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2011年4月12日(火)

三国志本来の物語が満載! 『真・三國無双6』鈴木プロデューサーに迫る【前編】

文:電撃オンライン

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――新勢力の晋に行きたいと思います。まずは司馬師からお願いします。

『真・三國無双6』

 このキャラは、司馬一族の台頭を語る上で、なくてはならない人物だからです。服装は、彼の性格を表現しています。威厳がありながら、活動しやすい服装をコンセプトに、外だけでも中身だけでもダメという司馬師のスタンスを軸にデザインされました。また、「『無双』一の美形を作るつもりで!」と言って、顔を作りました。

 優雅で冷静に見せかけて野望もやる気もかなり熱い存在として描いています。武器ですが、主人公格としてスタンダードなもので、鋭いイメージから細剣を選択しました。

――司馬師の弟で司馬昭ですが、軽いイメージのキャラですね?

『真・三國無双6』

 選んだのは、言うまでもなく三国時代を終焉に導いた、必要不可欠な人物だからです。服装ですが、兄の司馬師と好対照になるようデザインされています。裾の模様は共通ですが、それなりに仕立てと生地はいいのに、彼の性格そのままに着崩しています。顔も笑っていても引き締まった顔の司馬師と対照的に、崩れたニヤケ顔をデフォルトとしました。

 意識しているのは、いい加減でやる気のない存在から、試練を経て成長していく姿を出すことです。司馬師と同様、主人公格であることからスタンダードな武器にしつつ、その中でも豪快なイメージを持つ刀を選びました。

――次は、無骨な印象を受ける鄧艾について。

『真・三國無双6』

 叩き上げの将軍として、重厚なキャラ枠で選定されました。歴戦の武将らしく、鍛え上げられた実戦的筋肉を強調するデザインになっています。ただし、使われている金属は晋勢力らしい軽金属です。またバンダナを目のすぐ上で縛り、あまり表情がわからようにし、寡黙さに説得力を出しています。

 描きたかったのは、人に対しても仕事に対しても不器用なほどに誠実な人物ということ。無骨なイメージと晋という次世代の武将の両面から、巨大で仕掛けを持った武器である螺旋槍を選択しています。

――続いては、司馬昭の妻にしてツンデレの王元姫。

『真・三國無双6』

 賢女としてエピソードが残っている存在で、司馬昭を支える女性として描きたかったので入れました。王元姫は真実を見抜く瞳の持ち主として、大きな瞳を強調した顔立ちになっています。また、飾り立てすぎない清楚で透明感のある服装も、彼女の性格を表現しています。ちなみに袖の模様は司馬昭とおそろいです。

 ツンデレのデレをどこで出すかは、かなり考えました。武器は、小柄な王元姫に似合うように、サイズが小さく素早い攻撃が可能なヒョウにしています。

――鍾会はどうでしょう?

『真・三國無双6』

 鄧艾と対照的な若きエリートとして、物語に深みを持たせられそうだったので選びました。次世代が多い晋勢力の中でも、一番若い将ということで、未来的なデザインがコンセプトです。身体のラインを強調する軽い金属で作られた鎧は、その異質さを強調し、変形マントも一筋縄ではいかない彼の性格を表しています。

 若気の至りキャラとして、これでもかと自意識、自信過剰ネタを台詞に盛り込みました。鄧艾とは対照的に、しなやかで小癪(こしゃく)なイメージから、複数の剣を自在に操って敵を追い詰める飛翔剣を選びました。

――諸葛誕はとにかく固くて、融通が利かないという印象を受けました。

『真・三國無双6』

 選定したのは、悪人でない人間が運命のいたずらで……というストーリーを描きたかったからです。諸葛誕は見た目に堅物にしたいということで、ガチガチに固めたオールバックと首もとまでしっかり止めた詰襟のデザインになりました。両手にはめられた白い手袋も、神経質さを強調するためです。また、額に常に浮いている血管の筋もこだわった点です。

 コンプレックスがいいほうにも悪いほうにも働くキャラになるよう気をつけました。武器は、諸葛亮の一族であるという設定から、同じ得物である羽扇を選びました。

――続いては、夏侯一族の夏侯覇。

『真・三國無双6』

 生き残るために手段を選ばない若さと身軽さを、エピソードとして盛り込みたかったので。夏侯覇は輝く全身鎧のキャラを作りたいということでデザインされました。また、兜を取ったら意外に童顔という演出をやりたかったので、顔が隠れる兜とセットでデザインされています。このように金属を多く加工した鎧で、晋の文化度の高さも表現しています。

 父である夏侯淵と似たところがありながら、もう1つ身軽な感じに仕上げました……重装備ですけど(笑)。全身鎧という重装備に見合う武器ということで、大剣にしました。

――最後に郭淮をお願いします。

『真・三國無双6』

 裏切るものあれば忠義を尽くすものがある……ということで、信念を貫く人物を描くために入れました。郭淮はとにかく病弱さを全開にしたデザインになっています。不健康そうな顔、青白い肌の色、ガリガリのあばら、どれをとっても今にも倒れそうな感じです。また、鎧を着るのも重くて耐えられないだろうということで、布の服を着ています。

 気をつけたのは、病弱さが重苦しくならないようにすること。連弩砲を選んだのは、この病弱さが関連しています。病を押して懸命に戦うイメージから、重く凄まじい爆発力を誇る武器にしようと考えました。

――既存のキャラクターのデザインも結構変わっているように感じられたのですが、いかがでしょう?

 『真・三國無双4』から『真・三國無双5』の時にかなり変えようと意識していたのですが、今回もかなり変えるように指示を出しています。

 明日掲載する後編では、武器やクロニクルモード、そしてコラボについて質問している。ぜひそちらもチェックしてほしい。

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