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2011年11月1日(火)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.1:メモリアル座談会(1) 1981~85年編】フロッピーディスクがカセットテープより高かった時代のお話です

文:電撃オンライン

 『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(11月8日発売)の制作スタッフが、自分たちが作った記念本を見ながら日本ファルコムの30年の歴史を振り返るメモリアルな座談会をお届け。第1回は、日本ファルコムが創業を開始した1981年から、40万本以上の大ヒットとなった『ザナドゥ』が発売された1985年までをプレイバック!

■座談会参加メンバー

そみん
 記念本の主要制作メンバー。無類の日本ファルコム好きだが、実はPC-8800シリーズは友人宅でしか遊んだことがないのがネック。35歳男性。

編集Y
 レトロPCをこよなく愛する編集者。記念本の制作にはかかわっていないが、往年の日本ファルコムの歴史を知る生き字引きとして座談会に参加。43歳男性。

おぬ
 主に『イース』シリーズの記事を担当した記念本の制作メンバー。PSPの日本ファルコム作品はかなり遊んでいるが、古いPCゲームにはうとい。30歳男性。


■ベーマガとかシンタックスエラーとか、30年前の思い出話は大脱線!?

そみん この座談会では、今年で30周年を迎えた日本ファルコムの思い出を振り返っていこうと思いますが……30年って、長いですよね。

おぬ 日本ファルコムの創業開始は1981年(昭和56年)3月9日なんですね。僕は1981年7月生まれなんで、ほぼ同い年になります。

そみん 自分は幼稚園ぐらいの時か。ファミコンの発売が1983年7月15日と考えると、1981年って本当に昔ですよね。

編集Y 日本ファルコムはオレが中学生の時に設立されたのか。そう考えると、時代を感じるな。

そみん この座談会は毎回数年の思い出を語る形を予定していて、今回は1981~1985年の5年間になるんですけど……Yさんの独壇場にならざるをえないかと。

編集Y まあ、仕方ないだろう。日本ファルコムの初期作品をリアルタイムで遊んできた人は、さすがに少ないだろうから。あの当時にPCゲームを遊べる環境があった人も少ないだろうし。

おぬ YさんはPCを持ってたんですか?

編集Y 父親の仕事の関係で、家にアップルIIがあるような環境だったからね。PC-8801mkIIやPC-9801とか、とにかく最新PCを発売後にすぐ買っちゃうような父だったから、かなり恵まれた環境だったと思う。

おぬ えと、アップルIIって、iPhoneやマッキントッシュで有名なアップル社のPCですか?

編集Y そこから説明しないといけないことにジェネレーションギャップを感じる(笑)。アップルIIは1977年にアップル社(当時はアップルコンピュータ社)から発売された、世界初の個人向けPCとも呼ばれているマシンだね。昔はパソコンよりもマイコンって呼ばれることが多かったかな。まあ、オレがPCに触り始めたのは中学生の頃のPC-8801mkIIくらいからだから、そこまでアップルIIに詳しいわけじゃないけどね。

そみん Yさんが初めて遊んだPCゲームはなんですか?

編集Y 何が最初だっただろ(笑)。リアルに答えると、麻雀とかトランプとかのテーブルゲームが最初になると思うけど、市販のパッケージゲームだとなんだろう……。誕生日プレゼントに買ってもらった『コスモクロス』(クリスタルソフトが発売したAVG)だったかな。それとも、PC-6601の『オリオン』(アスキーが発売したSTG)が先立ったかな……。正直なところ、中学生の頃はベーマガに載ってたプログラムを打ち込んで遊ぶことが多かったからなあ。あ、ベーマガってわかる?

そみん 『マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)ですよね。僕も中学生のころにMSXを買ってもらった時、MSXのゲーム雑誌やベーマガに載っていたプログラムを打ち込んだことがあります。

おぬ 僕も中学生の時に読みました。学校の図書室に置いてある、唯一のゲーム情報が載っている雑誌だったんで(笑)。

編集Y そみんもプログラム経験者だったか。

そみん いえ、本当に簡単なBASICしか書けませんでしたが。雑誌に書かれたプログラムをそのまま打ち込むのが関の山で、それすらよく打ち間違って“syntax error(シンタックスエラー)”を出しまくってました。

編集Y 懐かしいねえ、シンタックスエラー(笑)。今の世代は、PCを買ってもインターネットやメール、ゲームを遊ぶのが目的で、プログラムを打とうと考える人は少なくなってるよなあ。オレの時代はむしろ逆で、ゲームを遊ぶことが目的というより、プログラムを走らせて、自分が考えている“何か”を実現させるのがおもしろかったりしたんだよね。パラメータを割り振って戦うカードゲームっぽいものを作ったり、キャラを動かしてジャンプアクションゲームを作ったり。うーん、また話がそれたな(笑)。

おぬ なかなか日本ファルコムの思い出にたどりつきませんね(笑)。

編集Y あの時代を思い出すと、ついついね。じゃあ、一度仕切りなおして、初期の日本ファルコムの歴史について語るとするか。

▲記念本には、日本ファルコムの主要作品をまとめた年表を掲載。移植やライセンス作品もフォローしている。

カセットテープでゲームを遊んでいた時代→(2ページ目へ)

(C) 1981-2011 Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.

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データ

▼『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』
■発売:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年11月8日
■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
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