2012年6月29日(金)
9月13日にバンダイナムコゲームスから発売予定のPS3/PSP用ソフト『アクセル・ワールド ―銀翼の覚醒―』。その特集企画“週刊 アクセル・ワールド”がスタートした。
本作は、川原礫先生原作の小説『アクセル・ワールド』シリーズ(アスキー・メディアワークス刊)をゲーム化したもので、ジャンルは“加速世界体験シミュレーション”。ストーリーは川原先生総監修によるオリジナルになるという。ゲームは2部構成となっており、すでに『アクセル・ワールド Stage:02(仮)』の制作が決定している。
第1回目となる今回は、川原先生、三木一馬副編集長、二見鷹介プロデューサーによる対談をお届けしていく。なお、本作をはじめとするアスキー・メディアワークス20周年記念作品のゲームを特集する企画も本日よりスタート! 他の2作品についても近日記事を掲載していくので、ファンは楽しみに待っていてもらいたい。
▲左から三木副編集長、川原先生、二見プロデューサー。 |
――『アクセル・ワールド』ゲーム化の企画が動き始めたのは、いつごろだったのでしょうか?
二見:最初に三木さんにお話ししたのは、去年の夏くらいですね。
三木:二見さんは提案の方法がズルイんですよ(笑)。正式に打診する前に何度も話してくるんです。「『アクセル・ワールド』おもしろいっすね~」とか(笑)。だから正式に企画をもらった時期を覚えていないんです。
――正式打診前に感想を伝えたのはどれくらいの時期ですか?
二見:「『アクセル・ワールド』おもしろいですね」と話していたのは、一昨年の年末くらいです、確か。
三木:ちょうど最初の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のゲームでお世話になっている時でしたよね。
二見:そうですね。小説を読んでおもしろいなと思って、あとがきを読んでみたら、担当編集が三木さんだと書いてあるじゃないですか。だからまずは素直な気持ちで感想を伝えようと(笑)。
――二見さんが三木さんに企画を相談して、そこから川原先生へ……ということですね。川原先生はゲーム化の話を最初に聞いた時はどう思いましたか?
川原:元々『アクセル・ワールド』自体がゲームのお話なので、それをゲーム化するというのは、不思議な感じがしますよね。原作で扱っているゲームをゲーム化するのか、それともゲームをプレイしている登場人物たちを操作するゲームになるのかとか「いったいどうなるんだ!?」と(笑)。
――とのことですが、企画段階でゲームの形は固まっていたんですか?
二見:迷った時期はかなりありました(笑)。作中のゲームである『ブレイン・バースト』を、そのまま格闘ゲームにするアイデアもありましたけど、厳密にルールを作ろうとすると難しいんですよ。それに、ストーリーをメインにして、最後にバトル要素が入ってすぐ終わってしまうゲームを作ってしまったら、スッキリできないんじゃないかとか。いろいろと試行錯誤しましたね。
三木:最初はAVGっぽいものという話をいただいたんですけど「『アクセル・ワールド』といえばバトルとかレベル上げとか、ゲーム的な部分も期待してしまう」と伝えたんですよ。すると「そうですよね、スタッフと相談してきます」と言って企画を持って帰られて。そして次に会ったら、AVGありバトルありのてんこ盛りな企画になっていました(笑)。
――なんというか、欲張りな二見さんらしいエピソードですね(笑)。
二見:そうですね(笑)。現在開発中ですが、このインタビューが皆さんの目に触れるころには、完成の目処も立っていると思います。
――川原先生は、どのような形でゲーム制作にかかわっているのでしょうか?
二見:シナリオは川原先生に監修していただきました。
川原:最初はシナリオを紙でもらっていたんですけど、その紙があまりにもブ厚くて「これ全部チェックしなきゃいけないのか!」と驚きました(笑)。
けれど、シナリオを読み始めてみると、これがまたおもしろいんですよ。『アクセル・ワールド』という作品を深く理解したうえで、作品世界をさらに広げて書いてくださっているんですね。こんなおもしろいものを簡単なチェックですますなんてもったいないと、全部読み込んで必要なところは修正していきました。僕的には原作よりおもしろく仕上がってるんじゃないかと思っていて、「これはやられたな」と(笑)。
――それは楽しみですね。ちなみに、原作小説の何巻くらいまでを読んでおけば、ゲームをバッチリ楽しめるのでしょうか?
二見:もちろん全部です!(笑)
――原作小説6巻のあとがきで、ゲーム化されたらおまけシナリオをたっぷり書きたいと書かれていたようでしたが……?
川原:「エンディングが流れたあとに、本編の3倍くらいのボリュームでおまけシナリオが」というアレですね。……すみません、誰か書いてください(笑)。
三木:シナリオに関しては、プロットができ上がる前から相当打ち合わせをしました。ゲームを制作するガイズウェアの小林さんという方が、この作品の内容ではなく思想的なことから話を始めるんですよ。「『アクセル・ワールド』とは、こういうテーマが根底にあって進んでいますよね?」とか、きちんと作品を読み込んでいないとわからないことを突っ込んできたり、自分なりの『アクセル・ワールド』の考え方を伝えてくれたりと、この作品が本当に好きな人がゲーム制作に携わってくれているんだなと思いました。
→二見P&ガイズウェア作品といえば気になるあのネタは……?(2ページ目へ)
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