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2011年2月24日(木)

【あの思い出をもう一度……MMO卒業白書】第4回は『鉄鬼』

文:電撃オンライン

 新しく生まれるオンラインゲームがあれば、また一方で去り行くタイトルもある。サービス終了の裏側には開発/運営会社の様々な事情がある。

 そんな事情とは無関係にただ一心にそのタイトルを愛し、遊び続けたプレイヤーたちがサービス最終日をどんな風に過ごしているのか。その様子を取材すべくオンラインゲーム(MMORPGに限らず)を心から愛する筆者が最終日にゲーム内を訪問。プレイヤーさんにタイトルへのや愛を語ってもらったり、しみじみと思い出に浸るというのが『MMO卒業白書』の目的だ。

 第4回はゲームヤロウが日本サービスを開始し、2月23日11:00をもって終了となった、PC用オンラインACT『鉄鬼』の最終日にログインしてみた。

『鉄鬼』 『鉄鬼』 『鉄鬼』

■天然資源を巡る世界規模の戦争で荒廃した、近未来の地球が舞台のTPS作品

 『鉄鬼』は近未来の地球を舞台に、残されたわずかな天然資源を巡り、三カ国による三つ巴の戦いが繰り広げられるPC用オンラインACTだ。弱小国を押しのけて争い続ける超大国AUと、複数の小国が軍事的・経済的協力体制を構築した連合国家WAL、軍事力拡大を目指す新興国家GURUNITIA。プレイヤーはGURUNITIA(グルニティア)の機動部隊、ジェイムス・ブライ中隊長率いる“72 Metal Ghost(メタルゴースト)”に所属し、前線へと赴くこととなる。

『鉄鬼』 『鉄鬼』

 過去記事で何度かお伝えしているが、『鉄鬼』の魅力はまず何よりも洗練された機体のデザインにあった。ロボットもののゲームは他にも存在するが、その多くはデフォルメされたコミカルな見た目を採用している。本タイトルに登場する全8種の基本機体は、リアルかつクールなデザインが特徴。鈍く光る金属ボディ、飛び散る薬莢と前線にたちこめる硝煙……。特撮映画に出てくるようなガッチガチの装甲メカに搭乗し、敵機を撃ちまくる! という男の子の夢を実現できたオンラインゲームは、『鉄鬼』だけだった。

■『鉄鬼』日本サービスの歩みを振り返る

 本タイトルは韓国ゲームハイが開発を手がけ、原題は『METALRAGE(メタルレイジ)』。開発当初から日本でのサービス展開を視野にいれており、2008年10月には子会社であるゲームヤロウが日本の運営元としてティザーサイトを公開。2009年の11月10日に都内で今後のスケジュールとクローズドベータテスト概要に関するプレスカンファレンスを開催し、2010年1月27日より正式サービス開始となった。

 従来のオンラインゲームにはない、リアルかつ大迫力のロボット戦闘が楽しめるという特徴は、ベータテスト開始前から高い注目を集めていた。プレイヤーが操作できる全8種の機体は、それぞれ戦闘スタイルや能力に大きく差があり、役割分担がはっきりしていたことや、FPS/TPSタイトルではあまり見かけない、味方の回復が専門の支援機体が存在していたこと。さらに最大で16人 vs 16人という中規模戦が可能という点は、シューティングに苦手意識の強いカジュアルゲーマーへの敷居を下げ、『鉄鬼』は好調な滑り出しを見せた。

『鉄鬼』 『鉄鬼』
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 サービス開始直後はデスマッチ、サドンデス、爆破、占領の4つのゲームモードでマップの種類も少なかったが、2009年のオープンベータテスト中にボス戦モードを、2011年1月にはキャンペーンモード、奪取などの新しいモードも追加。特にキャンペーンはバックストーリーであるAU国との戦いを描いたCO-OPモードになっており、キャンペーンが追加されるたびに物語も進行していく楽しみを用意。その他、日本展開として有名メカデザイナーの明貴美加氏、石垣純哉氏の2人による描きおろしデザインがゲーム内に実装される、という話もあったが、残念ながら実現には至らなかった。

『鉄鬼』 『鉄鬼』
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■さあ“VELOX”の思い出を語ろうじゃないか

 『鉄鬼』はMMORPGと違ってチャットルームなどが無く、残念ながらサービス最終日に個々のプレイヤーさんにインタビューをお願いするのが難しかった。そこでクローズドベータテストから本タイトルをプレイし続けたファンである筆者が、整備型機体VELOXへの愛と思い出を語っちゃいます。いつもよりほんの少しだけ、感傷的な文章になっている点はどうか許してください!

 2009年の東京ゲームショウで、入り口に1/2サイズの狙撃型機体“BLITZ”が美人コンパニオンと共に登場したことを覚えているだろうか? また『鉄鬼』のオリジナルフィギュアが数パターン制作されていたのだが、こちらもメインはBLITZ。さらに韓国で作られたムービーは、ブーストをかけながら爆走する軽量型機体VANGUARDに、ブースターが付いてないBLITZが余裕で追いつくというありえない内容だったり、「どんだけBLITZ優遇なんだよ!」と思ったプレイヤーもいるはず。筆者もだいぶ以前、当時のプロデューサーに質問してみたのだが、なんでも韓国ではBLITZのように脚がいっぱいあるメカの方が、圧倒的に人気が出るそうだ。

『鉄鬼』 『鉄鬼』

 しかし、国内では当時の画像掲示板、自由投稿掲示板などをみる限り、ヴェロたんこと整備型機体“VELOX”の人気が高かった(注:筆者の目から見て)。キャラメルを上下につなげて、脚を生やしたような単純なボディ。BLITZ同様にブースターが無く、体を左右に揺らしながらヨチヨチと傷ついた味方の元へ駆けつけるその後姿は、本当に愛らしかった。

 防御も攻撃も貧弱なヴェロたんのお仕事は、とにかく死なないように周囲に目を配り、傷ついた味方を1秒でも早く前線に戻すこと。この使命感こそが、VELOXプレイヤーに右手人差し指が痛むまでクリック! クリック!させたのだ。もちろん高速整備テクニックのタイミングをマスターしてるのは必須である。デスマッチモードではKill数稼ぎのため敵に狙われやすかったヴェロたん。しかし、調子に乗って攻めてくる敵DUALをかわしつつ、盾が開いた瞬間HW-5を撃ち込み、よく返り討ちにしたものだ。あの瞬間「VELOXだと思ってナメんじゃないぜっ」と鼻息を荒くした同胞も、きっと多いはずだ。

『鉄鬼』 『鉄鬼』
▲左クリックを連打するだけの簡単なお仕事。油断してると後ろから焼かれます(もしくはパンチ)。

 あくまで個人的な感想になってしまうが、『鉄鬼』は銃器を連射しても照準がブレない上に当たり判定がゆるめ。ヘッドショットが存在せず(メカだし)戦闘不能になりにくい。そして個性がはっきり打ち出された魅力ある8つの機体や、カジュアルゲーマーに適したバランスが人気の理由だった。冒頭でも述べたとおりFPS/TPSタイトルは数多くあるが、このメカメカしさ、男の子の夢を実現したようなタイトルは『鉄鬼』のみ。代替の利かないタイトルだっただけに、サービス終了が惜しまれる。

 最後に我が愛機“でんこちゃんMKII”の勇姿をご覧いただきつつ、今回の卒業白書を終わりとしたい。あれ、なんだろう……急に目の前がぼやけて、ヴェロたんの姿がよく見えないよ……?

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さらば、私の愛した『鉄鬼』……
『鉄鬼』

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