2012年8月11日(土)
電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第49回となる今回は、『簡単なアンケートです』を執筆した鎌池和馬先生のインタビューを掲載する。
▲はいむらきよたか先生が描く『簡単なアンケートです』の表紙イラスト。 |
鎌池先生の新作は、いくつものエピソードから構成された一風変わった形式の作品。あらすじの代わりに本作の注意書きをここで紹介しよう。
これは読者参加型のアンケートです。紙とペンの準備をお忘れなきようお願いいたします。
今から皆様にやっていただきたいことをご説明します。これから皆様に、いくつかの“物語”をお見せします。その“物語”をおもしろい順に番号を割り振ってください。同じ番号はいけません。番号は一度記入したあと、書き換えることもできます。ゆっくり考えてくださって結構です。
とにかく最後に、きちんと“物語”をおもしろい順に並べていただければ、問題ありません。
はい、それだけです。これは、簡単なアンケートです。
鎌池先生には、本作が生まれた経緯や、セールスポイントなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
設定などのストックが一定量に達したものの、これまでのシリーズの中には組み込めず、なおかつ単品で新シリーズを立ち上げるにはパンチの足りないものも増えてきたため、そういったものを活用できないかな、というのが大前提です。
あと、通常の“目次”が使えないハチャメチャな構成の本を書いてみたかった、という考えも以前からくすぶっていましたので、ちょうどいい機会なので合体させてしまえ!という事になりました。
――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
いろんなタイプの話が入っていますので、好みにあうものがあれば、と思います。
――作品を書くうえで悩んだところは?
ギミックの核ともつながる部分ですが、一見関連性のないように見えるもののつなげ方でしょうか。また、核そのものの性質上、できるだけ簡潔にわかりやすく、という方向性でもないため、いかに明示せずつながりを作っていくかが大変と言えば大変でした。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
直接“お話の形”にまとめあげる作業なら、数カ月から半年程度? 他の仕事と違い、ヒマを見つけては書き溜めてきたものをつなげた構成になっていますので。単純なネタ出しなら、それこそ年単位になるかもしれません。
――登場人物について、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
広い意味でなら主人公と呼べる人物が25人近くいる作品ですが、キャラについては電車に乗ったりコンビニで買い物したりしている時にパッと思いついたものを当てはめたりしていたような気がします。
――特にお気に入りのシーンはどこですか?
やはり“目次”でしょうか。ギミックの詳細については言及しませんが、普通とは違う使い方をしているので、そこがお気に入りです。
――今後の予定について簡単に教えてください。
この作品については、正直に言って何もわかりません。でも、そういうパターンを経験しておくのも大事かな、と。
――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
ラブコメ風の短編集の体裁になっていますが、そこで終わらせてはいません。うがった楽しみ方をする人の方が、入り込みやすいかも? 本文でキャラたちが説明している以上の“奥行き”があることを前提に読み進めていただければと思います。
(C)鎌池和馬/AMW
イラスト:はいむらきよたか
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