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2011年4月23日(土)

“自分で選ぶことができる”のが『AC』!! 『アーマード・コア V』インタビュー

文:電撃オンライン

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■『AC』は自分で選択するゲーム

『アーマード・コア V』

――話がキレイにまとまりかけましたが、まだまだお聞きしたいことはあります。ACがサイズダウンしたことから生まれる変化の流れで、戦術はどう変わっていくのか、というお話を聞いてきましたが、『AC』の特徴の1つであるスピードにも変化があるのでしょうか?

 それは絶対速度ですか? 絶対速度でいうと、たぶんシリーズ史上一番遅いです。時速160キロくらい。どんなに頑張っても時速200キロ出るか、出ないかといったところですかね。これは、スケールが小さくなったからというのもあります。ただ、ハイスピードアクションを維持する以上、体感するスピードは下げないように工夫しています。さすがに『4』並みとは言わないですけど、今までより特別遅いと感じることはないと思いますよ。

――スピードを感じさせる工夫というのは、たとえばどのような試みですか?

 人間は絶対的な速度というのは感知できないので、何かと相対的にスピードを認識しているんですね。だから何をしたらスピード感があるかということは、改めていろいろと研究しました。たとえばその工夫の1つとして、ゼロからトップスピードへ加速するまでの時間でスピード感を演出することもしています。舞台が市街地などでもあるので、動いたり、止まったりという動きがこれまでよりも多くなっていますし。他にも、単純なトップスピードとは別の部分で速度を出して、ハイスピードアクションというものを作っています。

――ACで変わったのはスケールやデザインだけでなく、操作方法もなんですよね?

 これまでの操作からは、大きく変更されています。新しく入る方は、これまでよりも慣れるのは早いと思いますよ。先日、海外向けの取材があった時に、初めて『AC』を触る方にプレイしてもらう機会があったんです。けれどその方は、初見でちゃんとACを操作できていましたから。どれだけゲームがうまい人でも、これまでの『AC』はいきなりコントローラを渡されれば、ちょっと練習が必要だったと思うのですが。

――操作方法が一番簡単になったというのは、前にも話していましたよね。

 だからといって、“機体をいかに自分の思い通りに動かせるか”というテクニックまでは、入り口の敷居ごと取り払ってはいません。開発チーム内でも、人によって腕前の差は全然違いますし、これまで通りテクニックを磨くことができるゲームになっています。そこは安心してほしいですね。

『アーマード・コア V』

――単純に、操作方法を簡単にしただけではないということですか?

 練習した分、それが実感できるゲームなのは間違いありません。練習によってうまいかヘタかの差がでなければ、たとえば機体を組み替えることの意味もなくなってまいます。それは“自分で選ぶことができる”という『AC』の根本を否定することになる。ですから、操作方法を簡単にするといっても、それは『AC』であることを残しつつ、これ以上ないくらい簡単にするということなんですね。

 簡単にした上で、ちゃんとテクニックがあって、ゲームとしてやり込めるし、上級者のプレイを初めて見た人が「どうやってあんな動きをするの!?」と思えるものにする。言うまでもない話なので、ディレクターにはわざわざ説明したことはないですけど、「今まで一番簡単な操作で」という言葉の裏には、そういった前提があります。

――なるほど。ところで、『ACV』ではボタンが余るという話を伺ったのですが。

 当初は余りましたが、結局は全部埋まりましたね。十字ボタンが空いていたんですけれど、そこにボイスチャットを使わない時のための簡易テキストなどの機能を入れたので。

――それは便利、というか必要ですよね。ヘッドセットがなくても『ACV』はやりたい、という人も多いでしょうし。やっぱりチームプレイやチーム戦がどういうものなのか、体験してみたいです。

 オンラインでつながって、プレイヤーが1つの世界で戦い、それをチームでやるというところが、『ACV』になって我々が一番新しいと思っているところです。そういう遊びは、今までの『AC』にはなかったので、ぜひ1回やってほしいですね。ただそれは半分、僕らのエゴであるのも同時にわかっていますので、オンラインにつながっても1人で楽しむ方法はちゃんとありますよ、ということは理解してもらえるとうれしいです。オンラインに完全にシフトして、今までの『AC』はもう過ぎたことですよね、と考えているワケではありません。“自分で選ぶことができる”のが『AC』ですから。

――さらにできることが増える『ACV』、期待しています。今日はいろいろとお話を聞かせていただいてありがとうございました。

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