2011年11月24日(木)
――キャラクターの話題も出ましたので、ここでキャスティングについてお聞きします。今回のキャスティングでこだわった部分などはありますか?
月並みな意見ですが、キャラクターのイメージにあうことですね。サンプルボイスを聴いた時に、そのキャラクターらしさや「こんなことを言うだろうな?」という想像を再現してくれるような人を選びました。
――アフレコ時のエピソードで、何か印象に残っていることがありましたら教えてください。
ゲームの音声収録の台本には、物語の全貌が書いてあるわけではなく、該当キャラクターが登場する部分のみを抜粋しているんですね。なのでキャラクターによっては、登場シーンがとびとびになってしまい、個別のシチュエーションはわかるのですが、なぜ他のキャラクターがそんな行動をしているのか、また、自分達がなぜこのような状況に追い詰められたのかわからないんです。そこで、そういった部分をご説明しながらの収録になることが多々あります。
なので収録をしながら「なぜこうなるんですか?」「おぉ、そうだったんだ!」と質疑応答が始終おきていました。よりキャラクターのセリフや行動に納得して芝居をしたいという思いもあると思いますが、ただ単に皆さん気になってしまったんでしょうね(笑)。
――皆さん楽しみながら収録されていたんですね。
エンジニアの方も、さまざまなキャラクターの収録をすることで「そうだったんだ!」と気付くことがあり、楽しまれていたみたいです。今回のゲームも渡瀬と夏彦のダブル主人公ですが、収録スタッフの皆さんにとっては、キャラクターの数だけシナリオを読んでいるようなものですよね。いろいろな方面から、ちょっとずつ真相に向かって理解していくような感覚だったと思います。
――他に何か印象に残っていることはありますか?
ベテランの方がたくさん参加されていたのですが、当然今回も難しい概念に触れる場面があり、キャラクターが自分の専門知識を説明するシーンが多々あるんです。『Ever17-the out of infinity-』でいうところの、茜ヶ崎空がLeMUの説明をするような場面ですね。どうしても専門用語や難しい言い回しが連続する場面が多々出てきてしまいましたが、やっぱりうまい方はスラスラっと読んでしまわれますね。
――キャストインタビュー企画第2回で、天川夏彦役の市来光弘さんから非常にアツいコメントをいただきましたが、収録の時はいかがでしたか?
▲天川夏彦 |
市来さんの『ルートダブル』にかける情熱はすごく高いです。それに市来さんが一番質問魔でしたね(笑)。すごく白熱していて、自主リテイクも一番多かったです。自主リテイクは皆さん結構されて、僕は「全然いいんだけどなぁ」と思いつつも、リテイクを聞くと「確かにこっちのほうがいいな」と。皆さん本当に力が入っていました。
あとは、渡瀬役の新垣樽助さんもすごく力が入っていました。新垣さんは普段のしゃべり方がわりと落ち着いている感じなんですが、熱血演技が非常にうまいです。
――新垣さんは現在『Fate/Zero』の間桐雁夜を熱演中ですね。インタビューでは、「サリュのためにおじさんは頑張ります」とコメントをいただきました(笑)。
サリュと渡瀬は、助けようとして逃げられるなど、因縁の関係になっていきますからね(笑)。新垣さんにも、いいお芝居をしていただきました。
――今回、女性キャラもたくさん登場しますが、女性キャラごとのエンディングなどもあったりするのでしょうか?
エンディングはないですが、物語を進める過程で、どのキャラクターとより親密になるかで途中のエピソードが変わります。つまり、キャラクターごとに専用のエピソードがあるわけです。
どのキャラクターと、より密度の高い時間を過ごすか、キャラクターをより理解していくか、バラバラで行動する時にも誰と行動をするのか――その累積によって、そのキャラクターの心の内や裏側、真の姿がどこまで描かれるかの度合いが変わっていきます。その他、エンディングそのものは変わらないのですが、エピローグにヒロイン固有のエピソードが追加されます。ある意味、そのエピソードを見ることで、そのキャラクターのお話をすべて楽しんだということになります。
――そこに、今回搭載されている“新機軸のシステム”が関係してくるんですね?
はい。関係してきます。そのシステムとシナリオを融合させた“ゲームならではの物語”、それが『ルートダブル』というわけです。
後編では、いよいよ新機軸のゲームシステムを紹介!
さらに、中澤さんがアドベンチャーゲームについて語ります。
(C)イエティ/Regista
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