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2011年6月17日(金)

少年よ、LBXを駆る勇者となれ――『ダンボール戦機』の世界とは?【レポ前編】

文:電撃オンライン

■こんなロボット、あったら絶対に欲しいっ!

 最初はやっぱり、本作の主役ともいえるLBXについて触れておかないとはじまらない。先ほども書いたとおり、LBXとは2050年に発売されている、ホビー用の小型ロボットのこと。個々のLBXは、CCMと呼ばれる端末で操作することができ、強化ダンボールのジオラマ内でLBX同士を戦わせるLBXバトルは、今や子どもたちの間で空前のブームとなっていた――という設定だ。

 ロボット好きの筆者など、これだけでもう「欲しいっ!」と思ってしまうのだが、LBXの最大の特徴は何といってもその柔軟なカスタマイズ性にある。LBXは骨格となるコアスケルトンと、外装にあたるアーマーフレーム、CPUやモーターといったコアパーツ、そして多彩なウェポンによって構成されており、パーツを組み替えるだけで外見や性能を自由にカスタマイズすることが可能。また各パーツは使えば使うほどにレベルが上がっていくため、比例して“自分のLBX”への愛着もどんどん深まっていく。自分の戦闘スタイルに合ったパーツを見つけ、バトルを重ねてそれを使いこなしていく感覚は、ミニ四駆のカスタマイズにちょっと近い。

『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
▲カスタマイズ可能なパーツは合計2,500種類以上。どんなウェポンとアーマーフレームを装備するかによって、LBXの基本的なバトルスタイルが決まる。

 また感心したのが、LBXやパーツを単なるデータの集合とせず、ちゃんと“本当にあるオモチャ”として扱っているところ。パズルのように部品をハメ込んでいくコアパーツのカスタマイズなんかがまさにその代表例で、他にもゲーム内に『LBXマガジン』という専門誌が出てきたり、アーマーフレームのパッケージがプラモデルの箱そのものだったりと、ところどころに“ホンモノ”っぽい手触りを入れているのがウマい。世界観に説得力があるから、まるで本当にLBXというオモチャが存在していて、自分の手でいじっているかのようなリアリティがある。

『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
▲CPUやモーター、メモリといったコアパーツは、胸部のコアボックス内にきっちり収まるように配置していかなければならない。

■「オレのLBXスゲー!」が味わえるバトルシステム

 “プラモクラフトRPG”という銘打っている本作だが、戦闘部分はれっきとしたアクションゲーム。自分のLBXを操り、先に相手のLBXを破壊することができれば勝利となる。

 この手のロボットアクションにありがちな操作のクセはほとんどなく、ジャンプやダッシュの挙動もキビキビしていて使いやすい。攻撃は□ボタンで行い、連続で押せばコンボになるし、押しっぱなしでチャージ攻撃も出せる。武器は2種類まで持ち込むことができるため、武器切り替えを駆使すれば、遠距離では銃撃、近距離では近接武器――といった使い分けも可能。全体的な挙動は『カスタムロボ』や『ガンダムvs.』シリーズなどに近く、ダッシュの軽快さは『電脳戦機バーチャロン』を思わせる。

 一方、特徴的なのがテンションゲージの存在で、これは各アクションを行うたびに減少していき、ゼロになってしまうと回復するまで一定時間マシンの性能がガクッと落ちてしまう。テンションがあるうちはかなり軽快な動きができるが、ゼロになってしまうと一気に不利になる――というバランスはユニークで、バトルではテンションゲージと相談しつつ“攻める時には攻め、退くべき時は退く”といった立ち回りが重要になってくる。ダッシュ攻撃などは相手の虚を突きやすいが、ダッシュにテンションを使いすぎてしまい、せっかく接近したのに1発しか攻撃できなかった! というケースもあるため、テンションゲージの残量には常に気を配っていきたい。

『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
▲○ボタンで素早くダッシュが可能。ダッシュ後のスキはほとんどないが、テンションゲージの残量には注意しよう。▲□ボタンは攻撃。コンボやタメ攻撃などのバリエーションもあり、どんな攻撃になるかはウェポンにより異なる。

 画面左下にあるチャンスゲージがたまると、あらかじめセットしておいた必殺ファンクションをRボタンで発動できるようになる。これはいわゆる必殺技だが、発動するとカットインが入り、射程内の敵に問答無用で攻撃を仕掛けることが可能。逆に自分が仕掛けられた場合は、相手の攻撃を読んでガード、ジャンプ、ダッシュのいずれかを選択し、うまく読み勝つことができれば大ダメージを回避することできる。必殺ファンクションでトドメをさすと、戦闘終了時にボーナスももらえるので、余裕があれば積極的に狙っていきたい。

 この原稿を書いている時点では、まだプレイヤー同士の対戦を体験していないため、戦闘バランスについて触れるのは控えるが、少なくともストーリーモードを遊んだかぎりでは、誰でも手軽な操作で「オレのLBXスゲー!」感を味わうことができる。なおかつ、極めれば奥の深い立ち回りも可能となる、非常によくできたバトルシステムだと感じた。テンションゲージを使った独特の駆け引きや、読み合いだけですべてが決まってしまう必殺ファンクションが対人戦でどのように影響してくるのかは気になるが、このあたりはレポートの後編でお届けしたい。

『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
『ダンボール戦機』 『ダンボール戦機』
▲見た目も派手で、読みさえ当たれば一気に逆転が可能な必殺ファンクションは、まさにLBXバトル最大の華と言える。

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