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2011年11月9日(水)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.6:記念本制作秘話(3)】懐かしのイラストが満載の“イラストギャラリー”&“広告ギャラリー”

文:電撃オンライン

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■ダンボール数箱分のスクラップブックをひたすらスキャン!

編集Y それにしても、こんなに古い広告がよく残ってたな。

そみん 日本ファルコムから広告のスクラップブックをお借りして、それをスキャンしていきました。さすがにここ数年の広告はデータ化されていますけど、約20年分の広告は、実際に雑誌に掲載されたものを切り取って保管している感じですね。

▲スクラップブックに保管されていた、貴重な広告の数々。記念本には、日本ファルコムが経営していたコンピュータショップのチラシも掲載している。

編集Y 20年分のスクラップブックって(笑)。とんでもない量だったんじゃないの?

そみん それはもう(苦笑)。広告だけでもダンボール数箱は余裕です。広告以外のイラストやマニュアルといった資料もあわせると、10箱を超えましたね。

おぬ 今回の記念本の資料を保管するために、大きめのロッカーをほぼ占有してましたもんね(笑)。必要な資料を閲覧するときに大変でした。

編集Y さすが30年の歴史(笑)。というか、それだけ長い間、ちゃんと毎回スクラップにしているのがすごいな。

おぬ 僕も記事を作るときに参考資料として見ましたけど、保存状態もよくてビックリしました。

そみん 広告やイラストをスキャンするだけでも足かけ1カ月ぐらいかかったと思います。もちろん、ある程度は精査してスキャンしていますし、スキャンした広告をすべて掲載しているわけではないんですけど、とにかくボリュームがすごかったんで……。ちなみに、スキャンした画像ができるだけキレイに見えるように、デザイナーが1点1点補正をかけています。これがまた、気が遠くなるほど時間がかかる作業でして。

編集Y 1点ずつ補正をかけているのか。それはもう、巧の技だな(笑)。

そみん 例えば、白い部分が多い広告記事は、普通にスキャンすると裏側の別の記事が透けて見えちゃったりするわけです。そういった部分を調整したりするわけですね。あと、ちょっと特殊な苦労話として、スキャナー探しが大変でした。紙用のスキャナーは問題なかったんですけど、ポジ用のスキャナーがなかなか見つからなくて……。

編集Y ポジとはまた懐かしい(笑)。わかりやすくいうと写真のフィルムだけど、今やデジカメが全盛だからな。フィルムという概念すら知らない人もいそうで怖くなる(笑)。

そみん たしかに、若い人はフィルムを素手で触って指紋をつけちゃいそうな気が(苦笑)。

おぬ カメラで写真を撮って現像するという流れすら、ほとんどなくなってきてますもんね。時代の流れってすごい……。

編集Y 15年くらい前までは、キャラクターイラストとかロゴとかはポジや紙焼き(印刷された写真)で提供されていたのにな。ポジをスキャンするときは、専門の会社や印刷所に出したりしていたけど、今回はどうしたの?

そみん 正直なところ、外部に発注するには点数が多すぎるので、編集部にあるスキャナーを使うことにしました。昔に比べてスキャナーの性能が上がっているので、専門の会社に出さなくてもクオリティは保てるので。ただ、問題はポジ用のスキャナーが見つからなかったことです。厳密には、小さいポジをスキャンできる機材はまだまだ市場に出回っているんですけど、大きなポジをスキャンできる機材はどんどん減っているんですよね。最終的にはなんとか機材を確保できましたが、なかなか見つからずに焦りました……。

編集Y 紙やポジをデータ化するだけでも一苦労だったんだなあ。

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データ

▼『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』
■発売:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年11月8日
■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
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