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2011年6月16日(木)

画質とリプレイが今回のキモ!! XBLA『レイディアントシルバーガン』インタビュー

文:電撃オンライン

 日本マイクロソフトより2011年内に配信される予定のXbox 360ダウンロード専用ソフト『レイディアントシルバーガン(以下、RSG)』の、開発者インタビューを行った。

『レイディアントシルバーガン』

 『RSG』は、1998年にトレジャーがアーケード用にリリースし、その後セガサターン用ソフトとして発売された縦スクロールSTG。ボタンの組み合わせによる7種類の武器の使い分け、敵を特定の順番で倒すことでスコアが倍増する独自のチェーンボーナスシステム、そのスコアと機体のパワーアップが直結しているシステムなどが特徴だ。またXbox LIVE アーケード版には、アーケード版とセガサターン版でプレイできたストーリーとステージがすべて含まれる。

 この記事では、開発会社であるトレジャーの代表取締役社長にして本作のプロデューサー・前川正人氏と、Xbox LIVE アーケード版の制作に携わった三條勝博氏のインタビューをお届けする。

『レイディアントシルバーガン』
▲三條勝博氏(写真左)と前川正人氏(写真右)。

――本作の移植は、周囲からもかなり難しいのでは? と思われていたようですが、今回リリースが決定した経緯を教えていただけますか?

前川氏:もともとは、2008年に配信開始したSTG『斑鳩(いかるが)』の開発時から日本マイクロソフトさんからお声がけしていただいていたんですよ。それにユーザーからも「どうして『斑鳩』は移植したのにこっちは移植されないんだ!」という大きな声がありまして(笑)。

――それに後押しされて開発を決定したわけですね。

前川氏:はい。おかげさまで三條に苦労してもらいました(笑)。

三條氏:『斑鳩』はもともとグラフィックのスペックが高かったため、そのまま持ってきても問題ないようなレベルだったんですよ。しかし、『RSG』は『斑鳩』よりももっと前、コンシューマで言うとセガサターンの時代の作品なワケです。ですからゲームの移植そのものよりも、グラフィックのリファインに力を注いだ形となりました。

前川氏:三條には「『RSG』の移植を頼む。これは出すことに意義があるものだから」と言っていたんです。最初は私も「Xbox 360で『RSG』が動けばいいや」くらいの本当に軽い気持ちでした(笑)。ですが、移植作業が進んだところで「グラフィック、このままじゃまずいよなぁ」と思ってしまい……結果としてかなり大がかりな作業になってしまいました。

三條氏:極端な言い方をすれば、移植ではなく単純にリメイクしたほうが楽だったかもしれません。プロジェクト人数が少なかったことも関係していますが。

――どれくらいの人数が作業に携わっていたんでしょうか?

三條氏:最初は1人でした(笑)。

――えっ!! 三條さん1人ですか!?

三條氏:前川が言っていた通り、最初は“Xbox 360で動けばいい”というだけだったんですよね。結局、グラフィックのあれやこれやでメンバーも増えてしまいましたが(笑)。ゲームを動かすことよりも、セガサターン固有の特殊効果を再現するのに苦労しました。

前川氏:かなり苦労させたと思います(笑)。

三條氏:背景の再現がかなり大変でした。実は1枚に見える背景ですが、5枚のテクスチャを使用しているんです。最初に(Xbox 360上で)動かした時にはもうガタガタで……。

前川氏:セガサターンで『RSG』を作った時には、十数年後に別ハードへ移植するなんて考えていませんでしたからね。当然ですが(笑)。かなりクセのある作りになっているんですよ。というのも、セガサターンで制作した当時って“ハードの性能は極限まで引き出してナンボだ!!”という風潮があったんですよ。改めて見てみると「どうしてこんなクセのあるものになっているんだろうなぁ……」なんて思わずボヤいてしまったり(笑)。

『レイディアントシルバーガン』 『レイディアントシルバーガン』 『レイディアントシルバーガン』
『レイディアントシルバーガン』 『レイディアントシルバーガン』 『レイディアントシルバーガン』 『レイディアントシルバーガン』
▲こちらは本作のスクリーンショット。グラフィックモードを変更すれば、オリジナルのグラフィックで遊ぶことも可能となっている。

――Xbox LIVE アーケード版の制作にはどれくらいの期間がかかったんでしょうか?

三條氏:約2年半ですね。最初の目標であった“Xbox 360で動かす”というのは開発を始めてから半年くらいで達成していたのですが、そこからが長かったです。

――インタビュー前に実際に遊ばせていただきましたが、グラフィックは本当にキレイになっていますよね。目の前で動くものを見た時の気持ちはいかがでしたか?

前川氏:感慨深いものがありますよ。セガサターン版は“幻の作品”となってしまっている感もありますので。……と私が言うのも変な感じですが(笑)。ともあれ、多くの皆さんにこの作品を触っていただけるようになるのは本当にうれしいですね。それに海外では『RSG』はリリースされていませんから、海外のSTGファンに触っていただけることもとてもうれしいです。

――Xbox LIVE アーケード版には、リプレイ機能も搭載されていますが、こちらについて聞かせていただけますか?

前川氏:Xbox LIVE アーケード版の命と言っていい部分です! これだけは絶対に外すわけにはいきませんでした。早く皆さんの超絶プレイをリプレイで見たくてワクワクしています。

三條氏:昔遊んだ人も、新しいパターンを構築してみてもらいたいですね。リプレイには早送り機能もありますので、ぜひ活用してもらいたいです。パズルのように、いかにしてチェーンを構築するかも楽しみのひとつだと思います。

前川氏:早送り機能は、本当にすばらしいです。1時間くらいのゲームがものの数分で終わってしまいます。結構長いゲームですので、見る人も楽になると思います。開発サイドから言うと、早送り機能はバグチェックで大変役立ってくれました(笑)。シューティングは苦手だけど超絶プレイを見るのは好きという人も多くいらっしゃいますし、プレイの参考にする以外に、こうした楽しみ方もアリだと思います。

――5月26日のニュースで隠しボーナスとして“『斑鳩』シューティングモード”が用意されていることが明かされていましたが……。これについてお聞かせいただけますか?

前川氏:簡単に言ってしまうと“『斑鳩』のチェインコンボシステムを採用したモード”ということですね。『RSG』では赤・青・黄の3色の敵が登場しますが、赤なら赤、青なら青といった具合にずーっと同じ色の敵だけを倒していかないとボーナスがもらえないんです。でも『斑鳩』モードでは、同じ色の敵を3機単位で撃ち落としていけばいい。赤3機撃ったら、青3機、次にまた赤3機撃墜したり……といった戦い方ができるんです。

――では、どうすればこのモードを遊べるんでしょうか?

三條氏:ぜひ『斑鳩』を遊んでください!! とだけ言っておきますね(笑)。

『レイディアントシルバーガン』

――それでは最後に、配信を待つユーザーへメッセージをお願いします。

三條氏:ぜひプレイして、10年以上前のゲームでもこんなにすごいんだ! というところを感じてもらいたいですね。

前川氏:ぜひぜひ皆さんの超絶リプレイをお待ちしています! 特に『斑鳩』シューティングモードでのプレイを見てみたいですね。今回初めて『RSG』に触るという人は、シューティングの楽しさを感じてもらえれば何よりです。

(C)1998,2011 TREASURE

データ

▼『レイディアントシルバーガン』
■メーカー:日本マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360(ダウンロード専用)
■ジャンル:STG
■発売日:2011年予定
■価格:1,200マイクロソフトポイント

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