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2010年12月29日(水)

【電撃G’sオンライン】第5回では2010年を電撃G’sオンライン的に振り返る

文:電撃オンライン

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●7月~9月編 “ゾンビもの”“変態紳士”“世紀末”の大乱戦

次は7月~9月か。……あれ? ここ、いろいろリストから外れてると思うんだが、その理由が聞きたいな。
リストに入れたのは、個人的に見てよくも悪くも話題性の高かったと思われるもの。外したものといえば『みつどもえ』、『セキレイ~Pure Engagement~』、『生徒会役員共』あたりかな。好きな人ゴメンナサイ。
いや、なぜ理由を聞いたかというと、実は電撃オンラインの人気ランキングでは『生徒会役員共』が2位、『みつどもえ』が4位、『セキレイ』が14位という好結果だったからなんだよね。俺はこの3タイトルが大好きだし。人の好みはホント千差万別だよなぁ。
あの、あの、このクールは、やっぱり『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』と『ストライクウィッチーズ2』じゃないですか?
そうだね。『HIGHSCHOOL OF THE DEAD』は、お色気部分が突出して話題に登っていたけれど、それだけじゃない。ハリウッド映画のB級ホラーとしては定番中の定番である“ゾンビもの”。これをテーマにした原作を、日本のアニメで製作したというのは、実は初の試みだよね。『DEATH NOTE』を監督された荒木哲郎さんのもと、マッドハウスでの制作が非常によかったと思うよ。各話の最後に「このあとどうなるの?」って視聴者に思わせながら、最後までうまく引っ張ってた。ショッピングモールで終わる、っていう“ゾンビもの”の定番の流れを踏襲していたのも高ポイント。
原作信者から言わせてもらうと、その先が観られなかったことだけが残念ポイントだな。
『G’s』的に見ると、ヒロインの宮本麗ちゃんを差し置いて、毒島冴子先輩が大人気になったのが印象的でした。
演じる沢城みゆきさんの「濡れるっ!」が決定打だった。
『ストライクウィッチーズ2』は、皆さんご存知の通り。2期目だけど勢いも持続していて、さすがの出来だったと思うよ。
私も安心して観てました。
個人的には、このクールを語るうえで外せないのが『アマガミSS』! ギャルゲーのアニメ化ということで、物語をわかりやすくするために6人いるヒロインに対して、1人各4話の完全なオムニバスストーリーになってるんだ。これは前作『キミキス』で、主人公を増やしてしまった反省点を生かしてるよね。かつては、ギャルゲーのアニメ化というと、原作にある各ヒロインのルートをまとめて1本の物語にする形が定番だったけれど、最近はオムニバスも増えてきたよね。
“セーブポイントへもどる”っていう形ですね! 原作にハマって、アニメを観ようとしているギャルゲーマーからすれば、わかりやすくてすっと世界観に入りやすいかも。
アニメでは“変態紳士”という言葉を生み出した、主人公の超変態ぶりが結構再現されてて満足。原作からはさすがにパワーダウンしたけれど、地上波のアニメとしてはかなり変態度が高かった! ヒロインのお話はそれぞれおもしろいんだけど、特に後輩の中多紗江が最高によかったね。ようやく輝けた! って感じだなあ。
なぜか中田譲治さんのナレーションが全編に入っているという謎の仕様に始まり、制作側のはっちゃけぶりがすごかったな。楽しんで作りました、という感じが伝わってきたよ。いい意味で好き勝手に作って、うまく紗江のキャラクターを生かしたと思う。紗江の男性恐怖症を克服するために、主人公が教官となって「1分で体操服に着替えろ!」などといろいろな命令をしていく、という恥ずかしいストーリーなんだが、中田譲治さんのナレーションのおかげで最後まで観られた。逆になかったら恥ずかしくて観られなかったぞ、多分。
妹の美也は全編通してかわいかったなあ。阿澄佳奈さん大勝利! BD/DVDには、美也のオリジナルエピソードが入ってるらしいので楽しみ!
あとこのクールだと、『世紀末オカルト学院』もおもしろかったな。特に最終話。あれは熱すぎる。
そうだった! 『世紀末オカルト学院』は神アニメだよ! 僕はこれだけで2時間くらい軽く語れちゃうけど、本気出していいかな?
電車で帰れなくなっちゃうからダメー!
でも本当に素晴らしいアニメだったよ。アニメの力をまざまざと見せつけられた。毎回のストーリーのテンポのよさ、それぞれのキャラクターの個性を生かした展開は文句なし。一番すごかったのは、視聴者を置いてけぼりにするほどのラスト2話の超展開だね。これはみんなにぜひ観てほしいな、そこだけまったく別のアニメになってたし。
毎回、作品の舞台になってる1999年のヒットソングが流れたんですよね。なんだか懐かしかったなあ。
統括的にこのクールを見ると、結構乱戦模様だが、『HIGHSCHOOL OF THE DEAD』がベストでいいかな?

●10月~12月編 話題に事欠かないアニメが多かったんじゃなイカ?

そして、いよいよ10月~12月! このクールは楽しい作品が多くて、一番話が盛り上がりそうだなあ。
いい作品が多かったじゃなイカ!
多かったでゲソ!
早くも侵略されてる!
というのはさておき、このクールは『探偵オペラ ミルキィホームズ』で間違いない!
その通り! これは無視できない重要なファクターだと思います!
えええええ! まろみ的には今季は『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』が神アニメですよ。
これ、『HIGHSCHOOL OF THE DEAD』のおもしろさに近いよね。第1話からテンションがトップギアで、表現とかネタとか、毎回いろいろな意味でギリギリのアニメだし。だけど、脚本、作画、演出、どの面を取ってみても、クオリティはとても高い。この辺りはさすがガイナックスだよね。『天元突破グレンラガン』や『FLCL(フリクリ)』などの過去作品でも使われた演出が組み込まれているし。日本のトップにいるアニメーターを本気で集めて、本気でバカなアニメを作ったらこうなった、っていう見本みたいなアニメだよね。
私はあまりに好きすぎて、『パンティ&ストッキング』のグッズ情報がないかちょー探してます! 私の中ではダントツ1位! で……2人は『ミルキィホームズ』でいいの?
『ミルキィホームズ』はめちゃくちゃいいアニメだぞ。異様なほど話のテンポがよくて、毎回細かいパロディネタが入っていたのもよかった。第4話の危なすぎるパロディには度肝を抜かれたしね。個人的には、今年NO.1のアニメだったと本気で思う。
僕は、割り切ったストーリー展開が気に入ったよ。普通のアニメなら、作品のキーになる超能力のトイズの説明をしながら、それを生かしたストーリーで1クールくらい進めちゃうもんだけど、『ミルキィホームズ』は違った。いきなり説明なしにバトルを始めたあげく、トイズを失わせる超展開。ゲームとアニメの世界観のつながりについても、一切説明なし! いさぎよくてよろしい! 本当の意味で最後まで展開が読めないから、観るのが毎回楽しいんだよね。
あと、このクールで話題になったといえば『ヨスガノソラ』だな。
アニメの評判がすごくて、18禁の原作ゲームがたくさん売れたって聞きましたよ。
『ヨスガノソラ』のすごいところは、原作の美少女ゲームを“忠実”にアニメにしたところだよね。「アニメで放送できるの?」と思えるようなシーンもそのまま制作しちゃった。そのせいで放送時はかなりの規制がかかってた。それが逆にソソる演出になったところもあったけど。
挿入歌の『ツナグキズナ』~エンディングのももいろクローバーの曲にかけて、かなりおもしろかった。
『ヨスガノソラ』はストーリー展開だけじゃなくて、『アマガミSS』同様、ヒロインごとのオムニバスストーリーになっているのも、原作にある意味忠実だよね。次号予告で「2話の最初に戻ってくださいね」って呼びかけるのは斬新すぎた試みだと思うよ。個人的には、高橋丈夫さんの演出に感動したなあ。この作品でも、その天才ぶりがいかんなく発揮されていたよ。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と『とある魔術の禁書目録(インデックス)II』は、4月~6月同様何も言うことはない! 次行こう!
そして『侵略! イカ娘』じゃなイカ! ミニイカ娘がとにかくかわいかったでゲソ。毎回ミニイカ娘の話をはさんじゃイカんのか?
イカ娘はいろんなところとタイアップをして、侵略していってるよな。アニメを観て侵略されてる人も続出してるし。語尾に「イカ」、「ゲソ」をつける人がいっぱいだったでゲソ。
こういう2人のことですね^^ あと私は『そらのおとしものf(フォルテ)』も大好き!
『そらおとf』は第1話からすさまじいハイテンションだったのに、まったくその勢いが衰えないから、観ていてすごくおもしろいよね。1期から通じて、テンションの持続具合が素晴らしい!
『もっとTo LOVEる-とらぶる-』もおもしろいな。前期よりも原作寄りのテンションで、かなり評判がいい。
ということで、10月~12月は『俺の妹』が一番よかったということで! ひと言も語ってない気がするけど気にしない!
あ、あ、あれ? いいのかなあ……このまとめ。

●2010年アニメのキーワードは“生徒会長”!?

全4クールを見てきましたけど、2010年のアニメ全体を振り返ってみてどうですか?
そうだね、まず、キーワードをあげるなら“生徒会長”かな。
おおー、その心は?
よく見てみると、人気作品のキャラクターには生徒会長が必ずいるんだよね。『Angel Beats!』の天使ちゃん、『けいおん!!』の和ちゃん、『ミルキィホームズ』のアルセーヌ、『そらおとf』の五月田根美香子とか。そして、『生徒会役員共』、『会長はメイド様!』と生徒会そのままをアニメにした作品も多かった。
ホントだ!
女の子にボコボコにされる男の子、っていう構図の人気作も多かったね。そういう男の子の方は、たいてい福山潤さんが演じてるんだよなあ。
声優さんで見るなら、今年は竹達彩奈さんの大躍進で決まりだろう。俺的声優アワード受賞者だな。
2010年の美少女キャラ系TVアニメで『けいおん!!』『Angel Beats』の殿堂入りは間違いないとして、あとは『HIGHSCHOOL OF THE DEAD』、『ミルキィホームズ』、『パンティ&ストッキング』……。
ハッ……これは東京MX大勝利!!
それだ!!
ええええ! それでいいの?

●2010年は劇場が燃えた!

それじゃあ、TVアニメをはなれて次は劇場版にもいきますか。今年はとても劇場版が多かったですよね。
2010年はTVアニメもおもしろかったけど、それ以上に劇場版の熱い年だったなあ。個人的には2010年は劇場版の年。その中でも『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』はやっぱり大勝利!!
私は劇場版はあまりピンとこなかったなあ。
まあ、まずは『涼宮ハルヒの消失』かな。これは僕2回観に行って2回泣いたよ。最後のシーンでさ、こう会場が水を打ったように静まり返ってさ、そこで茅原実里さんが歌う『優しい忘却』が流れるんだよ。もうさ、震えるよね。あのシーンは本当にすごい。京都アニメーションの底力だよね。『涼宮ハルヒの消失』は100人見たら100人泣く。そういう作りになってるもの。
泣くといえば、劇場版『Fate/stay night - UNLIMITED BLADE WORKS』も泣いた。アーチャーと衛宮士郎が戦っているシーンとか、士郎とギルガメッシュが戦っているシーンがカッコよすぎて泣ける。原作好きな人にはぜひ観てほしい作品だな。普通劇場版を制作する場合は、原作を観ていない人のために最初に説明をしっかり入れるものだが、本作はそれを一切排除してる。映画を観た人それぞれが、そのシーンを勝手に補完してくれ、っていうスタンスだな。なぜなら、原作好きな人にとってみれば、それは余計なストレスだから。ファンにとっては「ここを大迫力のアニメーションで見たかった!」というシーンだけを切り取ってつなげているような、素晴らしい作品になってると思うぞ。
同じく、原作をしっかり観てから劇場版を観てほしいものといえば、『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』。きっと初めて劇場版を見ると、目の前で展開するストーリーについていけずに終わった直後は何が起こったのかわからないと思う。でも、しばらく時間を空けて考えなおしてみると「ああ、あれは名作だったのか」って思える、不思議な作品になってるよ。『宇宙ショーへようこそ』も同じような作品だったなあ。
『劇場版 機動戦士ガンダム00』はいい作品だった。いろいろ観たけど、個人的には今年の劇場版アニメで一番好きかな。
……劇場版『なのは』はやっぱりすごかったんだよねえ? のぐたんは当然……。
は? 複数買いだよ! 当たり前でしょ? 7枚買いましたがなにか!? そのうち、6回観に行って6回泣いたよ! さすがに、もう6回目は泣かないと思ってたけど6回目が一番泣いた。もうね、なのはちゃんとフェイトちゃんがリボン交換するところで館内にいる全員号泣。すっごいボロボロ。いい話だったなあ……。
愛が本物過ぎてコメントに困るな。触れたらいけない。
そんなわけで、“電撃G’sオンライン”的に振り返ってみました2010年! 皆さんにとっては、どんなゲームやアニメにハマった年でしたか? 2011年もこのコーナーでは最新の美少女タイトルについていろいろ対談していくので、どうぞよろしくお願いいたします!
電撃G’sオンライン

イラスト:夏宮ゆず

データ

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