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2011年11月1日(火)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.1:メモリアル座談会(1) 1981~85年編】フロッピーディスクがカセットテープより高かった時代のお話です

文:電撃オンライン

■カセットテープでゲームを遊んでいた時代

編集Y それじゃあ、日本ファルコムの歴史について話を始めよう。記念本を作ったそみんたちは知ってるだろうけど、日本ファルコムはもともとゲームメーカーじゃなくて、コンピュータを使った業務分析や計画立案といった業務を行う会社だった。その後、立川でアップル社製品の取り扱いを中心としたコンピュータショップを開設した。PCゲームを初めて発売したのは1982年6月で、『ギャラクティックウォーズ』というSLGだったんだよね。

そみん 記念本のP.269に、初期作品の広告を掲載しています。

編集Y どれどれ……。うわ、懐かしい! 『ぱのらま島』とか『ホラーハウス』とかも遊んだなあ。

▲広告ギャラリーには、初期作品の広告も掲載。日本ファルコム初のRPG『ぱのらま島』の広告も載せている。

おぬ へえ、PC-8801版の『ギャラクティックウォーズ』って、カセットテープ版が4,500円で、フロッピーディスク版は6,000円なんですね。あれ、7,000円なのかな? 値段が2つ書いてありますね。

編集Y 5インチフロッピーディスク版が6,000円で、8インチフロッピーディスク版が7,000円ってことだね。

そみん 3.5インチフロッピーディスクは10年くらい前まで見かけましたけど、さすがにフロッピーディスクドライブ自体見なくなりましたね。

編集Y カセットテープを再生するとノイズがすごくてね。自分で“RUN”を入力しないと始まらないゲームもあったなあ。

そみん 友人の家でカセットテープのゲームを遊んだことがありますけど、ロード時間とかすごかった覚えがあります。そもそも、PCやゲームを起動するのに10分以上かかった記憶が……。

おぬ カセットテープでゲームを遊ぶという感覚が、さっぱりわかりません(笑)。ちなみに、全部リアルタイムでプレイしたんですか?

編集Y さすがに全作品を遊んだわけじゃないけどね。今でこそRPGのイメージが強い日本ファルコムだけど、初期は良質なSLGやAVGの開発メーカーとして注目されていたんだよ。

おぬ あ、ファミコンの『太陽の神殿』は遊んだことがありますよ。仲間と一緒にバトルする、RPGみたいなゲームですよね?

編集Y ファミコン版は東京書籍によるライセンス作品で、大幅にアレンジされているんだよね。オリジナル版の『太陽の神殿 アステカII』は純粋なAVGで、なかなか難易度が高かったんだよなあ。

そみん 『太陽の神殿』の前作にあたる『アステカ』は、1984年に発売されてますね。

編集Y 前作といっても、特にストーリーのつながりはないけどね。初期の日本ファルコムのAVGだと、個人的には『デーモンズリング』(1984年発売)のインパクトのほうが強かったかな。

おぬ 記事を読むと“瞬間画面表示”がウリだったということですけど、当時の印象はどうでしたか?

編集Y いやもう、衝撃だったよ。当時のグラフィックの表示方法はちょっと特殊で、まず線が書かれて、パーツごとに色が塗られていくドロー方式がメインだったんだけど、これがとにかく遅くてね。画面を切り替えるごとに十数秒くらい待たされるのがざらだったんだけど、『デーモンズリング』は約1秒でグラフィックが表示されたわけで。今のご時世には信じられないかもしれないけど、本当に衝撃的だったね。

▲“瞬間画面表示”を実現した『デーモンズリング』の記事。攻略記事としても使えるかも?

そみん ちなみに、自力で『デーモンズリング』をクリアできましたか?

編集Y うーん、3Dダンジョンをマッピングして、ちゃんとクリアしたはずなんだけど……(記念本の記事を見て)すっかり忘れてるねえ(笑)。あ、このワニオトコはなんとなく覚えてるかな。1匹ずつおびき出して倒した気がする。

おぬ この前、僕も挑戦してみましたけど、家に入ることすらできませんでした。そもそも“ロープ トル”とか、テキストを入力しないといけないゲームを遊ぶのも初めてで、すごく難しかったです。

編集Y 当時のAVGはテキスト入力方式が普通だったんだけど、さすがに時代を感じるね。AVGの他には、テレビのニュース番組で紹介されたこともある『SSGN潜航特攻作戦』(1983年発売)とか、日本ファルコムのSLGも評判がよかったんだよね。でも、なんといっても日本ファルコムが大ブレイクしたのは1984年9月に発売された『ドラゴンスレイヤー』じゃないかな。それと、1985年に発売された『ザナドゥ』。この2本のA・RPGの大ヒットによって、日本ファルコムの知名度はぐんと上がったんだよね。『ザナドゥ』なんて、当時40万本も売れたわけだし。

そみん それでは、次はそのあたりの思い出を語ってもらうことにしましょう。

隠された大宇宙の力を召喚して行う『ザナドゥ』のセーブ!?→(3ページ目へ)

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データ

▼『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』
■発売:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年11月8日
■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
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