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2011年12月19日(月)

【PS Vita 同時発売タイトル インプレッション】『ロード オブ アポカリプス』――快適なプレイ感覚と本格的な物語性の両立にハマる!

文:電撃PlayStation

 俺の名はマザン。この世界で王を継ぐ者だ……ってそこ、いきなりドン引きしてウィンドウを閉じないでっ!! というわけで、ここでは俺がこれまでに触れたPS Vitaタイトルのなかでも個人的にベストな1本『ロード オブ アポカリプス』について語っていこうと思う。

 本作は、クエストを受注してフィールドへ出撃し、そのクリア条件の達成に挑むクエスト形式のA・RPG。この手のジャンルは1クエストのプレイ時間が長かったり、ロード時間が長かったりするからニガテ……なんて人もいるかもしれないが、このゲームに関してはまったく問題なし! あらゆる面でサクサクとゲームが進行するので、ちょっとした空き時間でもプレイできてしまう。ゲームのテンポはバツグンだが、つい「あと1クエストだけ!!」とプレイし続けてしまう、魔性の魅力を秘めているのも困りモノ(笑)。気がつくと時間が盗まれており、結果原稿が滞ってしまって、編集さんに説教をくらうこともしばしば。その甲斐あって、ゲームクリアどころかチャプター○のボス『(自主規制)』までバッチリ撃破したうえで、この原稿を書いているわけだが……。

ロード オブ アポカリプス
▲物語のカギを握る存在・マスターガーディアンとの戦いは、手に汗握る緊張感。『ファイナルシネマティックシーン』をキメたときの爽快感は格別!!

 そんな本作に、僕がこんなにもハマってしまった理由。それはたぶん、ゲーム全体に渡って感じられる快適性とていねいさにあるのではないだろうか。フィールドで襲ってくる数々のザコは、シームレスでガンガン撃破可能。ザコはザコらしくHPが低いため、「俺つええぇぇ」感を存分に味わいながら突き進んでいけるわけだ。これが思いのほか気持ちいい。敵が落とした素材は、近づくだけで自動入手できるのも親切でうれしい部分。フィールドの素材も仲間であるマーセナリー(傭兵)たちが素早く回収するし、ゲームを進めると仲間を各フィールドへ派遣する『ワールドコンクエスト』も可能に。足りない素材を傭兵に集めてきてもらえるので、素材集めで同じクエストに何度も挑戦する、といったわずらわしさはほとんどない。入手した素材がアイテムスロットを圧迫せず、自動的にリザルトとして格納される点も注目ポイント。クエストクリア後に一括で手に入るようになっているので、素材を持ち帰れない……なんて悩みもゼロだ。なんて親切なんだろう……。

 もちろん、アクションとしての楽しさもかなりの高レベル。7種類のカテゴリに分かれた武器は、それぞれ特徴が違うのでやり込みが楽しい。お気に入りの武器を使い込めば、『バトルアーツ』と呼ばれる必殺技を覚えることも可能だ。ちなみに、自分の場合はトマホークがお気に入り。使いこなすには慣れが必要な武器だが、ピョンピョン飛び回ってトリッキーに戦えるので、「俺うまくなった」感がダイレクトに味わえるのがイイ。

ロード オブ アポカリプス ロード オブ アポカリプス
▲7種類ある武器は、いずれも特徴や使い勝手が異なる。自分の戦闘スタイルに合った武器を使い込めば、『バトルアーツ』と呼ばれる必殺技も修得可能。 ▲『ワールドコンクエスト』のようなバトル以外のお楽しみ要素や、豊富な武器や防具を集めるコレクション要素など、RPGとしてのボリュームもたっぷり!!

 ダークな世界観に好みが分かれる部分もあるかもしれないが、個人的にはしっかりと練り込まれた物語も見どころだと思う。強大な存在であるマスターガーディアンたちとの戦いを経て、少しずつ明らかになっていく真実は、心に獣のような中学生を飼い続ける俺のハートにスマッシュヒット中! コイツはクセになりますぜ……。

 そんな主人公のもとに集うクセだらけの仲間たちも、みんなイイやつばかりでユーノたんかわいい! ……って、すまない。想いが高じてつい本音を口走っちまった。クエストには最大で3人まで仲間(マーセナリー)を連れていけるが、戦いながらバリバリしゃべりかけてくるので感情移入しやすいし、力尽きた俺を回復してくれるなど、すごく役に立ってくれる。個人的には、物語の深いところにからんでくるラウラローネと、まったく本編の暗部にカスリもしないようなおバカキャラ・ユーノ(CV:茅野愛衣)がお気に入りだ。拠点となる村に住む住民たちも、みんな個性があって、思わず守ってあげたくなってくるヤツばかり。ラストに向けてどんどん盛り上がる展開は、王道ながら不覚にも熱くなった。アニメテイストのムービーもクオリティが高いし、マスターガーディアンを演じるベテラン声優陣の熱演も聞きごたえバッチリだ!

ロード オブ アポカリプス
▲マーセナリーたちはプレイヤーが気絶すると『ライフインジェクション』で復活させてくれたり、状態異常を回復してくれたりする頼れる仲間。正直、ユーノのかわいさは異常。

■1人プレイだけじゃない! マルチプレイもムチャクチャ熱い!!

 このように、仕事を忘れて1人で楽しみまくってる本作。これだけでもお腹いっぱいだが、マルチプレイも本作の忘れちゃいけない魅力の1つだ。マルチプレイは『ギルドハウス』という専用の施設で、気に入った仲間と好きなだけクエストを楽しむというもの。物語の進行にかかわる『アルカナ解放クエスト』もマルチプレイで遊べるので、ボスに勝てなくて詰まった……なんて場合に、上級者と一緒にリベンジできるのもうれしい。また、弱ったボスにトドメを刺せる『ファイナルシネマティックシーン』に成功すれば、参加者全員がコア(武器や防具の作成素材になるアイテム)をもらえるのもすばらしい。一緒に冒険した友だちにも恩恵があるので、気兼ねなく冒険に誘える。『ファイナルシネマティックシーン』には、画面の映像に合わせてコマンドを入力するシーンがあるのだが、もし入力に失敗しても、仲間がフォローしてくれれば再チャレンジもできるのも、連帯感を感じられてグッとくる場面だ。

ロード オブ アポカリプス
▲友だちとワイワイ盛り上がりながら楽しめるマルチプレイには、1人プレイとはひと味違った魅力が! 1人ではどうしても勝てない強敵は、友だちと挑むのもアリだ。

 正直、中盤までの難易度はやや抑え目に感じられるので、一般的なアクション好きならマルチプレイをせずともクリアは可能だと思う。逆に、後半は1人では難しい上級クエストが満載なので、マルチプレイを楽しみにしている人は燃えまくれるだろう。俺も、発売されたら趣味キャラでやり込むつもりだ。とにかく、すごいボリュームがある作品なので、年末年始にぜひみんなで盛り上がろうぜ!(マザン)

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