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2012年6月28日(木)

ゲームとインスタントラーメンの意外な共通点とは!? 『ストリートファイター X 鉄拳』とコラボした『日清デカ王』開発スタッフを直撃

文:電撃オンライン

■重要なのイメージできること

『日清デカ王』

――元々『ストリートファイター』はプレイされていたのですか?

和田:僕らが小学生の時に、どんぴしゃで大ブームになりました。スーパーファミコンの『ストIIターボ(ストリートファイターIIターボ)』が出た時に、家電量販店に買いに行ったのを覚えています。“最後尾はこちら”という札に並んで購入しました。「すぐに遊ぼう」とワクワクしながら家に帰ったら、父親がテレビを見ていて、ものすごいケンカをした記憶が鮮明に残っています。

(一同爆笑)

和田:そんなこともあり、「やっぱり『ストリートファイター』とコラボしたいね」という流れに結びつきました。この業界ってそういう結びつきが大事だと思うのですね。僕らは、土日に家族と歩いていてもラーメンがあると気になってしまうような生活をしているんですよ(笑)。そうなると怖いのは、思い込み。「知っているはずだ」と思って知られていなかったり、こりすぎて伝わらないことはよくあります。

 パッケージでよく言われるのは、「商品を見てすぐにコンセプトが伝わらないのはダメ」ということです。パッと見てすぐに理解してもらうためには、『ストリートファイター』のようなブランドがベストだろうと考えました。

――話に出てきましたが、やはり普段からラーメンは食べるのでしょうか?

和田:食べますね! インスタントラーメンは日清食品だけで年間約300品が発売されています。ひっきりなしに出ているので、興味と引き出しのストックをためておくという意味もあります。

――好きでもあるし、仕事でもあると。

和田:先ほどの話ですが、部署に9グループあり、互いにライバル視しているので、とっておきのネタは自分の中で隠してあります(笑)。例えば、こういう味のラーメンが流行しているといったら、いち早くかぎつけて企画を出した人の優先順位が高くなるので、会社内でも競争です。

 誌面やウェブから入ってくる情報には限界があります。実際に見て、店構えや入っているお客さんの情報、どんなメニューがあるのか、そして食べてみて判断する。週に1回は、駅を決めてそのあたりを食べ歩くようにしていますね。あとは、当然他社さんのカップめんも食べます。

――年間に300品も出していると、ネタに困りませんか?

『日清デカ王』

和田:正直な話、ネタはいくらあっても足りないくらいです。同じ醤油味でもどのような特徴を持たせるのか? 有名店とのコラボであったり、消費者の方に伝える方法はさまざまです。

――消費者の舌も肥えてきていますしね。

和田:その通りで、単純な醤油、塩、味噌ラーメンだけではなく、どんどん味が複雑になっています。また、巷のラーメン屋さんも個性的なお店が増えてきています。

――話をゲームに戻しますが、現在もゲームはプレイしていますか?

和田:学生の時はいろいろなハードを持っていて、とにかくプレイしていました。さんざん遊んでいたのですが、不思議なもので、一度やらなくなると遊んでいなくても平気になるんですよね。

 実は我が家には、PS3がありませんでした。でも実体験していないとダメじゃないですか? 「このコラボ商品を作りましたが、このゲームを遊んだことがありません」では、説得力がまったくない。ユーザーがどういうことを考えて遊んでいるのか、自分も感じる必要があるということで、PS3を買いました。

――久々に遊んでみてどうでしたか?

和田:プレイし始めたが最後、おもしろくて止まらなくなってしまいました(苦笑)。すごいと思ったのは、ハードも違えばグラフィックも違うのに、『スパIV(スーパーストリートファイターIV)』や『ストリートファイター X 鉄拳』を遊んだ時に、昔やっていた『ストII』のことを鮮明に思い出したんですよ。あれには感動しました。

 今では「今日は何時まで遊ぶ」というように時間制限を設けて遊んでいます。ゲームとタイアップするという告知のために、一時期は仕事と言って長時間遊んでいたりもしましたけど(苦笑)。

――なるほど。中村さんはラーメンは食べますか?

『日清デカ王』

中村:年々量は減っていると思いますが、好きですね。今回の『デカ王』であればボリュームがあるので、お話を聞いた時に「10代や20代の人は、こぞって食べるんだろうな」と思いました。今年の初めは忙しくて、食事といえばすぐに食べられるラーメンにすることが多かった。でも食べすぎたようで、お腹の周りに肉が付き始めてしまい、気をつけないとって思っています(苦笑)。

――ちなみにどんな味が好きですか?

中村:『カップヌードル』のシーフードって、自分が中学生くらいからあると思うんですが、あれが好きですね。学生の時は、運動してお腹が空いたら最後にご飯まで入れて食べていました。あと、海外で仕事していた時があったんですが、向こうの食事に飽きる時がある。『カップヌードル』はワールドワイドブランドなので、そんな時に食べるとホッとする。それもあってか、世界に通じるアイコンというイメージがありますね。

――そこも『ストリートファイター』と通じるのかもしれませんね。

中村:食品とゲームということでジャンルはまったく違うのですが、先ほどから話を聞いていて、アイデア競争だったり会社の中にも小さな会社があるイメージだったり、本当に近いですね。

――『カップヌードル』といえば、大学4年間、ほぼ毎日カップめんを食べていた知り合いがいるのですが、最終的には『カップヌードル』が飽きないという結論に落ち着いていました。

和田:それが会社を支えている糧でもあり、僕らの最大の壁でもあります。しっかりしたユーザーがついているので、何を出しても勝てない。『カップヌードル』をつぶせる商品を作るように、言われるんですね。

 日清食品の社員としては誇りですが、僕の立場からすると邪魔ものでもある。

――というと?

和田:胃袋の数は一定なので、パイの奪い合いになります。カップヌードルがなくなれば、それを食べていた人たちが自分たちの商品を食べてくれるかもしれない。他社からすると『カップヌードル』は弊社にしかない強みですが、我々のライバルでもある。そういう意味です(笑)。

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