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2011年6月8日(水)

爽快感は次のステージへ! PS Vita『真・三國無双(仮)』インタビュー

文:ごえモン

『真・三國無双(仮)』
▲コーエーテクモゲームスのブース。

 コーエーテクモゲームスから発売されるPS Vita用ソフト『真・三國無双(仮)』について、E3 2011の会場で小笠原賢一プロデューサーにインタビューを行った。

 『真・三國無双(仮)』は、PS Vitaのローンチタイトルとして開発されている『真・三國無双』シリーズの最新作。PS Vitaのタッチパネルや背面タッチパッド、ジャイロ機能を使うことで、これまでにない直感的な操作と爽快感を楽しめるという。

 インタビューでは、本作のプロデューサーを手がける小笠原さんに、『真・三國無双(仮)』の開発経緯や魅力についてお話を伺った。その他、PS Vitaならではの新システムや機能についても聞くことができたので、ぜひチェックしてもらいたい。

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『真・三國無双(仮)』

――今回PS Vitaのローンチタイトルで開発された『真・三國無双(仮)』は、これまでのシリーズとは異なる完全新作なのでしょうか?

 そうですね。登場キャラクターは『無双6』のキャラを基本に構成しているのですが、ゲームシステムやアクション部分のシステムは、PS Vita用に据え置きとは違う形で搭載されています。携帯機も進化していくべきだろうと考えていますから、PSPのローンチタイトルとして開発した時と同じように、PS Vitaという新ハードらしい『無双』シリーズを作ろうということで、新しい『無双』の1作目として開発しています。

――PS Vitaらしい『無双』ということですが、どのような新規要素があるのでしょうか?

 一番わかりやすいのがアクション部分で、PS Vitaで『無双』を作ろうとなった時の出発点が「どうせなら、PS Vitaの機能をめいっぱい使ってやろう」だったんです。特にフロントのタッチパネルや背面タッチパッド、ジャイロセンサーなど、これまでの『無双』には実装されていないものをすべて搭載するよう、アクション部分を作っています。

――お話に出た、新アクションというのはどのようなものがあるのでしょうか?

 『無双』シリーズには、ゲージをためて必殺技を放つ“無双乱舞”というものがあります。ですが今回は、別の位置づけの乱舞技を作ろうと思いまして“神速乱舞(仮称)”というアクションを追加しています。

――“神速乱舞”とはどのような乱舞技なのでしょうか?

 PS Vitaの背面タッチパッドを使った乱舞技です。発動させると、ゲーム中の時間が遅くなったような演出を入れ、プレイヤーが背面タッチパッドで指定したようなアクションを武将が行います。たとえば、まだ仮の技ではありますが、趙雲(ちょううん)がジャンプをした後に槍を地面に打ち付けます。その間、背面タッチパッドを指で叩いてやると、叩いたカ所に火柱が上がり、敵を攻撃することができます。

 これまでの“無双乱舞”は、わりと敵を一気に倒すものが多かったのですが、今回はコンボのチェーンのような要素を特徴付けてアクションを構成しています。ですから“神速乱舞”は、チェーンを稼ぐのに適した技になっています。

――背面タッチの連打具合、速さで技の威力は変わってくるのですか?

 今回の仮の技ですと、背面を叩けば叩くほど火柱が上がるので、攻撃力ではなく個数が増加し、よりコンボ数を稼げるようになっています。

――“神速乱舞”のバリエーションですが、各キャラすべて違うものを用意されるのでしょうか?

 キャラクターすべてが違う形にはなるかどうか、現状は未定ですが、キャラごとに別々の技が設定される予定ではあります。

――“神速乱舞”の他には、どのような新アクションがあるのでしょうか?

 こちらも正式名称が決まっていないのですが、E3版では“direct break”となっているものです。先ほどチェーンコンボをフォーカスしていくとお伝えしましたが、そのチェーンによってたまっていくゲージが、“無双乱舞”とは別にあります。そのゲージがたまることで、画面上の任意の場所をタッチすると出せる必殺技がdirect breakです。本作ではステージのインタラクティブ性を上げたいと思っているので、普通に戦っていたら届かない場所にも発動して攻撃できるような必殺技になる予定です。

――タッチを使った必殺技を発動した際に、これまでとは違って視点が操作キャラの肩越しから見るようになっていますが、なぜこの視点にしようと思ったのですか?

 せっかく携帯ゲーム機用に新しい一歩を踏み出すので、なるべくシリーズの中でやりたかったけれどやれなかったことを、表現部分にも取り入れようとしています。その一環として、タッチ必殺技や一騎打ち時には、肩越しの視点に変わるようになっています。

 パッド操作だと、どうしても操作のしやすさと見た目の折り合いが無難なところに落ちついしまう傾向にありました。タッチというインターフェースであれば、直感的に見てわかるので今回取り入れました。一騎打ちについては、これまでも似たようなシステムはあったのですが、より一騎打ちの形を追求できるように、操作や視点、そしてゲーム性についてもガラっと変え、しっかりと表現できるように取り組んでいます。

――一騎打ちについては、タッチ操作が重要になってくるのでしょうか?

 そうですね。今回のデモバージョンでは、一騎打ちについてはすべてタッチ操作です。フロントとリアの両方を使って、やり取りをすることになります。

――今回はどのようなゲームモードが搭載されているのでしょうか?

 名前はまだ決定していないのですが、これまでのシリースと同様に、三國志の歴史を1人で楽しむモードが1つ。また今回は3G回線が使えるため、ネットワークにつなぐことで、他のユーザーさんとソーシャル的なつながりを持たせることで、おもしろさや意外性を感じられるモードも搭載されています。

 このモードは、3G回線につないだほうが変化やバリエーションを楽しめるようになっています。頻繁につながず、1日に1回や数日に1回つなぐだけでも変化があらわれるようなモードですね。

――今回はクロニクルモードは搭載されないのでしょうか?

 クロニクルモードはありません。

――『真・三國無双6』をベースに開発されたと最初にお聞きしましたが、晋などのキャラクターがそのまま登場したり、新規キャラクターが登場したりすることはあるのでしょうか?

 『真・三國無双6』の登場キャラは出てきますので、ご安心ください。現状で言えるのはここまでですね。

――『真・三國無双6』では武器を2つ装備することができましたが、『真・三國無双6』がベースということは今回も2つなのでしょうか?

 今回は、これまでのシリーズ同様に1つの武器を装備させて戦います。新規以外のアクションだと、通常攻撃の他にチャージ攻撃を採用しています。

――新作のテーマについて教えていただけますか?

 広く言うと、PS Vitaは最初、コードネームがNext Generation Portableでした。そのローンチに合わせる形の『無双』ということで、『無双』のNext Generationを追求しなければいけないだろうと考えていました。ユーザーさんが期待している部分もあるとは思いますが、次のステージへいろいろチャレンジしていこうというのが、大きな1つのテーマです。

――ちなみに、現在のデモバージョンの開発状況は何%ぐらいになるのでしょうか?

 本当にまだまだという状態なので、言葉にするのは難しいですが、30%といったところでしょうね。

――本作の魅力や注目ポイントを教えてください。

 必殺技としてタッチ操作を活用した、新しい爽快感をしっかり表現している点。先ほどもお話した画面の見せ方。また、『無双』シリーズは“敵を倒す”という意味で言うと、勝利条件を目指してザコを倒して、本陣を落とすなり総大将を倒す、わりと一様なゲームになっていたと思います。

 今回はゲームの起伏やメリハリを与えようということで、アクシレンタルバトルという形でシステムを実装しています。いい意味でプレイヤーに緊張していただけるように、そのシステムを随所に入れて、ゲームテンポを起伏の激しいものにしているので、今までのシリーズにない次のステージの爽快感をぜひ楽しみにしていてください。

――今回は操作にタッチを使うということは、ゲームが苦手な人にも配慮されているのでしょうか?

 チームの中のコンセプトの1つに、一騎当千の爽快感をダイレクトに感じてもらいたい、というものがあります。やはりダイレクトな要素の代表的なものが“わかりやすい直感的なインターフェース”になると思います。

 誰にでもわかるようなインターフェースがあると、ゲーム性を変えるチャレンジをしやすいんです。今までのボタン操作をアレンジしようとすると、ユーザーが混乱してしまうこともあるでしょう。それがタッチ操作なら、こうスライドすればこうなる、と視覚的にもわかります。本作の直感的な爽快感は、ゲームが苦手な人にも楽しんでいただけると思います。

――それでは最後に、読者にメッセージをお願いいたします。

 直感的に楽しめる新しい機能性は、PS Vitaの新作の中で一番お伝えしたい要素です。今までの一騎当千とどう違うのか? 触っていただければ、すぐに伝わることと思いますので、まずは一回手に取っていただき、体感していただければとうれしいです。

――東京ゲームショウでは、実際に触ることはできるのでしょうか?

 おそらく東京ゲームショウが開催される時期なら、皆さんに触っていただけるような状態で展示できると思いますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

『真・三國無双(仮)』

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