターや秘密のアイテムが眠る!?

→縛りプレイや合成要素は3ページ目で!

(C)1995,2010 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
※画面は開発中のもの。

データ

▼『タクティクスオウガ 運命の輪』ダウンロード版
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PSP
■ジャンル:S・RPG
■発売日:2010年11月11日
■価格:4,980円(税込)

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